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カリカリにんにくのペペロンチーノ
久しぶりのパスタレシピです。イタリア料理のアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノは日本では人気の料理。日本人的にはかけそば的なシンプルさにそそられるのかもしれません。
とはいえアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノはシェフの数だけ作り方やレシピが存在します。
三つ星レストランのレシピになると、バジリコソースが添えられ、アンチョビが入り、グラノパダーノチーズが入り、トマトが入り、カリカリにしたパン粉……という具合にかなり複雑なもの。軽く鍋を煽ってクリーミーな仕上がりにすることが強調されています。
再解釈パターンではこんなものも。こちらの動画の2つ目に紹介されているバージョンはパスタを塩ぬるま湯につけて戻し、にんにくを水に漬けてにんにくの出汁を抽出し、そのにんにく出汁、野菜だし、パセリの茎でさきほどのパスタを煮込んでいくスタイル。にんにく自体を入れない、という方法が興味深いところ。
ところで、通常のペペロンチーノの作り方はにんにくとオリーブオイル(とペペロンチーノ)を加熱したところに、パスタの茹で汁を加えるスタイルが一般的。一方、その方法をとらないシェフもいます。例えば軽井沢にある人気イタリアンレストランでペペロンチーノを習ったことがあるのですが、そのお店のシェフは「茹で汁は加えない」と言っていました。曰く「茹で汁を加えると味のキレがなくなる」とのこと。
さらに「せっかくにんにくをクロッカンテにしたのに、水分を加えたらふやけてしまう」とのことでパスタの水気をしっかり切ってから和えていました。なるほど出来上がったペペロンチーノはパスタの粉とオリーブオイルの風味が効き、噛むごとにギリギリまで火入れしたニンニクの香りを感じる仕上がり。
非常に美味しかったのですが、オイル感が若干気になりました。茹で汁を加えてもニンニクのカリカリ感を残した仕上がりがいいなぁ、と思ったので、こちらのレシピ「カリカリニンニクのペペロンチーノ」をご紹介します。
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カリカリニンニクのペペロンチーノ 2人前
フェデリーニ 160g
にんにく 2片
唐辛子 1本
EVオリーブオイル 大さじ4
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赤唐辛子は種を取り除いておきます。
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にんにくをみじん切りにします。この時、なるべく形(と大きさ)を揃えると焦げたり、加熱ムラができたり、というリスクを減らせます。
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パセリをみじん切りに。パセリが入るとにんにくの強い香りがやわらぎ、料理としての完成度はぐっと上がりますね。パセリを加熱するか、否か、という点も作り方によって差が出る部分。前述のイタリアンシェフはニンニクのみじん切りを加熱したオリーブオイルにパセリのみじん切りを加えることで、オイルの温度を下げるとともに、パセリの香りを引き出していました。一方、「パセリは加熱すると香りが飛んでしまう」という意見もあります。これはどういうことでしょうか?
刻んだイタリアンパセリは「独特の風味(メンタトリエン)に新鮮なにおい」と「強い青葉臭」「木のにおい」が混じった(『マギーキッチンサイエンス』より)風味ですが、加熱することで青葉臭が弱まります。加熱してはいけない派は青葉臭を生かしたい人で、逆に加熱すればイタリアンパセリのメンタトリエン(ハッカっぽい香りです)が生きていきます。
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フライパンにオリーブオイルを注ぎ、にんにくのみじん切りを入れ、中火にかけます。ふつふつと沸いてきたたら弱火に落としましょう。
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このタイミングで唐辛子を投入。唐辛子を入れるタイミングにも色々と意見がありますが、加熱することで風味が出やすくなります。
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うっすら色づいてきたら茶こしなどで油を切りましょう。これでカリカリニンニクの出来上がり。
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オリーブオイル大さじ3をフライパンに戻します。多少、にんにくが残っても大丈夫。あとから茹で汁を加えますが、そこに風味が出ます。
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イタリアンパセリを半量、加えておきましょう。加熱する派としない葉の中間的な使い方ですね。
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湯を1L沸かし、塩12gを投入します。パスタ自体に塩気をしっかり効かせておくのが、パスタ料理全般をおいしくつくるコツ。
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フェデリーニを5分茹でます。フェデリーニの袋にはアルデンテ4分と書かれていますが、それよりも長めです。今回のパスタはソースのなかで煮込む、という調理工程を挟まないので長めに茹でておきます。台所とテーブルが遠い場合は4分30秒茹でて茹で汁を増やす、とか、色々と調節できますが、とりあえずはこんな感じで。
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茹で上がる2分前に茹で汁60mlを加えます。
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中火にかけて鍋をゆすりながら加熱していきます。沸いたら火を止めること。水分が余分に蒸発すると相対的に油が多い状態になり、仕上がりがオイリーになります。
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5分茹でたのでパスタを加えます。
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中火で加熱しながら、箸で手早く和えて、ソースに水分が残った仕上がりにしましょう。中火にかけるのはパスタが冷めないようにするためなので、沸いたら火を止めること。
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盛り付けます。茹で汁が多いソースなので、油っぽさが少ないのがメリット。
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仕上げにカリカリにんにくと残しておいた生のパセリをトッピング。
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出来上がりです。ペペロンチーノがおいしいのは最初の一口なので、なるべく早く食べましょう。あとはきちんと塩味がついていればパスタはどうやってもおいしいのですが、パスタ自体の選択でも味は結構変わります。僕はいつもブレンズダイスのディチェコを使っていますが、麺の表面がつるつるしているバリラだったら別の作り方があるのかな、という感じです。
YouTubeでは1人前の分量で解説しています。
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