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スジアオノリの茶碗蒸し

友人の岡田さん(酢飯屋というお鮨屋さんの店主)の紹介でスジアオノリを譲ってもらいました。

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販売元は高知県のシーベジタブルという会社。

(酢飯屋のオンラインストアで買えます)

シーベジタブルでは地下海水を使った陸上養殖に取り組んでいるそう。スジアオノリの陸上養殖は各地で行われていますが、シーベジタブルの製品は高品質とのこと。採苗方法や屋内での育苗方法などにノウハウがあるんでしょうね。

陸上養殖とはなんぞや? ざっくりいうと海ではなく、陸上に地下水を貯めて、アオノリの種を植えて育てるという形です。海ではなく陸上で育てれば赤潮や台風などの影響を受けずに安定して生産することができます。日本各地でスジアオノリの陸上養殖の試みが行われている背景としては、高知県四万十川など従来の生産地での生産量が減少していること、あるいは他の水産養殖に比べて餌がいらないので、飼料代がほとんど要らないことなどが挙げられます。

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スジアオノリというのはこんな形をしています。色もきれいですが、お茶っぽい香りがします。スジアオノリはアオノリの世界では高級品。いわゆるお好み焼きにかけるアオサ類と比べて、香りも味もいいのが特徴です。

追記 2021/9/16
初出の記事には「養殖のアオノリは甲殻類が混ざったりしないので、エビカニアレルギーの人も安心して食べられるのもメリット」という下りがあったのですが、コンタミがないことを証明するのは難しいらしく、パッケージにもその旨記載されている、とのこと。万が一の万が一、ということがあるので、削除しました。

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こちらの製品は乾燥品なので、水に戻してみましょう。

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すぐに戻ります。この状態で口に含むとシャキシャキした歯ごたえが心地いいです。まさにシーベジタブル(海の野菜)という印象。

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試しに茶碗蒸しにしてみました。スジアオノリを出汁200mlで戻し、卵1個、薄口醤油小さじ1を混ぜて卵液をつくります。

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泡が立ったらガスバーナーやライターで炙ると消えます。

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今回は50mlずつ器に流し入れたので、蓋を少しずらした状態の蒸し器に入れて、8分。蒸し器はそのまま使うと100℃での加熱ですが、蓋を少しずらした状態だと90℃〜95℃くらいの温度で加熱することができます。茶碗蒸しは85℃程度あればいいので、なるべく低い温度でゆっくり加熱するのがコツ。

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出来上がり。卵のやわらかさとスジアオノリのシャキシャキした食感がよくあいます。海苔にはジメチルスルフィドというちょっと磯っぽい香りの硫黄化合物が含まれているのですが、この香りは卵とよくあいます。同じジメチルスルフィドが含まれている食べものにトリュフがありますが、トリュフも卵とよく合いますよね。卵には硫黄を含んだアミノ酸が多く含まれているからかもしれません。

ということはポテトサラダやポテトチップスにスジアオノリを足す、というのもいいでしょうし、肉や魚のソースに加えてもいいかもしれません。スジアオノリ、どうやらかなりの可能性に満ちた食材みたいです、、、というご報告でした。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!