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ガスバーナーについて考える

料理に凝りはじめた人がまず買う道具といえばバーナー。バーナーは高温で表面に焼き色をつけたり、砂糖をカラメリゼしたりできる調理道具で、炙るだけで変わる味を手軽に楽しめます。

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写真はカセットコンロのガスに装着するタイプのガスバーナー。このタイプが一番、普及しているか、と思います。ただ「気にしすぎ」と言われるかもしれませんが、個人的にはこのタイプのガスバーナーで炙ると食材にガスの匂いが付着するのが気になります。なにが原因なのでしょうか?

ガスボンベに詰められているLPガスの成分は「ブダン」「イソブタン」「プロパン」の3種類で、カセットコンロのガスはブダンとイソブタンが一般的です。例えばイワタニのwebページで確認したところ、通常のタイプはイソブタン:約30%
ノルマルブタン:約70%という比率、ハイパワーのガスはイソブタンが約70%、ノルマルブタン:約30%の混合比率になっているよう。(イソブタンのほうが寒冷地に強い)

悪臭の原因はこのブダン(&イソブダン)。ブダンにはわずかに悪臭(石油のような)があり、それが食材に移ることがあります。もちろん「ガスの炎が完全燃焼されていれば科学的には無臭になるのでは?」という意見もあります。

家庭のガスコンロに使う都市ガスやプロパンガスには、使用者がガス漏れに気づけれるようにメルカプタンなどの匂いがつけられていますが、完全燃焼しているので魚焼きグリルで魚を焼いても匂いがつくような事態には陥りません。では、ガスバーナーで炙った魚に匂いがあるような気がするのは、僕の錯覚なのでしょうか?

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それを確かめるべく、試しにプロピレンガスのボンベにバーナーノズルをつけて加熱してみました。(ノズルが同メーカー製ではないので、使い方として推奨できる方法ではないのですが、自己責任で行っています)写真のガスはアサダのNEOマップガスガストーチという製品でプロピレンとプロパンの混合ガスです。

プロパンガスにもわずかな匂いがあるので、食品に使うのであれば本当はMAPP(プロピレンガス)だけのボンベがいいと思います。

ノズルはこちらを使っています。

プロピレンガスのバーナーは主に溶接用途に使われていますが、1900℃まで温度が上がるので、肉の表面に素早く焦げ目をつけるのに最適です。moderinist cuisineの著者ネイサン・ミアボルトはやはり「ブダンのガスバーナーは食材に匂いがつく」として、プロピレンガスを薦めています。

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通常のガスバーナーで炙ったサーモンと、、、

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プロピレンガスのバーナーで炙ったものを比較します。

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こうして比較するとやはり通常のガスバーナーで炙ったサーモンには独特の匂いがついてしまっていることがわかります。ガスバーナーで炙った魚に嫌な匂いがつくのは錯覚ではないのです。完全燃焼させるために空気を混入させる具合のコントロールが難しいのかもしれません。一方のプロプロピレンの溶接用バーナーで炙った魚には独特の匂いはまったく感じません。

もちろん、安価なガスバーナーも他の道具がなければ充分に役に立つレベルですが、この事実を知ってしまうと「なんだかなー」という感じがします。一番、簡単な解決策はプロピレンガスのガストーチバーナーが販売されることなのですが、なぜ一般的に売られていないのか、というあたりを詳しい方に伺いたいので、このnoteを書いてみました。皆様のご意見も頂戴したいです。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!