照屋勇賢「オキナワ・ヘヴィー・ポップ」
沖縄の歴史を視覚化する、という太い幹のようなコンセプト。
個々の作品は、その枝葉であり花であり実であり、さまざまなアイデアが明快かつ軽快に造形化されている。
沖縄は、そこかしこで歴史と構造が露呈し、政治と日常が骨がらみになっている土地だけれども、そうした状況を、適度にシニカル、適度にユーモラスな手法でもってふちどっているのが特徴か。
(そのぶん、かなり「わかりやすい」ような気もする。
ただ、それはわたしが「沖縄」の側にいるから、そう感じるのだろう。)
おもしろいことに、表現のありようは多種多様なのに、歴史に、構造に、政治に、日常に、〝穴を穿つ〟ことは一環している。
大辞林を引くと、穴というのは「反対側まで突き抜けてあいている空所」のこと。
照屋作品において、この「反対側まで突き抜けて」という状態は、案外、重要な要素になっているのかもしれない。 (O)
会場 沖縄県立博物館・美術館
会期 2023年11月03日(金)〜2024年1月21日(日)
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