異色の東大教授による財産形成
こんにちは。
今日は、本多静六『私の財産告白』の著書を読んで、その生き方が面白かったので、いくつかのエピソードを紹介してみたいと思います。
本多静六さんは、ドイツで博士号を取得し、東京大学教授でありながら、給料の4分の1貯金を実行して、40歳にしてFIRE生活ができるようになりましたが、60歳の定年で全財産を公共事業に寄付し、さらに終戦後に国から資金を没収されほぼ無一文になるも、倹約生活を続けながら85歳までに370冊の本を執筆した人です。
1 85歳でも衰えず進歩している
まず、本書の序文に次のような記述がありました。
安泰な老後とは真逆の、日々進歩していく姿が目に浮かんできますね。将来、85歳になったときの自分に向けて、とても励みになるメッセージでした。
2 ミュンヘン大学ブレンタノ博士との出会い
本多さんが、ミュンヘン大学から日本に帰るときに、師匠のブレンタノ先生から、「いつまでも貧乏を続けるんじゃない。学者も財産を気づかないと、自由を制限され、やりたくもない仕事をせざるを得なくなるぞ」と言われたことがきっかけで、資産形成を実行することになったそうな。
さらに、興味深いのはブレンタノ博士の未来予測だ。
国の発展の勢いに乗ることが大事だという視点が素晴らしいですね。
3 人は必ず貧乏を経験すべきだ
私も「人は、一生において一度は貧乏によって心が苦しくなる経験をすべきだ」という持論があったので、次のフレーズにはとても親近感が湧いた。
4 同僚からの辞職勧告を家計簿で乗り切る
大学で学士会館を建てることになり、教授たちがそれぞれ寄付をするという話になったそうな。ところが、本多が1000円という当時では大金の寄付を申し出たことが問題となり、同僚たちが「大学教授のくせに1000円だと?!給料だけではそんなに貯まらない。何かけしからんことをしているに違いない」といって、辞職勧告状を研究室に持参してきたそうな。これに対して、本多さんは同僚2人を無理やり家に引き連れて、家計簿などを目の前に積み上げて、つぎのような話をしました。
やはり、家計簿をつけるなど、お金の管理はキッチリとしておくべきことがわかりますね。
5 不正の原因はお金
世の中から犯罪がなくなることはないが、その原因を突き詰めると、多くの場合にお金の問題に行き当たる。同じようなことを本多さんも次のように述べていた。
6 資産とお金の貸し借りのトラブル
資産を築くようになると、それを嗅ぎつけた人がわんさかとあふれかえるようになる。当然、お金を貸して欲しいという人とトラブルになることが多くなる。とくに親戚や友達から金を貸して欲しいと言われると、温情もあってお金を貸してしまいがちだが、一度借りた人は二度三度借りるという習性があるのも事実だ。この点について、本多さんは次のように述べている。
7 副業でお金を作り出す
戦後という時代において、本業の給料だけでは資産形成が難しいため、副業で所得を増やすべきだと説いているところに驚いた。しかも、本多さんは修行のように毎日毎日ひたすら文章を書きまくっていたのだ。
この本多さんの習慣は、積もり積もって自らの資産になったというところが本当に興味深い。時代が変われど、ブログやYoutubeなど、毎日毎日続けることが資産形成の第一歩だという普遍的な事柄を教えてくれているのだ。
8 お金という現実を見よ
日本人はお金について学ばないと言われているが、学校では教えてくれないばかりか、財産を築いた人も自分の自慢話になるのであまりお金の話をしてくれないことが多い。そこで本多さんは、あえて私の財産告白という著書で、70年前から私たちにお金の話をしてくれていたのだ。この著書を通じて、本多さんとの対話ができて本当に幸せだ。
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