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コズエの鬼ゴリ絵本日記

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出逢った絵本の考察や感想をここに書きためています。(鬼ゴリ:動詞。鬼のようにゴリゴリと書く、の意。いまだ鬼はあらわれておりません)
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2022年1月の記事一覧

絵本日記DAY24「ベンジャミン バニーのおはなし/THE TALE OF BENJAMIN BUNNY」

今日は、おとこのこって、どうしてこうなのかしら、とおもわずにはいられない、ふるくてでも普遍の、うつくしい物語のことを書きとめていきます。 1、石井桃子さんについて ピーターラビットシリーズの翻訳は、石井桃子さんという翻訳家、児童文学作家により織りなされています。石井桃子氏による功績はたいへんに大きく、『プー横丁にたった家』『うさこちゃんシリーズ』、『たのしい川べ(岩波少年文庫)』など数々の名作は、私などが言及するまでもありませんが、日本の宝物です。 石井桃子氏は、101

絵本日記DAY23「そよ風とわたし」/絶賛魔女修行中によむべき絵本

こんにちは。きょうは魔法学校卒業生のわたしから、同志のみなさんへ、必読絵本をご紹介したいとおもいます。 この絵本は、とある駅ビルの、お洋服やさんのすみっこのほうに置かれていた、古本棚の奥のほうからひっぱりだしてみつけた本です。 こういうとき、わたしの魔女センサーがぴん、とはたらきます。そしてそれはたいてい外れません。この古本屋には、お宝の絵本があるぞ、というセンサーです。ついでにいうならば、ここのお店はおいしいぞ、も、ほとんど外れません。 それで、この絵本を奥のほうから

絵本日記DAY22「なめとこ山の熊」/登場人物の眼、について

あけましておめでとうございます。鬼のようにゴリゴリと絵本日記を更新する、というコンセプトのこのマガジンも、3年目に突入しました。未だ、鬼は現われておりません。どうせ来てくれるのなら鬼よりも福の神のほうがもちろんいいのだけど、今年は(こそ)、心を鬼にしてたくさん更新してまいります。と、ここに誓って2022年の絵本日記をはじめたいと思います。 1、宮沢賢治と猟師について 今日の絵本は、宮沢賢治作「なめとこ山の熊」です。岩手県民として、宮沢賢治の話を知らないのは恥ずべきことだ、