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歌三線稽古日記(20231009〜)

2023年10月9日(月)
スポーツの日。土曜日にコロナワクチンを接種したから運動など出来ぬ。
老母と共にリウボウストアやサンエー等で買物。
三線の稽古、先週に続き「手習い 沖縄の三線」第四課を粛々と。三線と云えば、近所に人間国宝が住んでいる事を知り、吃驚仰天。名を城間徳太郎と云う。

与儀八三会館に有る城間徳太郎氏の銅像

老母曰く「ああ、徳太郎さんでしょう? 三線教室やっていたけど、今はどうかねえ。芸大でも教えていたはずよ」。因みに今夏、氏のCD『琉球古典音楽集成』を購入したばかり。

10月10日(火)
10.10空襲の日。79年前の1944年、米軍の攻撃により旧那覇市の9割が灰燼に帰した。那覇生まれの老母や城間徳太郎氏は当時10歳前後。この空襲で南部や北部へ避難、8か月にも及ぶ沖縄戦を生き延び、戦後の困窮を耐え忍んだ。
那覇警察署の向かい側に樋川郵便局が開局、幾分便利になった。窓口で日本赤十字社沖縄支部への寄付。但し去年の半額。無為無策の岸田政権の所為としておく。
その後、裏手に有る「rokkan COFFEE CREATORS」でエスプレッソ。

糸満市に工房を構える今村能章によるエスプレッソカップ

与儀市場通りの賑わいも今は昔。往時に比べると人通りは少なく、寂れた通りとなった。然し乍ら、此の珈琲屋が出来てから、小綺麗な若者達がやって来る様になった。国内外の観光客も多し。

NHK「うたコン」に宮沢和史登場。宮沢和史 with 親川遥という形で「島唄~流奏~」を披露。親川の声は清涼と哀調を併せ持ち、白い着物の出で立ちも見目麗しい。其の存在感、宮沢を凌駕している。琉球古典での編曲・演奏も良し。


10月11日(水)
ラジオ沖縄で「宮沢和史の琉球ソングブック」という番組が放送されて居る。先月だったか、此の番組で知ったのが、アントニオ・カルロス・ジョビンの娘、マリア・ルイーザ・ジョビンによる「涙そうそう」カヴァー。昨夜の「島唄」同様、此方も素晴らしい仕上がりである。

自分の場合「島唄」も「涙そうそう」も、耳馴染みは有るものの、些か甘みが強く感ぜられ、積極的に聴く事は無かった。其れが親川遙やマリア・ルイーザ・ジョビンの様な歌い手によって印象が変わり、共に初めて楽曲の良さを実感出来たのである。


10月12日(木)
老母、三男叔父と共に、沖縄ハーバービューホテルの中国料理店「桃翠」にて次男叔父の米寿祝い。
次男叔父は軽い認知症を患っているが、日常生活は支障無くこなしている様子であるし、部屋も整頓され、身なりも清潔である。但し、時折「放電」を通じて、幾人もの「死者」から「連絡」が有るらしい。今回、食事前にも「死者」と会話を始める。三男叔父曰く「いつもこんな感じよ」。
次男叔父の抱える不安要因の一つに、自分の祖母、叔父達にとっては彼等の母親に端を発する、複雑怪奇なトートーメー問題が有る(と自分は感じている)。永代供養をすれば、精神的な不調も多少は改善する様に思う。
奥武山水泳プールへ。ウォーキング+スイミングで1000m。利用者が10名程居たが、1人減り2人減りし、そして誰もいなくなった。クリスティか。

10月13日(金)
老母とリウボウストアやサンエー等で買物。
夕方、自閉症の甥を預かる。近所を散歩。

太り過ぎである。


10月14日(土)
神原小の裏門近く、同校の児童と思われる子供等が「お店」をやっており、見ると段ボール箱の中に、駄菓子や人形、Jリーグカード等が並んで居る。1個当たりの値段が10〜20円、一番高価な物が150円と微笑ましい。
感心した事。「ちょっと見ていきませんか?」と積極的。商品が整然と並んでいる。値札も分かりやすい。商品説明が上手。「お釣りもあります」と小銭を用意している。大人に対し敬語で喋る。買った後、元気な声で「有難う御座いました」と云う。そこかしこで見かける駄目な店員は彼等の下で修行しては如何。
3点購入で合計50円。100円玉を出し、釣り50円を受け取る。一瞬、釣りは要らぬと言い掛けたが、態々、釣り銭を用意しているのであるし、商取引の勉強にもなるであろうと考え直した。
服装から判断するに、サッカークラブの子等に見えたが、此れが単なる小遣い稼ぎなのか、其れとも遠征費等の足しにする為なのか、訊けば良かった。後者であれば、代金とは別に応援金を渡したのであるが。


10月15日(日)
旧暦9月15日。老母が仏前と火の神にうぶく供える。
太平通りの洋食屋「ぴっころ」で昼食。会計時、シェフが出てきて神妙な顔付きをしている。怪訝に思っていると、曰く「実は月末で店を閉めることになりました」。何たる事。月に一度の愉しみが無くなってしまうではないか。大ショックである。そもそも太平通りの様な場所で、手の込んだ料理をリーズナブルな価格帯で供する店が、果たしてやっていけるのか、という疑念は有ったのだが。何れにせよ、月末迄にもう一度足を運ばねばならぬ。
ジュンク堂で買物。熊本博之『辺野古入門』、上原直彦『琉歌百景』等。その後、りっかりっか湯でサウナ。


今週の凡句 季節風みーにしや散り散りに散る死者の声 (I)

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