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握り鮨を家でつくると楽しい(のでオススメ)

以前、紹介したすし飯を使って握り寿司を作ります。

家庭でチラシ寿司はよくつくられていますが、握り寿司はやったことがないという方は多いと思います。しかし、握り寿司は(こだわらなければ)ちょっと練習すればできる料理です。アメリカのスーパーマーケットではアルバイトが握り寿司を作って(急速に冷やした状態で)売っていますが、やり方さえわかれば案外と簡単にできるのです。

まずは動画で流れを把握しましょう。

基本的には酢飯をつくる→柵で買ってきた魚を切る→握るの3ステップ。

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柵で売られている魚を観察すると繊維がわかります。それを断ち切るようにして薄切りにするだけです。柵をやや斜めに置いて、包丁は引くだけ。この時、包丁の峰に人差し指を添えるとヘッドが安定するので、包丁を長く使うことができます。万能包丁で切ってますが柳刃包丁のような専用包丁を買うと気分が上がるので課金するのも手。

お刺身よりも薄く切るのがコツです。そのほうが酢飯と一緒に口に運んだ時に口溶けのバランスがいいです。

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ビニール手袋をして握れば面倒がないのですが、手で握る場合はすし飯がくっつくという問題が出てきます。乾いた手で酢飯を触ると、、、

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酢飯がくっつきます。

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一方、手を湿らせておけば、、、

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指にくっつきません。ようは湿っていればいいのです。かといってあまりに水分がついていると酢飯がベタベタになってしまうので、手をボウルの水につけてから両手のひらを叩くと、いい感じに水気が飛びます。お寿司屋さんが手を叩くのは威勢をつけるためではなくて、ちゃんと意味があるのです。

インターネットを検索すると上記の記事のように「酢が蒸発するとき、てのひらの熱を奪うのです。そのため、普通の人のてのひらの温度は33度から34度ですが、寿司職人のは30度前後に保たれています。したがって、手の熱でシャリの温度が上がることがなく、米粒に粘りが出ないので、くっつかないのです」とありますが、そんなことはありません。

酢が蒸発するって逆にどんだけ手が熱いんだ、という話でありますし、ちなみに最近のお寿司屋さんは脂の多いマグロなどは熱目の温度の酢飯(蒸し直す場合が多いようです)で握りますが、熱々の酢飯でももちろん手にくっついたりはしません。

子供さんはちょっと油断すると手を米粒だらけにしてしまうので、その場合は手袋をしてもらい、オリーブ油を薄く塗るという裏技もあります。

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右手で酢飯をとります。目安は12g〜15gです。一度、秤で重さを測り、大きさの見当を掴むのが確実。銀座のお寿司屋さんは10gのところもありますし、回転寿司は15g〜18g前後、お持ち帰り鮨などは20gの場合もありますが、このあたりでざっくりと感覚を掴みます。

この段階ではしっかり丸めても大丈夫。この後の工程でリカバーできます。(動画ではあえて手数をかけて丸めています)

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左手でネタを掴みます。

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右手の手のひらに酢飯をセットしたまま、人差し指でわさびをつけます。つまり、自分の右側に酢飯、その上にわさびとネタ、左側に手水という具合にセットアップする必要がある、ということです。

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右手の親指で酢飯の真ん中に穴を開けます。この時、左手を酢飯の側面に添えておくと酢飯がこぼれません。この工程によって口溶けがよくなります。

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で、この後、ネタと酢飯をひっくり返す必要があるのですが、ここでいくつかの方法があります。伝統的な方法は『本手返し』という手法で、一度左手に移してからひっくり返す技法です。ちょっと高いお店の職人さんはこの方法で握ると思います。

左手の上で手前から奥に転がすのが『小手返し』という手法。手数が少なく早く握れるので味はこれが一番いいのではと思います。もうひとつ『たて返し』という方法もあり、職人は具材に応じて使い分けます。

動画では『逆小手返し』というべき方法で握っています。(鮨を奥から手前に返しています)こうしたほうが人間の指は手前に曲がるようにできているので簡単だからです。人差し指、中指、薬指を曲げるだけで鮨はひっくり返ります。寿司職人さんは眉をひそめるかもしれませんが、家庭で食べる鮨なので細かいことは大目に見てもらいましょう。

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あとは雰囲気で握ってください。右手に力は入れずに左手の両サイドで整形します。形が崩れてしまっても、右手の中指と親指で酢飯の両サイドを挟むと、細長くなって見栄えがよくなります。酢飯の中心に穴を開けているのでわりとしっかりと握って大丈夫です。人数が多い場合は酢飯を予め丸めておき、最後の握る工程だけ各自が行ってもいいでしょう。

ただ、酢飯の温度が下がってくると握りづらくなるので、冷めてしまったらレンジで温めてください。素人が握るとやわらかく握りがち(なので食べる時崩れる)なのですが、食べる時に崩れる、という場合は醤油を刷毛で塗ることでリカバーできます。

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わりとしっかりと握っていますが、米粒と米粒のあいだに隙間がちゃんと出来ているのがわかるか、と思います。これは酢飯がちゃんと出来ているので、お米の粘りが少なく、米粒同士が面ではなく点で繋がっている証拠。米粒同士が点で繋がっていれば口に入れた時にほろりと崩れてくれて、決してガチガチにはなりません。

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前回の酢飯の記事で紹介しましたが、今はネットで赤酢が簡単に入手できるので、家でも本格的なお寿司が食べられるようになりました。鮨は酢飯さえちゃんとおいしくできていれば、それなりに美味しいものができます。なによりみんなで鮨を握るのはなかなか楽しい経験になるはずです。

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撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!

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樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)料理本『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)など。

コメント1件

素晴らしく美しい手さばき✨
間近ににぎり寿司を作る行程を見られてとてもよく分かりました。

最後の「goo✨」と笑顔が美味しさを物語っていますね🎵(*^^*)
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