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Reproレシピ サーモンのムニエル

鮭のムニエルは昔、家庭科の調理実習の定番でした。ムニエルという調理法は鮮度の悪い魚でもおいしくできるので時代背景を考えると適していたのかもしれません。ムニエル(meunier)とは製粉業者のこと。食材に粉をまぶしバターで焼いた料理を指します。

僕がよくつくるのはカスベのムニエル。もちろん、サーモンでもおいしく作ることができます。

サーモンのムニエル
サーモン(刺身用)  130g〜150g
牛乳    適量
強力粉   適量(薄力粉でも可)
オリーブオイル小さじ1
バター  20g
〈ブールノワゼットソース〉
バター   20g
ケッパー  小さじ1
レモン汁  小さじ1
パセリのみじんぎり 適宜
塩     ひとつまみ

動画を見てもらうとわかるのですが、バターを入れるとフライパンの表面温度がみるみる下がります。(Reproを使うとその変化がよくわかります)

ムニエルはバターの泡で包むように火を入れていきますが、バターは20%が水分なので、それが蒸発する際の気化熱でフライパンの表面温度を下げ、ソフトに火が入るのです。これがムニエルの肝です。おそらく昔、熱源がコークスだった時代は火加減の調節が難しかったのでムニエルという調理法が重宝された、、、という側面もあるのではないでしょうか。

どのくらいの温度で火を入れるか、というのは魚の種類や目指す仕上がりによっても変わってきます。しかし、ムニエルという料理の本質=たっぷりのバターで加熱することで穏やかに加熱する、を踏まえるとあまり高温、短時間で香ばしく仕上げるのはちょっと違うかな、という気がします。

サーモンの場合、皮目の下に脂肪の層があるので、そちら側は強めの温度で焼き、身の部分はソフトに火を入れたいところ。動画だとクルトンはソースの鍋に入れていますが、あとから散らしてください(ソースに入れるとバターを吸ってしまってカリカリ感がなくなります、、、)

Reproを使うと温度の変化が目でわかる、というメリットがありますが、ガスコンロ+フライパンでも作ること自体はできます。しかし、再現性という点ではReproに一日の長がありそうです。また、温度が可視化できるのも強み。そう考えると今までは例えるなら速度計のない車に載っているようなものでしたが、Reproのようなサポートをしてくれる調理器具があると料理の上達スピードが早くなりそうです。すべての調理にReproのような調理器具が必要とは思いませんが、あれば研究や練習は効率的に進めることができるでしょう。考えてみれば野球の投球メカニクスも速度計ができてから150kの球はどうやったら投げられるか、、、と発展したわけで、技術が進歩を助けることに疑いの余地はないかもしれませんね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!