見出し画像

絵本考察日記#01/左利きぽいイラストレーターの百科事典

7月8日(ど)晴れ・今日も暑くなりそう・・・

おはようございます。昨晩はご近所のだいすきなイタリア料理店で、七夕貸切特別営業があり。ご招待いただいて、友人と浴衣を着てでかけました。わたしの部屋で着付けを手伝ってもらい、むわんと蒸し暑いおもてへ出た夕方の感じが、ちょっとどきどきしながら夏祭りへ向かう中学生の頃の記憶をひっぱりだしてきて、一瞬だけせつなくうれしくなったりもしました。
お料理はワンプレートが出て、左から順に(写真はありません、わたしの脳内の)、ウレシパモシリの黒豚・冷製粒マスタード添え、じっくりグリルしたナス、ズッキーニいりキッシュ、コリアンダーたっぷりのミネストラ、新じゃがとクミンの玄米リゾット。(料理名は正式じゃないです悪しからず)それにいつもの偏愛するローズマリーのフォカッチャ。塩気がしっかり、ほんとにおいしいの。デザートはすごーくあまいさくらんぼ、たっぷりおおきなグラスに注がれたベリーを発酵させたワインとともにいただきました。ややベチパーのような、深い木の薫りがふわあとした。隣には自慢の浴衣美人の友人、斜め向かいにはほんとに声が木管楽器でトークがプロのラジオパーソナリティのかがやさん、向かいには写真をたのしそうに撮る彼。
大好きなひとたちとお料理を囲む時間が倖せすぎて、あれ、もう短冊に願うことなんてないんじゃないかしら、とおもえたことがいちばん倖せでした。

あ。まって、これ絵本日記でした。
しかしわたしが書くときっとたぶんいつもこんな感じで、余韻のなかで絵本を紹介することになるとおもうのです。
それでもどんとこい!という絵本好きなあなた、どうぞしばしお付き合いくださいね。

今日の一冊は

『100%ORANGE編 思いつき百科事典』

です。
先月、友人の経営するお店「田葉子屋」で絵本のワークショップを開催させてもらった際に、参加者の方からお借りしたうちの一冊です。

ぜ、絶版とな••••••



いきなり絵本じゃないんかーい、というツッコミ大歓迎。この百科事典、ひとことで言ってしまうと、ものすごーーーーく、可愛い。
とにかく、可愛いの。
好みのテイストの雑貨屋さんに偶然足を踏み入れたときのような、なにも知らずにドアを開けたらなんじゃこの素晴らしい選書は!!という本屋さんに行ったときのような。

「はわわわわわ」的興奮作用を呼びおこす本

なのです。
「あ」から「わをん」まで、1ページずつ、イラストがぎっしり。
わたしのお気に入りのページは「え」で、「えいようまんてん」がふくよかたっぷり二重あごの男性二人組とか、「えいっ!」「エスエフ」「えー(真っ青)」「えいひれ」「えかき(ちょっとアンノさんぽい)」などなどなど、「え」がつく言葉と茶目っ気たっぷりのイラストが書き込まれている、という具合です。
「え」の頁がお気に入りです、なんて言ってしまいましたが、ほんとはまだ、「あいうえお編」までしか、読めていないのです。
我ながら貧乏性だなぁとも思うのですが、なんだかもったいなくて、枕元に置いて1日1頁ずつ、寝る前にじっくりじっくり眺めてあそびたい本、なのです。

この百科事典、「わをん編」でおしまいかと思いきや、なんと「ぱぴぷぺぽ」「がぎぐげご」の濁音・鼻濁音編まであります。100%ORANGEのお二人はやっぱりエンターテイナーだなあ!
絵の精巧さうまさはさることながら、イラストレーションというもので純粋にわたしたちを楽しませようとしてくれているのが伝わるところが、好きなんです。
確か中学生の頃、nicolaという雑誌だったかなー、100%ORANGEのミニポスターの付録がついていて、うわあ可愛い!としっかり切り取って実家のふすまに貼り付けていた記憶があります。

実はこの「思いつき百科事典」、お借りしたのと同時くらいに、「絵本工房Pooka」という雑誌の企画で、1号に1音ずつ掲載されていたのをまとめた本だと発覚しました。絵本ワークショップの翌日、浜藤の酒造ブックマーケットに出店したのですが、ほかの出店者さん(絵本にくわしく、癖がつよめで野菜に例えるならセリ科という感じ。だが話すと感じの良い店主さん。ただひとつ絵本というものを介して、なにかが通じあっている気がしてうれしい)がこの雑誌を2冊、古本で出していて。
あれあれあれ!!この百科事典はこの絵本雑誌の企画から生まれたのか!と発見した喜びはひとしお。哀しいかな「Pooka」のほうも調べたらどうやら廃盤のようです。これは絵本蒐集家の血が騒ぎます。せっせと古本屋巡りをして、pooka全巻揃えたい。内容もかなりの良雑誌、です。(めちゃくちゃ若い頃の石原さとみさんとか宮沢りえさんとかも絵本についてインタビューされててオドロキ)
思いつき百科事典は見返しまでほんと可愛くて、装丁はははーん、納得の祖父江慎さん(さくらももこさんの本とかも装丁されてます)です。編集者もpookaと同じ方々。この編集チーム、最強なり。


こちらがpooka  全巻そろえたい!


とかく、この思いつき百科事典、かなりレア。見つけられたあなたは幸運です。ぜひ手に取って眺めてほしい。というかもし見つけたら譲ってほしい。まちがいなく無人島に持っていくべき一冊にランクインしてくるでしょう。じぶんだったら「あ」でなんの絵を描くかなーなんて想像してみるのも楽しそう。及川さんとの勝負のような。こどもとあそんでみてもきっと楽しい!
にほんごってつくづく難しい言語よな、と時々思ったりするわけですが、なんでもありのことばの世界を逆手に取って、いくらでも時間が過ごせそうな本に出逢えました。

最後に、及川賢治さんて、なんとなく左利きぽい絵と文字なんだよな。いつかお会いして真相をたしかめたいです。
「お」しまい。

☆きょうの「お」まけ

100%ORANGE のサイトをはっけん!
グッズもある…..





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?