海藻料理研究番外編〜ローストした昆布オイル〜
海藻料理研究の番外編です。
昆布は海藻の王様で、日本料理に欠かせない食材です。昆布の基礎知識については上の動画を見てください。さて、昆布出汁は昆布の風味を水に抽出したものですが、昆布の使い方を西洋料理的に解釈するとオイルに混ぜていく形になります。
今回は日高昆布を使います。ローストした昆布のオイルには色々な作り方があり、僕が見てきたなかで一番変わっていたのは札幌にあるロランジュ(現、ロランジュ食堂)の大原君が作ってきた昆布オイル。出し殻の昆布を炭化するまでしっかり焼き込み、それをミキサーにかけていました。出し殻といっても香りはあるので、これがなかなかおいしい。
うま味物質は水溶性なので油には溶けません。しかし、細かい粒子の形にすることで舌に触れたときにうま味や風味を感じさせることができます。細かい粒子にするためにはどれくらいまで焼き込むか、という点で方向性が大きくわかれます。
今回は180℃のオーブンで15分焼きました。長く焼き込むとうま味物質が分解して減りますが、一方香りは強く出ます。香りとうま味はバーターの関係にあるので、そのあたりをどのくらいに調整するか……。
よく焼いたほうが細かくなりやすいので、20分くらい焼いてもいいとは思います。
油と一緒にバイタミックスにかけましょう。
すっかり細かくなりました。
保存は冷蔵庫で。
例えばコーンスープやじゃがいものスープに落とせばうま味と香りが補えます。ソース代わりに焼いた魚に添えてもいいと思います。常備しておける香り系のオイルは意外なほど便利です。
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