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トマトの湯むきは90℃で上手くできる

温度調整ができるIH調理器『Repro』。そのレシピから今回はトマトの湯むきをご紹介。

元になったのは『千葉市が選ぶ科学論文』で平成25年度に優良賞に選ばれた小学5年生(当時)の子の研究「トマトの湯むきを探る〜成功するコツ教えます〜」です。指導の先生が「誰が行っても成功するトマトの湯むきの方法を探るという視点がおもしろい」とコメントされていますが、なかなかいい着眼点だと思います。

トマトの果実は表皮と果肉で構成されています。加熱すると果肉部分はペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼなどの働きで細胞間の結合が緩むので、果肉がやわらかくなります。加熱するとトマトソースになる原理ですね。

ところが皮の部分は加熱しても固いままです。湯につけると皮の下の部分の結合が弱くなるので、皮が剥けるわけです。これが湯むきの原理ですが、例えばトマトは冷凍→解凍しても皮が剥けます。冷凍することで細胞が壊れ、酵素(ペクチナーゼ)が溶出し、それを常温に戻すとペクチナーゼが働いて、細胞間が緩むので、皮が剥けるわけです。

100℃でも湯剥きはできますが、加熱しすぎると実が溶けてしまいます。かといって温度が低すぎると皮が上手に剥けません。正直、95℃でも加熱を短時間で抑えればきれいに剥けるとは思いますが、90℃付近に下限温度があるという点がこの方法の面白いところで、この方法であれば誰でも加熱し過ぎを防ぎつつ、きれいに皮を剥けますね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!