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おいしさの新常識、スピンオフ

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2018年10月の記事一覧

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第20回余談デミグラスソースについて

今回のテーマは『ビーフシチュー』 今回は悩みました。こういうレシピはお店の味に近づけるか、あるいは手軽に別の方向性を目指すかという選択肢がまずあります。お店の味の再現は不可能なので、エッセンスだけを抽出して、レシピを組み立て直しました。 はじめはデミグラスソースの缶詰を入れないレシピを考えていたのですが、まー、味が出ない。試作を繰り返した結果、わかったことは ケチャップを入れるレシピは☓ 中濃ソースを入れるレシピは☓ 缶詰のフォンドボー(またはグラスヴィアンド)が深みを

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第18回余談『豆腐粥』の作り方

cakes連載の更新。 豆腐は90度を越えたあたりから離水がはじまる。というわけで湯豆腐をつくる時は煮立てないように注意です。湯豆腐には必ず塩を入れてください。重量比で1%が目安。 熱を加えると豆腐に含まれている凝固剤(カルシウムイオン)の働きが強まるので豆腐が硬くなる。しかし、塩を加えることでカルシウムイオンの動きが阻害されるのでやわらかいまま食べることができます。ちなみに昆布にも塩分があるので、下に敷くだけでもある程度は効果があります。それでも昆布+塩のほうがいいです

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第17回余談『究極のサンマの塩焼き』

cakesの連載、今回のテーマは『サンマの塩焼き』 サンマの塩焼きは定番中の定番。色んな焼き方があるけれど、目指すべき場所は「表面はこんがりと」「なかはジューシー」 サンマのジューシーさは水分ではなく、脂肪分に由来します。他の魚種と違って加熱しすぎても身は硬くならないのですが、脂が落ちるので長時間の加熱は避けるべき。高温、短時間で表面にこんがりと焼き色をつけ、最終的には予熱で内部の温度を75℃まで上げるのがベターでしょう。 炭で焼くのがベストという結論になりますが、今回