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俺の知らない転校生 Re, End


〈ねぇ!知ってる!?
今日 うちらのクラスに転校生来るらしいよ!〉



〈うぇ!?マジで?男?女?〉



〈そこまではわかんないけど...
あーあ!イケメンだったらいいなぁ〜!〉



朝、教室に入るとクラスは
"転校生"の話題で持ち切っていた。

どうやら、うちに転校生が来るらしい。



〈はぁ!?
いや そこはめちゃ可愛い女子がいいだろ!〉



でも、それが本当ならヤバすぎない?

転校生が来るなんて、そんな話
いったいどこから漏れ出たんだろうか...

俺はそれを不思議に思いながらも
自分の席につくと、机にカバンを下ろした。



「おはよ。」



〈おーっす、〇〇。〉



〈おはよー、小川。あ、転校生来るんだって!〉



「らしいね。」



〈なぁ、〇〇。お前は
男と女、転校生がどっちだったら嬉しい?〉



「んー...さすがに女子だな。」



〈ははっ!だよなぁ!〉



そんな感じで友達との無難な会話を済ませ

いつものように
イヤフォンを通して自分の世界に入る。

そしたら、5分後くらいに担任が教室にきて
いつも通り、HRをし始めた。



[ん、あぁあと今日は転校生が来てるぞ〜。]



HRの最後。

まるで、たった今思い出したかのように
担任は転校生が来ることを話す。

すると
その話を聞いてクラスは一気にざわつく。



[んじゃ、入ってこーい。]



そうして、掛け声と共にガララッ...とドアを開け

教室に入ってきたのは...



〈っしゃあ!!女子だぁあぁ!!しかも...!〉



正直、めちゃくちゃ可愛い女子だった。



[おーい。遠藤 お前うるさいぞ〜?]

[...じゃ、自己紹介の方 よろしく頼む。]



『はい!えっと〜......』



「...!...?」



不意にその転校生と目が合う。

すると、その転校生は目を細め 笑って言った。



『乃木坂高校から来ました!一ノ瀬美空です!』

『みんな よろしくー!』




『今度こそは〇〇も!ねっ!?』




〈え...?〉



[ん...?]



彼女のその言葉のせいで
クラス中の、先生もろとも俺の方を見る。



「は...?」



けど、1番困惑したのは俺だった。

なぜなら、俺はあの転校生のことを

彼女のことを "まだ"知らないのだから。



俺の知らない転校生 End,

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