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12.酵素風呂との出会い

検査と治療のために断乳をしたとき助産院の助産師さんがわざわざ伝えにきてくれた。
「ごめんね。余計なことかもしれないけど、近くに酵素風呂があるんだけどすごくいいと思うんだよね。よければ調べて体験もやってるから行ってみたらどうかなぁ」
もちろん知っている助産師さんで信頼できる人なので先入観もなくその日にはすぐ体験予約をしてみた。

なんとなく女性が多くてエステ的な感じなのかなぁと思い行ってみた。
酵素風呂は、米糠を発酵させて熱をだしその中に砂風呂のように入ること(多分。詳しくは調べてみてください)
私が行っているところは100%米糠で油を抜いていない。(というところが大切だそうだ)
そして、驚くほどがん治療のために通っている人が多かった。

当たり前のように交わされるがんの話し。
お客さんもかなりの方ががん。
「私は胃がんなんですよー」
「私は全身でもうダメだと言わてたの...」
なんて人ばかりで少し驚いた。

砂風呂のような米糠に全身うまり、鼻と口だけを出して入る。
驚くほど熱くて5分と言われたけどそんなもので十分だった。

なんだかんだと藁をもつかむ心境だったのか。
入会して回数券も購入してみた。
ここだけで治せたらそれはそれで良いなぁと思った。そんな体験談もたくさん書いてあった。当たり前だけどここに通う人やスタッフの方の考え方の多くは化学療法は良くない。という雰囲気だった。 

私がまだ治療を始める前であり、治療方法を迷っていることも話すと、酵素風呂だけで治すという選択もあるというふうな話も始まり、他のお客さんと話をしたらどうかと提案をされた。
何人かの人と話をした。
ある人は「医者からすれば私たちは実験台。絶対にダメだ」
ある人は「まぁ化学療法とあわせるのもありだと思うけどね」という人も。
概ねは化学療法反対派だった。
もちろんそれは理解出来るしそれがベスト。 かもしれない。
でもそんな風な話になるとは思わず戸惑った。

治療方法も決まらぬまま週3程度通った。
そんな私をみて父は「自分の命を大切にしなさい」といった。
私の中では「だからこそ」の行動だったが、父は一刻も早く治療に入って欲しかった。気持ちは分かるが、私の中では「納得して選択する」というステップが大切だった。
そして、酵素風呂にも通い良くなる事はあっても悪化する事はないと確信していた。
相変わらず血便は出ていたけど断乳し、体が自分だけのものに久しぶりに戻り産後最高に元気だった。

「どんな形でも必ず治すから信頼してほしい」と父には伝えた。
生まれて初めて父の考えを真っ向から否定したと思う。
なんだかんだと心配性の父が好きだったし親なのでそんな考え方が正しいとも思っていた。

酵素風呂では「100%信じれば必ず治る」とも言われた。
私は99%は信じることができても100%はできないと直感した。
100%信じれたらよかったけど。
そのくらい真剣に命をかけて入るということでもあった。

葛藤しながら少し悪あがきのように酵素風呂へ通う日々が少し続いた。

「冷え性は治るよ」と言われたので低体温だった私はそれが治るだけでも価値があると思った。
実際半年ほど通うと35.8度ほどだったのが現在は36.2-3に安定している。

そして酵素風呂にはいると心身共にすっきりして前向きになれた。
ここに来ていれば大丈夫!そんな風にも思えたのでとても心の支えになった。

しばらく迷った。
もちろん答えはほぼ出ていた。
でも、一度治療を始めたら戻れない気がした。

ある日違和感がすっきりした。
酵素風呂でたまに感じた違和感。
それは、否定だった。

医者を否定し
西洋医学を否定し
抗がん剤を否定する

そこに違和感を覚えていた。
正しいこともある。
けれど医者も西洋医学も抗がん剤も。
すべては良くしようという思いから存在するもの。
実際私は病院で不信感は持たなかった。
否定をするのは簡単だけどそれらで救われる人がたくさんいるのも事実。

そう思った瞬間に答えが出た。
私は中庸で行こう。と。

東洋医学 西洋医学
酵素風呂 化学療法
どちらも、良いところを使おう。
どちらも否定しない。
どちらも肯定していこう。


未だに週2回程度行っていてこれはずっと続けようと思っている。




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