樋口直哉(TravelingFoodLab.)
焼きトマトソースの作り方
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焼きトマトソースの作り方

樋口直哉(TravelingFoodLab.)

スーパーと道の駅に行ったところ、トマトがずらりと並んでいました。おいしいトマトが手に入ったときにはまとめてトマトソースづくりです。今日はとびきりおいしいトマトソースの作り方をご紹介します。

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トマト 650g程度
ドライオレガノ 少々
にんにく    1片
オリーブオイル 25g
塩       3g

まとめて作ったほうが楽なので、多めにできる分量です。トマトについて復習しておきましょう。

トマトは固くて薄い外皮(いわゆるトマトの皮)と外側の果肉壁、中央の芯、趣旨のまわりのゼリー質と果汁の4つで構成されています。果肉部分には糖やうま味成分が多く、ゼリー質と果汁部分には酸(とうま味成分)が多く含まれています。

よく料理書に載っているレシピには『トマトの種と果汁を取り除く』とありますが、あれは酸味を調整しているわけです。トマトの酸味はクエン酸やリンゴ酸なので、加熱しても揮発しないので、酸味を減らしたければ物理的に除去するないのです。

ただ、種と果汁を取り除くと、うま味成分が失われるというデメリットもあります。また、芳香成分の多くは外皮と果肉部分に含まれているので、皮を剥くと若干、トマトの香りが失われます。

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おいしいトマトであればまるごと加熱するのが一番です。このトマトソースはフランスの二つ星シェフ、ジャン・フランソワ・ピエージュのレシピをアレンジしたもの。まずオーブンを180℃に予熱し、トマトのへたを取り除きます。

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そして皮付きのまま4等分にカット。

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ボウルに移し、オリーブオイルを絡めます。

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塩を3g(小さじ1/2)追加。

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乾燥オレガノで風味をつけました。ちなみにジャン・フランソワ・ピエージュによるオリジナルレシピではタイムで風味づけしています。タイムを使うといかにも南仏という雰囲気になりますが、オレガノでもま、いいでしょう。

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オーブントレイに重ならないように並べ、にんにくのスライスを振りました。底が広いオーブントレイを使うのがコツです。

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180℃のオーブンで50分間加熱します。

トマトの使い方のポイントは『青葉臭さ』を生かすか、殺すか、という点にあります。ヘキサナール、ヘキサノールは鍋や口の中で果実組織が潰されることにより脂肪酸が酵素分解されて生じるものです。トマトをあまり潰さずに半分、または四つ割にして加熱すると酵素が標的分子と混じり合わず、細胞が保たれるので、青っぽさがあまり出ずに、調理することができます。またオーブンでゆっくりと加熱することでグアニル酸といううま味成分も(わずかですが)増え、それがトマトのグルタミン酸と相乗効果を引き出します。これがオーブンでゆっくりと加熱するタイプのトマトソースのおいしさの秘密です。

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焼き上がったらそのまま冷ましてください。トマトから水気が出てくるので、トレイの底の焦げを溶かしこみます。キャラメリゼした風味がソースにつくのです。

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トレイの底についた風味をしっかりとこそげとりました。

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トマトをすべてミキサーにかけます。

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ザルで裏ごししましょう。

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この段階で種を取り除けばソースに滑らかさが出ます。

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出来上がり。必要であれば塩や砂糖で味を調整します。

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このトマトソースは焼いた魚と最高の相性です。冷凍もできるので、今の時期に作っておくのもいいでしょう。

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撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!

樋口直哉(TravelingFoodLab.)
樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)料理本『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)など。新刊は『ぼくのおいしいは3でつくる』(辰巳出版)です!