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cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第7回余談「精進つゆのレシピ」

cakes連載の余談です。

今回のテーマはそうめん。そうめんは水に浸けないほうがいい、と書いていますが、逆に出汁に浸すのはありかもしれません。そうめんはあっという間に水分を吸うので、出汁に浸すと味がつくはず。

途中、phを計ってますが安価なph計なので参考程度に受け止めてください。精度の高いph計は高いので、、、それでも蒸留水を計ったらph7.0、一応チューニングもしているので、まあまあ正確だとは思います。

さて、この素麺。お盆に食べる精進料理によく登場します。そうめんに精進揚げという組み合わせは定番です。cakesでは普通のそうめんつゆのレシピを紹介したので、こちらでは精進つゆの作り方を。

精進つゆ
干し椎茸   10g~
昆布     1枚
水     400cc
醤油    100cc
みりん   100cc
煎り大豆   20g

精進つゆの味付けはちょっと濃いめで4:1:1です。まずは干し椎茸の戻し方から。

干し椎茸は二度漬けします。1度目は20分ほど浸け、その汁は別にしておきます。

新しい分量の水を加えて(昆布も一緒に)冷蔵庫で(干し椎茸の旨味は温度が高いと酵素が働いて分解されてしまうので必ず冷蔵庫で)一晩、戻します。最初の戻し汁を使わないことで、干し椎茸の強さがとれます。

一晩経ったら、昆布をとりだします。戻った椎茸は最初の汁と砂糖醤油で煮て、具材にします。

椎茸が水を吸った分、400ccに足りないので、水を足してください。4:1:1であわせます。みりんはしっかりとアルコール分を飛ばすこと。

市販の煎り大豆(おつまみコーナーに売ってます。節分でまくあの豆です)をフライパンで煎ります。

しっかりと沸かすと、昆布に由来する粘り気を含んだ泡が浮くので取りのぞきます。ここに煎り大豆を投入。煎り大豆は香り付けで鰹節の代わりに香ばしさを与えてくれます。すごく凝った作り方をするなら大豆を軽い燻製にかけてから使う人もいます。そうするとかなり鰹節っぽい風味になるので。

大豆をいれたまま冷まします。この大豆は捨てずにご飯と一緒に炊き込めば食べられます。

薬味におろし生姜を入れると精進感は減ります。昆布と椎茸+煎り大豆の出汁は精進だしといって、吸い物などにも使います。この煎り大豆を入れるところが実に巧妙だと思っていて、他の料理にも応用できそうです。最近はベジタリアン需要も高まっているので、憶えておきたいテクニックでしょう。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!