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風待ち日記 ①

6月11日。火曜日。
今日から、日記を書いていく。以前は「記事」という体裁で 書いていた。
誰かに読まれることを 過剰に意識して、自分のいい面しか出せなかった。
他人に どう見られるか 気になったし、いいね!を押してほしくて、たまらなかった。

これからは、そういうのは やめる。人に いいね!を押してもらえるような 文章を書くんじゃなくて、ただ 自分のために、今度は書いていく。



6月12日。水曜日。夏日。
ホームセンターへ行く。両親は館内、私は園芸コーナーに向かう。
マリーゴールド、日日草、ジニエ、サルビア。夏の定番の花たちが、生命力を撒き散らしていた。

夏は毎年 ペンタスを買っていたが、今年は 違う花を買いたい。
アフリカン・マリーゴールドという 変わり種のマリーゴールドが、とてもきれいだった。じっと見ていたら、側にいた おばあさんが「それね、雨に当てると くたっとしちゃうけれど、それさえ避ければ すごくきれいよ」と教えてくれたので、思わず買ってしまう。

去年のペンタス。

そういえば、観葉植物のコーナーに、「ハエトリ草」という食虫植物がいた。買おうかな…(夏は台所に小バエが来る)と思ったけれど、見た目が怖くて、怖気づいてしまった。植物らしからぬ、攻撃的なビジュアル。
スーパーマリオに出てくる、パックンフラワーと雰囲気が同じだ。



6月13日。木曜日。
天気予報に 雨マークは出ていないけれど、薄暗く どんよりとした空。
様子を見ながら、洗濯物を外に干す。台所を掃除。

今日は このまま 曇りかな?と思っていたけれど、正午頃 降り出しそうになったので、洗濯物を中に入れる。

ほしおさなえ著「活版印刷・三日月堂」を読む。
図書館で本を借りるくせに、読まずに返却することも多い。
今回 どうだろう?と思っていたが、読み始めたら おもしろくて、止まらなくなる。埼玉県の川越市が舞台。活版印刷ってなんぞや?と思ったが、パソコンとプリンターがなかった時代、印刷というのは、金属製の文字型を
並べ、そこにインクをのせて、ハンコのように刷っていたらしい。

えええ? 印刷って、そんなだったの?と驚いてしまう。そんなに古い技術ではなく、1980年代頃まで、本は そういうカタチで作られていたらしい。

 本って、職人さんが作るものだったのか。
物語は 主人公の弓子が、おじいさんから受け継いだ印刷所で、再び印刷業を始めるお話し。語り手は、印刷を依頼する お客さんたちの方。
私は 俳句が物語のキーポイントとして使われている 「八月のコースター」というお話しが、特に好きだった。

シリーズものなので、続きが 早く読みたい。
久しぶりに、本でわくわくする。


6月14日。金曜日。夏日。
快晴なので、カーペットを洗濯。午前中、掃除。
「あさりがあるよ。味噌汁か、酒蒸しにしてね」と、母から連絡がある。
塩抜きメンドクサイ…と思っていたら、母がすでにやってくれていた。
ありがたし。タッパーの中で、砂を吐き出し、うにょうにょと動いている
あさりたち。調理するのが 残酷に思えてくる。
が、何もしないわけにもいかぬ。考えるのは止めて、料理に取り掛かった。三分の一は味噌汁、残りは酒蒸しにする。

ニンニクを入れて酒蒸しにしたので、素晴らしい香りが、食卓に広がった。

冷凍ものとは段違いで、身が大きく 肉厚のあさり。とてもおいしかった。
酒蒸しは、どちらかというとパスタに合いそうな味だった。ボンゴレで食べてもいいし、トマトソースと組み合わせても おいしそう…。

金曜日ということもあり、開放的で、満足感の高い 夕餉であった。


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