チルド餃子攻略法
冷凍餃子を買うべくスーパーに行ったところ、めぼしい商品がありませんでした。これは困った、と思っていたところ、冷蔵ショーケースに『チルド餃子』を発見。
そういえば餃子は「生か、冷凍か」みたいに考えていましたが、こちらのチルド餃子も結構メジャーな食べ物。というわけで買ってきたので、今日はチルド餃子の焼き方を解説します。
これまで餃子を焼くときは「(水ではなく)熱湯を注ぐ」のがコツとご紹介してきましたが、チルド餃子を焼くときはまったく考え方が違います。というのもチルド餃子は製造工程上
すでに蒸されている
からです。チルド餃子は成形してから販売されている生餃子や冷凍餃子とは違い
成形→蒸気加熱→冷却→パック詰め→チルドの温度帯で流通
という商品です。ふつうの餃子を焼くときは皮からデンプンの流出を防ぐために水ではなくお湯を注ぎましたが、チルド餃子の場合は関係ない、ということ。
焼くのに使うフライパンはなんでもいいのですが、フッ素樹脂加工のものが安全です。というのも鉄のフライパンで焼くとわりあいくっつきやすいのです。
流通過程で底面に水分が付着しているので、鉄のフライパンがよく焼けてないと、この部分の水分でフライパンと皮がくっついてしまうことがあるからです。また、鉄のフライパンは家庭用のガスコンロで加熱した場合、
このように温度のムラができやすく、中心部分の焼き色が薄くなりがち。ちなみにこれは鋳物のストウブの鍋を予熱したもの。
これは山田工業所の鉄フライパンを予熱したものです。ま、焼色の問題については中心を避けて、餃子を並べると問題ありません。そう考えると浜松餃子とか丸く焼き上げて中心にもやしをトッピングする形の餃子は理に適っているな──と感心しますね。
とはいえ、くっつきやすい問題があるので、フッ素樹脂加工のフライパンの方が安全という話です。好みのフライパンを使ってください。
もう一つ攻略のポイントは「加える水は少なめ」という点。というのも皮にも具材にもすでに火が通っているので、全体に水分が戻り、熱くなればいいわけです。
はじめに予備実験としてパッケージの裏に記載されている通常の焼き方をしてみました。
こんな風に綺麗に焼けたのですが、ややカリカリ感が足りない気も……。というわけでこれらの問題を解決するための方法をご紹介します。
実際に焼いていきましょう!
フライパンに油を小さじ2ほど敷き、中火で30秒予熱します。
油の量が多いほどカリカリ感が出ますが、あまりに多すぎると揚餃子みたいになるのであんまりオススメしません。過ぎたるは及ばざるが如し。
ここで一度、火を止め、チルド餃子をくっつかないように少し離した状態で並べていきます。
もう一度中火にかけて少しだけ焼き、底の面の水分を飛ばしておきます。焼き色をつける必要はなく、これくらいで大丈夫ですが、この工程を踏むことで、餃子がフライパンにくっつきにくくなります。
ここがポイント。水50mlに小麦粉小さじ1〜2を溶かしておきます。いわゆる羽つき餃子の手法です。ここで小麦粉を補うことで、カリカリ感が増します。片栗粉を使うアプローチもありますが、片栗粉よりも小麦粉の方がガリッと香ばしい仕上がりになります。片栗粉は純粋なデンプンですが、小麦粉にはタンパク質が入っているからですね。
小麦粉を溶いた水を一気に流し入れます。
蓋をして蒸し焼きに。
我が家のガスコンロは火力が強いので、この時、火を中弱火に落としています。このまま2分間が目安、蓋越しに様子を観察して、水分がなくなってきたら蓋を開けます。
パリパリになりました。
ひっくり返す前に余分な油をキッチンペーパーで取り除きましょう。
フライパンに皿を被せて、手で抑えながらえいやっという具合にひっくり返します。油をキッチンペーパーで拭いておかないと、この時にそれが手にかかるリスクがあるんですよね。
出来上がり。ちょっと焼きすぎかな、と思うかもしれませんが、これくらい焦げ目がついてもそれはそれでおいしいもの。
餃子の皮は原理的にはこのレースチュイルと同じです。なので水に予め油を混ぜておけば網目がもっと細かくなります。
パリパリです。チルド餃子は冷凍餃子や生餃子とは違い、具材をあまりジューシーにできないのか、あっさり目の味なので(あまりジューシーにすると流通過程で皮が破けてしまいますものね)そのため、単体で味わうよりもラーメンと一緒に食べる、のがオススメです。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!