日記:10/19(土)

体調を崩してしまった。今日の予定だったステージに乗ることも、最近入ったサークルの新歓に行くこともできない。原因は寝不足だ。どうして寝る時間が足りなくなったのか? 課題が終わらなかった。どうして? 

課題が終わらない、そのことばかり言い訳にして、行きたかった図書館の予定も出たかったコンテストの予定も、全部反故にしている。今週こそは早いうちに終わらせるぞ、授業の合間でやってしまおう、そんなことを考えていても結局週末を課題で潰してしまう。

別にそんなにたくさん課題が出ている訳でもない。そんなに時間がかかっている訳でもない。する時間がないわけでもない。それでも終わらない。どうして?

課題というものが出るようになったのは大学に入ってからだ。小学校でこそ気持ち程度に宿題が出ていたが、中高では課題というものは日常の中になかった。出たとしても年に数回。授業時間外はずっと遊んでいればよかった。それが大学に入ってからは、課題をしなければいけなくなった。課題だけではない。授業をまともに理解するには、予習復習も欠かせない。むしろ課題よりも時間を食っている。どうして? 鬼教員に当たったから? でも同じ授業を受けている人は数百人いる。私の頭が悪いから? でも入試は通った。他人よりたくさん勉強した訳でも、ぎりぎりで通った訳でもない。生真面目に勉強しすぎ? そうかもしれない。でも習ったことを直感に落とし込むにはある程度時間が必要だ。少なくとも私には。

思えば私は勉強以外ろくにしてこなかった。もちろん、部活や委員会はいくつか掛け持ちしていたし、学校行事の練習や準備は人並みには参加していた。でも逆にそれ以外のことはしていない。文化祭系の委員会に入ってそれなりには活動していたけれど、それも忙しいのは年に4ヶ月だけ。中受で読書の習慣は消えていたし、そんなに遊びにも行かなかったし、文化祭の記録文書を読み込むこともしなかったし、組織作りもしなかったし、企画書の一枚さえ書いたことはない。大した経験も積まず、ただ時間を過ごしただけだったから、勉強する時間はいくらでもあった。だから全て量で押し切ってしまった。覚えられない英単語も、感覚に取り込めない数学の概念も、時間さえかければどうにでもなった。要領が悪くても困らなかった。

だから、持ち前の要領の悪さをそのままにして来てしまった。でも大学ではそうもいかない。学ぶべきことはたくさんあるし、やりたいこともたくさんある。ひとつひとつに時間をかけていたら、何もできなくなってしまう。

最小の時間で最大の理解度を得るためにはどうすればいい? もうこれ以上効率は上がらないから、やることを削るしかない。まずは任意課題から削ろうか。もう十分理解したのになんでやるの? いい成績が欲しいから。なんでいい成績が欲しいの? 進振りが怖いから。なんで進振りが怖いの? 入試は単願だったのに? そうだね。

次は予復習。なんでやってるの? やらないと授業を理解しきれないから。ほんとにそんなに予習する必要ある? 授業でやるのに? そうかも。復習も時間かけすぎじゃない? これはちゃんと理解しないとまずいじゃない。演習の復習だけで十分じゃない? たしかに。一度で全部理解しようとする方がおかしいかも。

読んだ本が「東大生おすすめの勉強になる漫画」みたいなリストに入ってたことがあるけれど、勉強に役立ちうる部分なんてほんの一部だった。雑談の多い教員の授業の方が頭に入ってくる。教科書は内容が濃くて読み物としては読みにくい。
……内容がスカスカの方が理解しやすい?

その授業、本当に全部理解しなきゃいけない? 数学の授業に数学の雑談が混じってるだけなのに、雑談のパートまで全部完璧に分かろうとしてどうするの。

先輩に会ったとき、もっと気楽に生きたら? と言われた。そうした方がいいのかな。できるかな。大学生活はまだ3年半あるし、ね。

いいなと思ったら応援しよう!