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卵1個でつくるウフマヨ〜エルヴェ・ティス風〜

ウフマヨ(ゆで卵のマヨネーズソースかけ)を作ろうと思ったら、冷蔵庫に卵が1個しかない。

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こんなときにつくるべきはエルヴェ・ティスの『究極のゆで卵』です。エルヴェ・ティスは分子料理研究の第一人者として知られるフランスの物理化学学者。究極の、という御大層な名前がついていますが、味が究極のわけではありません。1個の卵からゆで卵とマヨネーズの両方をつくるところがその名前の所以。

ちょっと考えれば普通に作ったとすればマヨネーズをつくるために卵黄が一つ、ゆで卵をつくるために卵が1個、計2個が必要なことはわかると思います。料理に詳しい人は「まず、ゆで卵をつくる。その後、卵黄を少量とり、マスタードをオイルを加えてソースをつくればいいのでは?」と思うかもしれませんが「それはマヨネーズではなく、加熱した卵をつかってつくるのでレムラードソース」とティス教授は看破します。では、どうするか。

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まず細いドリルで卵の殻に小さな穴をあけます。

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そこから注射器で卵黄を一滴取り出します。この工程が実は難しくて、結構白身をとってしまいます。卵黄の位置に見当をつけて、ある程度の白身ごと卵黄を取り出しました。

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その後、卵白を捨ててから、卵黄を中心にボウルに入れます。

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そのあいだに熱湯で卵を8分〜10分茹でましょう。

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卵黄が入ったボウルにマスタード小さじ1、穀物酢小さじ1、塩1.5g、胡椒を入れてよく撹拌します。マスタードが冷蔵庫から出したてだと次の作業が上手くできません。必要であればボウルの底を卵を茹でている鍋に当てて温めるといいでしょう。

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1滴の卵黄+マスタードなどのベースにサラダ油60ccを混ぜながら一滴ずつ加えていきます。マヨネーズの原理はこちらのnoteを参照してください。

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少しずつサラダ油を加えていくと乳化して、マヨネーズになります。この作業を通じてわかることは卵黄が非常に強力な乳化剤だということ。ティス教授の計算によると(適切な水分さえあれば)1つの卵黄で24リットルのマヨネーズができるそうです。

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卵は冷水にとって、殻を剥きます。オリジナルレシピではスライスすることになっていますが今日はそのまま盛り付けてみましょう。

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上に塩漬けの黒胡椒を少しのせました。ウフマヨの出来上がりです。

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少し固めに茹でた卵黄にマヨネーズが絡んで美味です。このレシピはこちらの本に掲載されているものです。(オリジナルには油の分量の記載がないため、アレンジを加えました)

実験としてなかなかおもしろいレシピだと思います。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!