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おいしさの新常識、スピンオフ

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#野菜料理

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第23回余談「里芋のそぼろ煮の作り方」

cakesの更新。今日のテーマは鶏そぼろ。 鶏そぼろはお弁当の定番。炒り卵と一緒にして、二色の丼にすることが多いけれども、今回は親子丼に仕立ててみた。 とろとろの親子丼のコツは「蓋をしない」こと。蓋をしてしっかりと火を通すとふんわりと仕上がるので好みだけれど、ご飯との一体感は蓋をしない半熟タイプの方が上。ちなみに親子丼を考案した人形町玉ひでの厨房には蓋がないので、このタイプがやはり王道と思われる。 谷崎潤一郎が贔屓にしていたかしわ料理屋としても有名ですよね。 鶏そぼろ

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第22回余談小松菜の辛味成分はどこまで引き出せるか?

cakesの更新。副菜系はPVが低いことが判明しているので、皆様よろしくお願いいたします。 で、おひたしです。お浸しは青菜を茹でて醤油をかければいいのですが、保存を考えると色々と工夫する必要が出てきます。また、軸は残すのがセオリーですが、実は切り落としたほうが格段に長持ちします。土には細菌が多く棲んでいるため、ですね。 下記のような記事も載せたことがあります。 さて、今回の余談は写真の小松菜料理の試作に失敗した話です。この小松菜。アブラナ科の野菜ですから、辛味成分を持っ

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第21回余談『豚肉じゃが』

cakesの連載の更新。テーマは『肉じゃが』 肉じゃがの肉といえば関西圏では『牛肉』、関東圏では『豚肉』が一般的。境界線はかなり曖昧ですが愛知までは豚肉という感じ。この境界線は関東と関西の味付けの境界線とほぼ重なります。とはいえ関東の人も牛肉を使った肉じゃが、食べますけどね。どっちだって別にいいのです。おいしければ。 最近の料理研究家の方に関西圏出身の方が多いせいか、牛肉の肉じゃがのレシピが一般化した感もありますね。いつのまにかテレビに増えていたよしもと芸人みたいな感じか

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第16回余談『きのこの味噌汁』

cakes連載のおまけシリーズです。今回はきのこ調理のポイント。無料公開期間が短くなったので(たしか……二日だったかな?)早めに読むか、有料購読してください。 例えば『きのこをおいしく炒めよう♪』という記事には「強火一気に炒める!」とありますし、カゴメ監修による『きのこ料理のおいしさが変わる!煮る、炒める、揚げるコツ』という記事にも「炒め料理の場合は、強火で火を通すのがコツ」とあるようにきのこは強火で炒めるというのが定説です。 今回の調理法ではそれらの定説に逆らい、弱火で

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第12回余談『青菜の炒め物の科学』

cake連載の更新。今日のテーマは青菜の炒め物です。 中華料理や台湾料理店に行くとついつい頼んでしまう青菜炒め。化学調味料を入れると簡単にお店の味がつくれる気もしますが、ここは一つ日本酒のアミノ酸を活用してさっぱりとした無化調に仕上げています。 もしも、もっと旨味が欲しいという方は最後に加える調味料を醤油ではなくナンプラーにしてみてください。ナンプラーにはグルタミン酸が多く含まれているので、旨味調味料の代わりになります。 さて、炒め物は高温に限ると思われがちですが、温度

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第11回余談『レンジでラタトゥイユ』

Cakes連載の更新。テーマは電子レンジ調理。下記のリンクをクリックしていただけるとうれしいです。 今回の記事をまとめるとレンジでラタトゥイユをつくるとおいしい、という話。元ネタは自分たちが数年前に開発したレシピです。下記の動画を参照してください。音が出るので注意。 3-3-7拍子のリズムで料理をする動画が面白いのではないか、と思い、6年前につくった動画です。(振り返れば昔だ……) レンジ調理で10分間加熱とか、45分加熱とかはあんまりやらないか、と思いますが、実は味と