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ラーメンズ、そして男性ブランコ

ラーメンズを初めて見たのは、私が中学生の時。NHKの爆笑オンエアバトルだった。正直、第一印象はそんなに良くなくて、難しいネタをする人達だなという感じだった。
その後たしか、第1回チャンピオン大会でやってた片桐概論高校編のネタがすごく面白くて、そこから一気にファンになった。

ラーメンズはコントだけど、演劇的な要素も強く、小林さんの書く他に見た事のない独自性の強い脚本と、そこに出てくるキャラクターを見事に演じ切る片桐さんの組み合わせが本当に素晴らしくて、色々なネタを見れば見るほど好きになっていった。

私が特に好きだったのは「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」。芸人さんのネタを見て、初めて泣いた。笑えるし、泣けるし、見た後にあたたかい気持ちになった。

あと「怪傑ギリジン」。片桐さんが耳に残る歌を歌いながら、竹馬に乗って、小林さんの周りをぐるぐるしてるネタ。耳に残るメロディーとフレーズ。どこまでがネタでどこまでがアドリブかわからないところも含めて、何回も見たくなるネタだった。

本公演、いわゆる単独ライブが圧巻で、満足感が半端なかった。2人だけの舞台を2時間近く堪能出来て、すごく幸せだった。実際に3回本公演を見に行く事ができたけど、生で見た舞台は本当に楽しかったし、ちょっと感動した。2人にしか出来ない舞台をこれからもずっと見たいと思ってた。

しかし、結局それは叶わなかった。
本公演は2009年で終わってしまい、2人一緒の姿を最後に見たのは、NHKの BSプレミアムで放送された小林賢太郎テレビ8で、久々に2人でネタをしてる!とすごく嬉しかったのだけど、その後も本公演が再開される事はなく、それ以降2人でのテレビ出演などもなく、2020年に小林さんが表舞台からの引退を表明し、完全にラーメンズは活動を終了してしまった。

さらに辛い出来事があった。
小林賢太郎さんが2020東京オリンピックの開会式と閉会式のショーディレクターを任命されていたのに、過去のネタ動画が掘り起こされ、その中での発言が問題視され、結局はその役職から外されることになった。
それまで別にラーメンズを知らなかったであろう人達からも、小林さんが批判されているのを見て、本当に悲しかった。こうして、推しコンビが完全に失われ、批判されて、2021年の夏、ひどく傷付いていた。

そんな時に出会ったのが、男性ブランコ。
初めて見たのは、千鳥のクセがすごいGPの「数学泥棒」のネタ。初めて見た時の印象は、ラーメンズを見た時と全く一緒。「難しいネタをする人達だな」だった。

2021年の秋。キングオブコント。
ボトルメールと袋のネタが両方すごく面白くて、興味を持った。気になってWikipediaを見たら、影響を受けた芸人のところにラーメンズと書かれていた。

見つけた!と思った。ラーメンズが好きだと言ってくれてる事がまず嬉しかった。同志を見つけたという感覚に近かった。男性ブランコのネタは、ラーメンズのネタとは全く違うけど、見終わった後にどこかあたたかい気持ちになれるのも多いし、2人とも演劇部出身なだけあって本当に演技が上手いし、平井さんの書くオリジナリティ溢れる脚本と、その中に出てくる登場人物を完璧に演じ切る事が出来る浦井さんの組み合わせが、少しラーメンズを彷彿とさせる部分があり、素敵な人達に出会えた嬉しさでいっぱいになった。

そこからは、夢中になって男性ブランコを追っかけるようになった。実際にライブに行くのは難しかったけど、コロナ禍における数少ない恩恵のうちの一つ、配信によってライブを見る事ができた。トークもコーナーも面白かったけど、やっぱり単独ライブが格別で1時間2人だけのネタを堪能できるのが最高だった。新たに推しコンビができて、毎日が本当に楽しくなった。

2022年の男性ブランコは、キングオブコント優勝に向けて、半年の間に7回という信じられないペースで単独ライブをしていた。準優勝してから、明らかに忙しくなってる中、今年絶対優勝するんだ!という強い気持ちを感じて、めちゃくちゃ応援していた。そしたら、まさかの準々決勝敗退。2人は後に、人生で1番くらい凹んだと言ってたけど、頑張ってる姿を見てきただけに私もめちゃくちゃショックだった。

そこから、まさかのM-1で決勝進出で、決勝進出者発表記者会見を見ながら本当に嬉しくて泣いた。今年が嫌な一年のまま終わらせない一心で、という2人の頑張りが報われた事も、M-1の舞台でネタが見られる事も嬉しすぎた。

2人にしかできないネタのうちの1つが、2022年のM-1決勝で披露された「音符運び」だと思う。設定の独自性もさる事ながら、2人の表現力と人間性により、あのネタを物凄く魅力的にしている。他の芸人さん達も色々なライブであの後音符運びを真似していたけど、やっぱり男性ブランコの2人がやるのが1番面白い、と思う。

キングオブコントで準優勝し、その翌年M-1でも4位になり、さらに男性ブランコは人気者になった。TVの露出が増えてからも、2人は目標が単独ライブと全国ツアーだと名言していた。
それは、ラーメンズを見て憧れ、芸人を志したからだと何かで読んだ。

そんな男性ブランコの2人とラーメンズの片桐さんが今朝のラヴィットで初共演した。
私にとってはまさに推しと推しの共演。特に、片桐さんとLINE交換したと目をキラキラさせて本当に嬉しそうにしてた男性ブランコの2人が印象的で、見ているだけで幸せな気持ちになった。ラーメンズがいなければ、もしかしたら男性ブランコの2人は芸人を目指さなかったかもしれないし、男性ブランコがラーメンズが憧れだと色んなところで言い続けてくれたおかげで、私はどれだけ気持ちが救われたか。ラーメンズにも男性ブランコにもめちゃくちゃ感謝の気持ちでいっぱい。

もし願いが叶うなら、もう一度片桐さんと小林さんが一緒にいるところが見たい。一緒にネタしてるところ、なんて贅沢言わないから。2ショット写真1枚でいいから。2人で笑ってるところが見たい。で、めちゃくちゃ贅沢を言うなら、小林さんと男ブラの2人が共演しているところも見たいし、小林さんの脚本で片桐さん、平井さん、浦井さんのコントとかが見られる日が来るなら、もう本望。

今日は私にとって、推しと推しの共演という忘れられない日になった。
これからも、ラーメンズと男性ブランコは私の大切な推しであり続ける。


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