Bundle for Ukraine(ウクライナ支援バンドル)のおすすめ

現在Itch.ioにてウクライナの支援を目的とした「Bundle for Ukraine」が販売されている。この記事ではその中からおすすめの作品をご紹介。

Celeste
 
壁はりつきと空中ダッシュで縦横無尽に飛び回る2Dアクション。トゲや奈落であっという間に死んでしまう「死にゲー」だがリトライが早く、絶妙なレベルデザインと前向きな雰囲気で何度でも挑戦したくなる。主人公マデリンの心を描いたシナリオが人気を不動のものにした。

CrossCode
 
MMOの世界を舞台にしたアクションRPG。16bitスタイルで描かれたSF-ファンタジーの世界が美しく、なめらかなアクションは驚くほど楽しい。アニメ風のキャラクターが親しみやすく、ころころ変わる表情も見どころだ。作り込まれたドット絵を惜しげもなく披露する力作。

Gun Rounds
 
ターンベースで進行するユニークなシューティング。自分のターンではマウスで狙って撃ち、敵のターンでは弾をタイミングよくガードする。銃の入手はランダムでローグライク風。少し慣れが必要だが、レトロな画面と小気味良いエフェクトが楽しい。少し英語があるものの遊べば分かる程度。

Volk-san: Egg&Catch
 狼の女の子が卵をキャッチする、シンプルでかわいいアクションゲーム。使うボタンは4ボタンで、それぞれ左右と上段右・左に対応する。四方から転がってくる卵を正確にキャッチしよう。全10ステージでだんだんスピードが上がっていく。パステルカラーとほのぼのした音楽に心和む一作。説明書は英語だけど、操作方法の箇所は見ればわかるはず。

Curious Expedition
 
伝説の探検家となって「未知の」島を調査するシミュレーションゲーム。物資と人員を確保して上陸し、正気度を食べ物などで保ちながら遺跡の財宝を漁る。ヘックスのマップや戦闘、先住民との交易と評価などシヴィライゼーションをイメージすると分かりやすいかも。テーマ曲を受け継いでイラスト調になった2も発売中。

Kingdom Two Crowns
 
人材を雇って施設を建設、王国を拡張していくストラテジーゲーム。ドット絵が見事なサイドビューのゲームで、やることは投資だけと実にシンプル。大工を雇って領土を拡張、兵士を配備して夜の敵襲に備えよう。最小限のUIに美学があるものの少し分かりにくく、電ファミニコゲーマーの親切な記事が参考になる。『Bloodstained : Ritual of the Night』とのコラボも。

Gladiabots
 
AIの行動を設定して目標を達成するシミュレーションゲーム。いわゆるプログラミング系のゲームで、ロボットによる戦闘はカルネージハートに近いか。行動の設定はパネルを配置して繋げる簡単なもので、チュートリアルも丁寧。ソリッドなデザインが格好良い。非同期のマルチプレイもある。

Minit
 
とぼけた世界観が魅力的なゼルダ風のアクションアドベンチャー。ただし画面左上にはタイマーがあり、1分経つとゲームオーバーになってしまう。繰り返し遊んでマップを把握し、アイテムを手に入れて先へと進むのが楽しい。シニカルなキャラクターもまた魅力的。

Minit Fun Racer
 
上記『Minit』の派生作。バイクに乗ってゴールまで駆け抜けるゲームで、今度の制限時間はたったの10秒。コインを取ると時間が延びる。1プレイが短く気軽にプレイでき、テクニカルな超加速やショップのアップデートで何周も楽しめる。少しだけ英語があるが、アイテムの効果は使えばわかる。Steam版では収益がチャリティーに寄付されていた。

A Short Hike
 
小鳥の少女が自由に島を散策するアドベンチャーゲーム。3D空間を自由に歩き回ることができ、羽を広げればいつでも滑空できる。他の動物たちとの交流やアイテム探しも楽しく、アクションの気持ち良さと自由度の高さは小さなブレスオブザワイルドと評された。箱庭の雰囲気も優しい名作。

Rusty Lake Hotel
 
オランダのデベロッパーRusty Lakeによる大人気謎解きゲームシリーズのうちの一作。ラスティ湖周辺を舞台にした作品群で、奇妙な雰囲気は独自の魅力がある。全体に丁寧な作りでローカライズも良質。マウスだけで気軽に遊ぶことができる。駐日オランダ大使館・総領事館もシリーズ作品に言及したことがある。

The White Door
 
男がベッドで目を覚ます。男はブラインドを上げる。こんにちは鳥さん。男は洗面台に向かい、歯を磨く。すっきりした。朝食を食べる。11時になる。診察を受ける。経過は良好……。Rusty Lakeによるどこか不気味なアドベンチャーゲーム。予定表の通り行動する男に一体何があったのだろうか?

Midnight Scenes Ep.1(Special Edition)
 モノトーンの画面がノスタルジックなポイントアンドクリック。ごく短い作品だが、昔懐かしいスリラーをドット絵で味わえるウェルメイドな一作。作者OctaviNavarroさんの作品は同シリーズのEp.2およびThe Nannyがこのバンドルに収録されているほか、同系統の『The Librarian』などもある。

KIDS
 
『Plug & Play』のMichael FreiさんとMario von Rickenbachさんによるインタラクティブな短編アートアニメーション。曰く「群衆たちのゲーム」であり、確かにそうとしか言いようがない。シュールなアートだが娯楽性もあるので身構えずに遊ぶが吉。

2064: Read Only Memories(日本語非対応)
 近未来を舞台にしたレトロ風アドベンチャーゲーム。相棒テューリングと共に失踪事件の謎を追う。往年のアドベンチャーゲームを遊びやすく再現したシステムが懐かしく、一歩ずつ調査を進めていく古き良き楽しみがある。場面ごとに描かれたドット絵とフルボイスが見事な入魂の一作。日本語版はSteamなどで配信されている。

SPOOKWARE(日本語非対応)
 ホラーネタ満載でメイドインワリオをオマージュしたアドベンチャーゲーム(メイドインワリオの海外タイトルはWarioWare)。数秒間で状況を把握してクリアするミニゲームは原作同様だが、内容が徹底的にB級ホラーにアレンジされている。80年代風の画像や随所に挟まるホラージョークなどホラー映画愛あふれる一作だ。おどけた見た目ながら侮れないクオリティ。

Don't Escape: 4 Days to Survive(日本語非対応)
 FlashでDeepSleepシリーズやDon't Escapeシリーズを作り人気を獲得したscriptwelderによるシリーズ最新作。謎の原因により月が割れ、文明が崩壊した世界で残りの4日間を生き抜くポイントアンドクリック。ドット絵で展開する多様なドラマは非常に評価が高い。アイテムのハイライトやあらすじを記した手帳など、遊びやすさにも配慮が行き届いている。

Fostering Apocalypse(日本語非対応)
 ポストアポカリプスの世界をもう一度滅ぼすべく、カルト集団が悪魔を呼び出していた。ところがそこに一人の女性が乱入、全員をぶちのめした所で悪魔を発見する。悪魔がまだ子供であることに気づいた彼女は戸惑いつつもこの子を守ろうと決めた。本作は30分ほどの短編アドベンチャーゲーム。システムは簡素だが荒くれの世界と独特のデザインが印象的だ。

Lonely People Potion Shop(日本語非対応)
 ポーションショップの店主となってお客さんの話を聞くアドベンチャーゲーム。7 wholesome gamesにも含まれている作品で、ふわっとした会話が何となく可愛い。一方で静かな音楽と黒をベースにした画面構成は不思議な雰囲気をまとっている。自由に材料を選んでかき混ぜ、カクテルのようなお洒落なポーションを作るパートもある。作家性が光る個性的な作品。

A Mortician's Tale(日本語非対応)
 葬儀屋での仕事をこなすアドベンチャーゲーム。プレイヤーは主人公のシャーロット(愛称チャーリー)となり、遺体に防腐処理を施したり斎場に出向いたりする。重いテーマだがなるべくカジュアルなデザインでまとめられており、普段は意識しないお仕事を知ることができる。Caitlin Doughtyの自伝『煙が目にしみる: 火葬場が教えてくれたこと』(池田真紀子訳,国書刊行会)にもふれたAUTOMATONの記事が詳しい。

Speed Dating for Ghosts(日本語非対応)
 ステキな出会いをお探しのアナタに。個性豊かな幽霊たちとの会話を楽しむアドベンチャーゲーム。姿も様々な幽霊たちや単色の背景がどことなくアート寄り。でも話してみると気さくないい人(?)だったりする。気楽に楽しめる作品だが、付き合ってみると意外な話を聞かせてくれる良作。

Nina Aquila: Legal Eagle(日本語非対応)
 逆転裁判をオマージュしたツクール製アドベンチャーゲーム。主人公ニーナとなって事件を調査、裁判で相手の矛盾を指摘して被告の無罪を証明しよう。ボイス付きのカットイン「OBJECTION!」(異議あり!)が格好いい。キャラクターが魅力的で、突然始まるミニゲームもある。

Amelie(日本語非対応)
 人里離れた土地に建つ一軒の邸宅。そこではアメリと親友のリリカが仲良く暮らしていた。屋敷の外に出ることは禁じられているからここでの生活が全て。しかしペンフレンドのソフィアが初めて直接訪ねて来た時、物語は動き始める。三人の視点から屋敷に秘められた謎に迫る短編ミステリーノベル。西洋絵画風の背景が良く、キャラクターデザインにも独自の魅力がある。

Pale Cachexia(日本語非対応)
 Cachexia(悪液質)は病気によって痩せ衰える症状を言うらしい。このゴシック調ビジュアルノベルの主人公・エステルは生命力を奪う奇病「ペイル・キャケクシア」の治療法を求めて不気味な森に立ち入った。やがて道に迷った彼女だったが、突如現れた謎の邸宅でシーナという少女に出会った。ダークなトーンが美しい、二人の孤独の物語。

Cloud Gardens
 廃墟に植物を植えていくカジュアルなパズルゲーム。人類が消えた廃墟には人工物の残骸と植物の種だけがある。この不思議な植物はガラクタと化した物を置くと成長するようだ。人間の遺した物たちを配置して植物を育てよう。静謐な空気の中で人工物と自然が生み出すカオスが美しい。

Sokobond
 
原子を結合して目的の分子を作るパズルゲーム。一つの原子がいわば自機となり、それを動かして他の原子と隣接させ結合する。限られたスペースと結合のシステムが相互に作用するパズルが上質。分離や二重結合もあり、『Space Chem』を知っていると話が早い。Tipsとして示される化学ネタも良い。

Pushamo
 四方から迫ってくるブロックを組み合わせて3*3の形を作るパズルゲーム。倉庫番+テトリス的なアレンジが新しくも分かりやすく、なにより直感的なデザインが素晴らしい。一歩ごとにブロックが動く非リアルタイムのターンベースなど豊富な特殊ルールで遊べるほか、お題モードなどもある。説明文に英語が少しあるが分量は少ない。

Baba Is You
 斬新なシステムで話題をさらった高難易度論理パズル。ブロックを動かすことでゲームのルールを変更でき、ゴールがプレイヤーになったり壁がまるごと操作対象になったりする。ゲームを根本から覆すシステムでありながら高難度のパズルとして成立していて、不世出の傑作として絶賛された。

A Good Snowman Is Hard To Build
 
雪原で雪だるまを作るパズルゲーム。雪だるまはステージにある雪玉を大中小の順に3つ重ねればできあがる。ただし雪玉は雪の上を転がすと一段階大きくなるので、限られたエリアのなかでどう転がすかが考えどころになっている。主人公となる謎の生物がマスコット的でチャーミング。日本の雪だるまは二段だが欧米のスノーマンは三段が一般的なようだ。

Pipe Push Paradise
 
水が通るように水道管を押してつなげる倉庫番系パズルゲーム。L字型のパイプが場合によっては回転するのが特徴。_| の長辺を2回押して |_ にするなど独特のテクニックが要求される。パズルが良質で、少しひねった南国的なデザインと音楽もいい。全体的な完成度の高い作品。同作者の3D隠れ身パズル『Hiding Spot』もこのバンドルに含まれている。

Cosmic Express
 
宇宙コロニーの列車で乗客を運んでいく一筆書きパズル。乗客となる宇宙人と目的地にはそれぞれ色があり、隣接することで彼らを乗せて同色の目的地まで運んでいく。かわいい見た目のわりに難易度がかなり高く、存分に頭を悩ませることができる。コロニーひとつにまとめられたデザインも秀逸。