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アイドル達を「そういう目」で見られない私の苦悩

 私がアイドルマスターシリーズに触れてから、約10年が経った。
新しいものに飛びつく癖がある私にとって、一つのコンテンツにここまで長く熱中するとは想像もしていなかった。(アイマスシリーズは数多くあるため厳密には一つのコンテンツではないのかもしれない)
そしてこの10年の間、私と同じようにアイドルを愛する人に数多く出会ってきた。キャラに一目惚れした、ストーリーに魅力を感じた、二次創作から興味を持った。様々な観点から入ってきた方々と交流をするのは、なかなかに有意義で楽しい時間だったと記憶している。


しかしその中で、うっすらと周りと違うな、と思い続けてきたことがある。
それは、「私だけアイドルをそういう目で見ていないのでは」ということ。
ここからは自分の中の感情を整理することもかねて、上記について私なりに感じていることを列挙していく。


・露出の多い服に対する感想が周りと違う

 周りとの認識の違いが分かりやすく出るのは、やはり水着衣装だろうか。どのアイドルマスターシリーズでも見かけるこの要素は、もはや定番と言っていいだろう。
 この話題を友人とするときに、水着の柄やデザインの話のほかに、同時に性的な話も上がってくる。そのたびに私は「うっ」となり、愛想笑いして話題が変わるまで待つしかなくなる。私にとっての水着衣装とは、公式が出してくれたアイドルの新しい一面であり、そこに性的な感情を見出そうと思えない。つまり季節限定の新しい衣装が実装された時と、喜びの度合いはほぼ変わらないのだ。(強いて言えば、腕の細さなどを改めて見ることができてうれしいことくらいか)


・歴代のアイドルタッチ機能では、胸などセンシティブな箇所はさわることができない

 これも、アイドルマスターの機能としての歴史は長い。ただこれまでプレイしたどのアイマスシリーズでも、胸に手が伸びることはなかった。こればっかりは性的な欲求がどうというよりかは、「そんな非常識で信頼をなくすようなこと、する?」という感情だった。恋人でもない、信頼関係が大切なプロデューサーという立場をある意味利用するような形でそんなことをするなんて恐ろしくてできやしない。たとえアイドルがこちらに好感触を示していても、である。
 このせいでシャニマスではタッチボイスをすべて埋められず、100%にできないもやもやを抱えてプレイしている。致し方なし。


・pixivで検索する際も、「アイドルマスター○○ -R-18」とマイナス検索を使う

 これはもうそのままである。露骨に強調されたアイドルのそういう姿を直視できない。たまに勘違いされるのだが、これは純愛かそうではないかは関係なく、すべて駄目なのだ。これはもはや反射に近く、少しでも目に入ると「あ、これはダメだな」となってしまう。これがなかなか辛く、一度アイドルの性的な夢を見てしまい、その先三日は気持ちが沈みっぱなしだったことがあった。


おそらくまとめ

 ここまで読んで、「ただ性的なものが苦手なだけでは?」と思う方もいると思う。しかし残念なことに、私自身普通に人並な性欲はあり、性的なものが嫌いなわけではない。ただ、アイドルを前にするとそれらが一切消え去ってしまうのだ。
 これは昔からそうだった。好きな作品ほど、それに対する性的欲求が失われていく。恐らくこれは、一種の「プラトニック・ラブ」のようなものなのではないか。
※プラトニック・ラブ……肉体的な欲求を離れた、精神的恋愛のこと。(wikipediaより)

キャラクターを知れば知るほど、そのキャラの外見というよりかは、性格や価値観に惹かれていく。特にアイマスというジャンルは、キャラの細かい心の機微を表現することが多い。そしてそこにプロデューサーとしてプレイヤー(私)が関わる。きっと私の中では、彼や彼女たちに対し、精神的な恋をしている状態なのかもしれない。
 そう考えると、アイドルをそういう目で見る人の気持ちもわかる気がしてくる。その人達とは大きな違いがあるわけではなく、ただ恋の種類が私とは違うだけなのだろう。

このアイドルの顔が好き、体つきが好き、境遇が好き、考え方が好き。
種類や度合いが違くとも、結局はみんな、そのアイドルが好きなことには変わりがないのだ。だってそうでなければ、交流の時に有意義で楽しい時間だったと感じることなど、なかっただろうから。

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