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謎の声に従い情報を引き出すミステリーノベル『outside the door』

※ロシア語、英語
『outside the door』はとあるオフィスで来訪者の話を聞くミステリーノベル。記憶を失っている主人公はラジオから聞こえる指示に従い来客と会話するが、その目的がわからない。独特のスタイルを持ったドット絵と洗練された会話がプレイヤーを引き込み、意外な結末まで一挙に連れ去ってしまう名作短編だ。

主人公は派遣労働者とされているが、自身の名前も含めてなにも覚えていない。ラジオからは誰かの声が聞こえてきて、オフィスにくる人物から情報を引き出し、コンピュータに示された文章の空欄を埋めろと言う。さしあたって手掛かりのない主人公はひとまずその指示に従うことにする。

謎ばかりの状況で目の前の人物(そして時折ラジオの声)と会話しながら自分やまわりの情報を探っていくミステリアスな展開が面白い。来客との会話は抽象的な表現や皮肉を含んで機知に富み、その話から目の前の人物に関する物語も見えてくる。会話を終えて情報を入力すると次の人物がやってくるが、そのいずれもがどこか似ているような気がする。来客と自分の物語を会話の中の断片的な情報から推理していく没入感の高いサスペンスだ。

色数を絞ったダークなドット絵が印象的で、通奏低音になっている不穏なアンビエントも耳に残る。ミステリアスな物語が独特の世界観にまとめられ、物語も見事に構成された傑作サスペンス。


カナダのインディーゲーム
『A Summer's End - Hong Kong 1986』のサントラがいいという話を聞いて、インディーノベル黎明期にカナダのゲームが存在感を放っていたことを思い出した。『Analogue : A Hate Story』と『Juniper’s Knot』という初期の名作はどちらもカナダのゲームだ。ちなみにA Summer's End は80年代香港を舞台にアジアンシネマと黄金期の香港エンターテイメントをリスペクトしたというビジュアルノベルで、開発はOracle and Bone。

そこで、カナダのゲームを調べてみるとASSASSIN'S CREED、Watch Dogs (Ubisoft Montréal)、Dragon Age (BioWare)、Dead by Daylight (Behaviour Interactive)、Don't Starve (Klei Entertainment)などがあった。インディーゲームはというとこんな感じ。

Cuphead / Studio MDHR
Celeste / Matt Makes Games
Sea of Stars / Sabotage Studio
Darkest Dungeon / RedHookStudios
Crypt of the NecroDancer / Brace Yourself Games
FEZ / Polytron Corporation
Night in the Woods / Infinite Fall
To the Moon /  Freebird Games
Ikenfell / Happy Ray Games
Spiritfarer / Thunder Lotus Games
A Short Hike / adamgryu

いずれ劣らぬ名作ぞろいだが、中でも心に残るアドベンチャーゲームが多いのが注目される。カナダは名作の生まれる地であったらしい。


東京音楽ゲームショー
TGMSに行ってきました。かねてより評判は聞き及んでいましたが、本当にとんでもないイベントでした。誰もが知る音楽家がブースにいて、直接お話してサインまでいただいてしまう始末。ライブあり、トークあり、こんな機会あっていいのか?でもイベントは始終和やかな雰囲気で距離感がとても近い。

戦利品のサントラは精進潔斎して正座で聞きます。というのは半分冗談ですが、直接お会いしているので楽しみもひとしお。さらに新たな音楽を知るきっかけにもなりました。音楽の事なにも知らないし……と、戦々恐々としていたのですが、行けば必ず楽しみが見つかるイベントだと思いました。


インディーゲーム・サウンドトラック