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肉料理にあうハイビスカスソース

今日はハイビスカスソースのレシピです。一般家庭ではあまり使い道がないかもしれません。肉料理とタイトルに書きましたが、ビーツなどの野菜にもよくあいます。オリジナルはアルページュのアラン・パッサールのレシピ。

通常のソースは赤ワインなどのアルコールを煮詰め、そこにフォンを足し、バターで 仕上げますし、果実を使ったソースは砂糖とビネガーを焦がし(ガストリック)、そこ に果物のジュースとフォンを加えて煮詰めてつくります。このハイビスカスソースの作り方はそうしたフランス料理の基本のソースからは大きく外れており、料理を知っている人が見ると驚くと思います。

ハイビスカスソース(4~6皿分)
ハイビスカス 30g
グラニュー糖 40g
水 500cc

スパイス類
ナツメグ 少々
シナモン 1本
八角 1個
クローブ 1本
あれば軽く潰したカルダモン 2個

 醤油 大さじ1/2
バター 40g (オレンジの皮やレモンの皮など)
(バルサミコ酢 大さじ1/2 opition)

鍋にスパイス類と水、砂糖を入れ、沸かし、ハイビスカスを投入。

火を止めます。ハイビスカスを入れてから加熱すると、苦味が出てしまうので注意。ハイビスカスはハーブティー用として売られているものです。強い酸味と花の香り、美しい色が特徴。

蓋をして30分間放置。その後、瓶に詰めて冷蔵庫で最低一晩、寝かせます。三日ほど寝かすとスパイスの香りが十分に出ます。1週間〜10日間ほどは保存もきくので、ここまではあらかじめつくっておきます。

保存している状態がこちら。ちなみにこの状態で赤ワインの代わりに提供することもできます。(濃ければ水で薄めます)ハイビスカスティーにはタンニンも含まれているので、ノンアルコールのドリンクとしては優秀です。

ところでノンアルコールペアリングが流行ですが、時々、意図がわからないドリンクを見かけます。食中酒の相性にはそれなりの理由が必要です。

例えば肉料理には赤ワインをあわせます。赤ワインに含まれるタンニンが口のなかのタンパク質と結びついて洗い流し、リフレッシュできるからです。また、ワインの場合はアルコールが油脂を洗い流してくれます。ノンアルコールペアリングの場合、アルコールがないので「油を洗い流す」という役割を果たすことができないので、そもそもの油脂分を減らすなどの工夫が必要でしょう。アルコールの代わりに炭酸を使うのもいい手法かもしれません。

食事中に飲むドリンクには「洗い流す」という役割以外にも味を補完する役割もあります。例えば肉料理にスパイシーなシラーをあわせて、複雑味を与えたりするマリアージュはそれを狙ったもの。このハイビスカスドリンクはタンニンとスパイス感があるので、肉料理にあわせやすいのです。

寝かせたハイビスカスティーを鍋にうつします。

強火で煮詰めて、風味を凝縮させます。

写真は半分くらいになるまで煮詰めた状態です。砂糖が入っ ているので、煮詰めると軽いとろみが出てきます。鍋の淵が焦げやすいので注意。味見をすると酸味と甘味、それからスパイシーな複雑な風味を感じます。

バターでモンテします。モンテとは熱い液体のなかに冷たいバターを入 れ、鍋をゆすりゆっくりと溶かしながら乳化させることです。

醤油で味付け。フォンドボー少しと塩でもOK。肉を休ませたときや、切り分けた時の肉汁があれば必ず加えます。

きれいなソースができました。こういうソースを何種類か憶えておくと料理の幅が広がります。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!