風邪をひいたらぽってり卵酒!
寒い冬は身体が温かくなるものを飲みたいところです。卵酒は上手につくるとすごくおいしいもので、風邪を引いた時の栄養補給にもぴったりと昔から重宝されてきました。
卵酒はぬる燗にした日本酒に卵を加える形が一般的ですが、しっかり加熱したほうが格段においしくなります。ポイントは温度管理です。
ぽってり卵酒
卵 1個
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ1
日本酒 150cc
日本酒は飲んでおいしい純米酒を使ってください。アル添のお酒のおいしさというのももちろんあるのですが、卵酒には純米酒があいます。甘みには普通、砂糖だけを使いますが、今回はみりんを加えて複雑味を+しています。(みりんがなければ省略してください)
鍋に卵を溶き、砂糖、みりんを加えてよく混ぜたところに、日本酒を加えます。アルコールが苦手な方は日本酒を煮切って(火にかけてアルコール分を飛ばす)から使えばOK。
あとはかき混ぜながら弱火にかけます。カスタードソースをつくる時の要領で、底をかくようにしながらゆっくりと玉にならないように加熱します。
60℃を超したあたりから卵黄が固まりはじめ、とろみがついてきます。70℃くらいで加熱を止めれば出来上がり!
と言いたいところですが、実はもっと温度を上げて、白身がもろもろと固まるくらい80度まで加熱をした方がもっとおいしくなります。
ただ、そのままでは卵の成分が分離してしまい固まってしまっておいしくないので、ミキサーにかけて均質化します。
なめらかでぽってりとした状態になりました。
温度を上げた方がおいしい理由は下記の通り。
卵が凝固するまで加熱すると卵の風味が強くなり、タンパク質が日本酒(とみりん)を抱え込んだ状態で固まります。これはいわば風味のカプセル。通常の卵酒ではアルコールの匂いが鼻につく場合がありますが、カプセル化することで口に入れてはじめて、香りを感じるという仕組みです。
この技法、イギリスの三ツ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールがベーコンエッグアイスクリームを使う際に用いています。ヘストンの作り方はベーコンの風味を移した牛乳に卵黄と砂糖を加え、85度まで加熱し、ミキサーにかけて裏ごし、急冷するというもの。「他のシェフがこの作り方を見たら、気が狂っていると思うでしょう」とヘストンは言っていますが、常識を見直すことで新しい味をつくった一例ではないでしょうか。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!