見出し画像

あの漫画にも出てくるお粥の作り方

おかゆの味付けについてリクエストがあったので、瓢亭粥をご紹介します。瓢亭粥の瓢亭とは京都にある老舗の料亭の名前。醤油で味付けした銀餡(出汁餡)を添えるのが特徴です。

画像1

とりあえずおかゆを炊きます。何度も紹介している気もしますが、お米1/4合を洗います。

画像2

水500ccを沸かしたところに米を投入。湯炊きすることでデンプンの流出が減り、粒立ちがよくなります。ちょっと強めの火加減で15分間、煮ていきます。

画像3

これくらいの濃度が理想。もしも水気が多ければ火を強めて煮詰め、逆に濃度が強すぎれば湯を足して緩めます。このあと、火を止めて3分間蒸らします。そのあいだに米が水を吸い込んで膨らみます。ここが味の頂点で、あとはゆるやかに味が落ちていきます。

画像4

本来は葛粉ですが、入手しやすい片栗粉を使っています。片栗粉大さじ1と水大さじ1を混ぜ合わせておきます。

画像5

小鍋に出汁200ccを沸かし、醤油大さじ1、塩ひとつまみであじつけしたところに片栗粉でとろみをつけます。濃口と薄口を半々ずつ使ったほうがおいしくできますが、濃口+塩でもそれなりの味にはなります。

画像6

やや強めの濃度がつけばOK。ただ、ちょっと濁るんですよね。葛を使うと透明感が出るのですが……。

画像7

おかゆにあんをかけながらいただきます。味付けしていないお米の味を感じるお粥に出汁餡をかけるのがポイント。(つまり出汁で煮ていない)

塩昆布と梅干しを添えました。冒頭のお粥の味付けについての回答ですが、僕のオススメは「味付けしない」というもの。代わりに塩味の素材を添えることで米の甘さを引き立てます。他にお粥に添えるものとしては漬物やごま塩、ちりめん山椒などがオススメです。

画像8

このお粥、じつは漫画「美味しんぼ」21巻でも紹介されている料理。

画像9

引用箇所には「ウソォ!ヤメテェ!と叫ぶほどの量でダシを取り」とありますが、そんなに大量の鰹節を使う必要はないか、と。ちなみに瓢亭さんの出汁は鰹節ではなく、マグロ節を使っていることでも有名なので、そちらの方がいいかもしれません。このあたりの出汁素材を変えてみても、発見が色々あるかもしれないですね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!