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たまにはゆるりとイカ飯を手作りしてみた

イカ飯は北海道の郷土料理。函館の駅弁屋さんが当時、食糧統制の影響で米が不足していた時代、豊漁だったイカに米を詰め、ボリュームを出した……というところから生まれた料理と言われています。今では米が余っており、イカが全然穫れないわけで状況はまったく逆ですね。

さて、イカ飯は全国的になったのは1966年、京王百貨店が主催した駅弁大会がきっかけ。これに出品したことで全国的な知名度と人気を獲得します。60年代のメディアの発達がローカルだった食が全国に伝播していった一例です。イカは冬から春にかけて美味しい食材。たまにはいかめしを手作りしてみましょう。

いかめし
やりいか 4杯
もち米  1/2カップ
〈煮汁〉
水 400ml
酒 1/2カップ
醤油 大さじ3
砂糖 大さじ2

まずはいかの下処理から。

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いかはゲソをもってひっぱると、簡単に胴体部分とゲソ部分にわかれます。胴体部分にある軟骨をとりのぞき、なかを水でよく洗いましょう。いかめしに使う場合は皮は剥かなくてOKです。

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ゲソの部分は腸を切り取り、くちばしと目の部分を取り除きます。吸盤はしごくなどして、とりのぞいたほうが口当たりがいいです。その後、水気をふきとっておきます。

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もちごめは洗って、水に1時間程度浸けておきます。

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こんな感じでお米を詰めていきます。菜箸で突いて、奥まで入れましょう。この作業は意外と楽しいです。

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口の部分を楊枝で止めれば下準備は完了。さて、鍋を用意しましょう。

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まず酒と水、砂糖を入れて、火にかけます。煮立ったらあくをとって、火を弱め、落し蓋して、20分煮ます。落し蓋がなければアルミホイルでもOKです。

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醤油を加えてさらに30分。火が強いと煮汁が煮詰まりすぎる場合がありますが、その時は水を足してください。

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最後にげそを入れて、煮汁が少なくなるまで煮ましょう。時間はあくまで目安。串をさしてもち米の硬さを確かめます。柔らかくなっていれば大丈夫。固ければ熱湯を足して、さらに煮ればいいのです。

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出来上がりました。

いかは特殊な食材。美味しく食べるには二通りのアプローチしかありません。すなわち

1  生もしくは表面だけに火を通す
2 長時間加熱する

イカ飯は後者のアプローチで、じっくり煮ることでやわらかさを出します。単純に煮る場合、トマトなどを入れてphを下げれば早く煮上げることもでき、イタリア料理などはこの性質をうまくつかったトマト煮込みなどの料理があります。しかし、煮込む系の料理ではイカ飯が一番、おいしい気がしますね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!