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焼いたパプリカ にんにくとハーブ風味

長時間、野菜を加熱することで、食べ慣れた野菜の別の表情を引き出すシリーズです。過去には

や長芋なんかを焼きました。今回のテーマは『パプリカ』

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パプリカ、わりと新顔の野菜なんですが、完全に定着しましたね。人気の秘密は甘みとジューシーさ。

こんなふうにまるごと黒焦げになるまで焼いて、皮を剥いてマリネにするのが一般的。しかし、この方法だと皮の美味しさが味わえないのが気になっていました。そこで今回は皮目のおいしさを生かしつつ、フライパンでジューシーに焼き上げます。イメージとしては肉や魚に負けないステーキ的な味わいです。

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パプリカは種を避けるようにして、カットします。

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四つに切れたので、それを斜めに切って、8つに切り分けます。

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フライパンを中火に熱し、オリーブオイル小さじ2を入れて皮目から焼いてきます。パプリカを並べ終えたら、火を弱火に落としてください。このままじっくりと20分〜25分間、焼いていきます。

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目安はパプリカの内側から水分が浮いてくるまでです。硬い部分とやわらかい部分があってもそれはそれでコントラストが出ておいしいのでそのあたりは気にせず。

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味付けの準備。米酢小さじ1と手でちぎったバジル2枚、ドライのオレガノ、にんにくのスライスを少し準備しました。ぼくの料理では生のにんにくを使うことはあまりないので、今回はちょっとめずらしいかも。酢に漬けておくと匂いが多少は和らぎますが、それでも強い香りなので量には注意してください。イメージとして小さな薄切りがパプリカに対して1枚ずつ、という感じです。

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こんなふうに皮を焼き切ります。ここまで焼けばやわらかく食べられます。パプリカは両面焼くと食感が出ないので、片面焼きです。逆に言うと片面焼きで火を通す必要があるので、弱めの火加減でじっくりと加熱しているわけです。

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さきほど準備したハーブとにんにくのボウルに焼き上がったパプリカを移し、ざっくりと絡めます。パプリカから出る甘いエキスと酢と混ざり合ってソースになります。

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器に盛り付けて、フルール・ド・セルで味付け。

そういえばこのあいだ配信で『フルール・ド・セルってなんですか』という質問をもらったので説明しておくと、フランス語で塩の花という意味の粒子の粗い、カリッとした食感の塩です。料理の仕上げに使います。

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盛り付け。塩の量がポイント。塩をしっかりと効かせると肉や魚に負けない味のインパクトがある一皿になります。ハーブの取り合わせは自由でバジルの代わりに大葉でもいいですし、にんにくが苦手ならみょうがを使う、という手もあります。でもそうなるとカツオの叩きっぽい感じになるかもですね。

料理とは詰まるところどのように温度をコントロールするか、です。加熱にもいろいろな種類があり、弱火で加熱してもフライパンの大きさやガスコンロによって、フライパンの表面温度には差が出てきます。音に注意して、あまりバチバチと音するようであれば火が強すぎますし、音がしなければ弱すぎます。火加減のいい頃合いを見つけてしまえば後はタイマーでもセットしておけば放置しておくだけで出来上がる料理なので、夏野菜を楽しんでください。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!