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cakes余談『しょう油の話』

cakesで『樋口さん、どれがいちばんですか?』という連載をしているのですが、三回目はお醤油。

連載ではキッコーマンのしょう油をいくつかをオススメしましたが、他にももちろんおいしいしょう油はたくさんあります。

原材料に黒大豆を使った「菊醤」なんかはオススメしていますが、問題はやっぱり鮮度の低下。昔、どこかの本で読んだのですが、ある料理屋さんでは一日の営業のはじまりに小瓶の醤油の封を開け、翌日には賄いに回して、お客さんには出さないというほど、酸化は気になります。家庭では料理屋さんのような真似は意味がないので、やはり密封ボトルはすごい発明だと思います。

問題はこの密封ボトル、設備投資がすごくかかるので、大きな会社しか導入できないのです。とはいえ大メーカーの商品以外ないというわけではありません。

金沢にあるヤマト醤油味噌さんの生醤油「ひしほ」は個人的にすごく好きな醤油です。しょう油にはそもそもバニラ香などが含まれているのですが、そのニュアンスがすごくわかりやすいと思います。

日本食品科学工学会誌2017年7月号にキッコーマンの研究所の人が「定量的記述分析法による市販の生しょうゆと火入れしょうゆの 評価および日本のしょうゆの特徴の体系化」という論文を掲載しました。それによると「生しょうゆは甘み、旨味に加え、原料である大豆の味わいが強いという特徴」が示唆されています。生醤油「ひしほ」の香りの良さは原料によるところも大きいのでしょう。

焼き鳥のタレならちば醤油かな、とか色々とあるのですが、それはま、好きな人が試せばいいわけで、調味料は入手しやすくて、価格と味のバランスのとれたものが一番。というわけで余談でした。




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