こぼれ梅研究その3「ブランマンジェにする」
スペインを代表するシェフ、フェラン・アドリア氏が酒粕を食べたときの感想は「これは生のアーモンドとか、マジパンみたいだ」というものでした。先入観のない感覚ならではで面白いですが、たしかに言われてみれば風味的に近いのかもしれません。
日本では生のアーモンドを入手することは困難(あっても高い)なので、この方向性 で試作をしていみました。まずはブランマンジェから。
こぼれ梅のブランマンジェ
こぼれ梅 50g
牛乳 200cc
砂糖 20g
水 50cc
ゼラチン 5g
生クリーム 50cc
ブランマンジェとは白い食べ物という意味のデザート。アーモンドを使ってつくるのが一般的ですが、今日はこぼれ梅で。ちなみに昔のブランマンジェはデザートではなく、蛙肉や鶏肉を潰して、ゼリーで固めた料理を指しました。中世の一時期に女性たちのあいだで「噛むことがはしたない」という風潮があったときに流行った料理です。
電子レンジで温めておいた牛乳(ホットミルクとして飲めるくらい)とこぼれ梅をあ わせてミキサーにかけます。温めておくとこぼれ梅が柔らかくなり、滑らかになりますし、その後の工程でゼラチンが固まってしまう自体を防ぐことができます。
小さな鍋に分量の水を沸かし、火を止めます。ゼラチン5gを振り入れます。(もしも ゼラチンの箱に水で戻して使うように記載されていたら指示に従ってください)
ゼラチンが玉になったら困るのでゴムベラで潰すようにして丁寧に混ぜましょう。きちんと溶けたことを確認したら、、、
温かい状態のミキサーの中身を加えます。
ゴムベラで丁寧に混ぜましょう。ボウルに移して、氷水などに当てて冷やします。ブランマンジェは牛乳だけでもつくることができますが、一部を水にすることで口当たりを軽くできます。
ある程度冷えてから生クリームを加えます。
うちにボウルがたくさんないとか、氷がない、という方も、冷凍庫に熱冷まし用などの保冷剤は入っていませんか? 最近の保冷剤は柔軟性があるためボウルの底にフィットしやすく、便利です。とろみがつくまで冷やします。ここできちんと冷やしておくと、あとから分離しません。
型に注ぎます。ガラス容器でもプリンカップでもおこのみで。型に注ぐときはお玉やスプーンよりもこのようなティーポットや計量カップのほうが縁につかずにきれいに注げます。
およそ3時間、冷蔵庫で冷やし固めました。
例えばメロンの果肉となかの汁をミキサーにかけたソースをかけて提供します。ソー スはなんでもいいのですが、メロンとアーモンドの相性の良さは抜群。こぼれ梅とも相性がいいはず。
アルミカップを型から外すときは底と周りをお湯に浸けます。
皿にアルミカップを置き、指で抑えて、『皿』を上下に振ります。そのうちポツンと落ちるはずです。
さきほどのメロンジュースを注いで、スープ仕立てにしてもいいでしょう。新しい食材の発見は料理を楽しくしますし、健康にもいい食材は積極的に活用したいもの。こぼれ梅が手に入ったら是非、お試しください。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!