その職人は自分の技術に自信と誇りがある。思いではなくできることを淡々と増やしてた。
見て盗む。師匠についたものと一から誰に習うでもなくただ地道に技術を得てできることを増やしていく。
誰に言うでもなく。
悔しい思いも辛い思いも惨めな思いもしながら。
ただ淡々と技術を得ては昇華していく。
できるように。
できるようにと。淡々と。
そうして積み上げたものは。
揺るがないどっしりとした土台となる。
口先や小手先の技術ではない。濃厚な努力の跡がある。
侮辱された怒りは
ごもっとも。
同じ技術者なれど
比べられれば火もつく。
俺は見えない人よりちゃんと自分の目で見て頼める人に頼むよ。
そんなに阿保じゃない。
誰かに頼りなさいと軽々しく言った目上の人にひどく冷めてしまった自分。
ここは俺の領域で振り分けられてる。
ここの現場は知らんが前のところでは全部責任を負わされる状態で1人で仕事をしていた。
頼るものは自分だけ。
泣こうが怒ろうが自分でやるしかない。夜をたった1人でやるしかない。
何があろうと。
助けは…
ない。
頼る頼らないではない。
頼る前に本当にやり尽くしたのか?もうどうやっても無理なのか?いや違う。
やると決めたから頼らず乗り切る気持ちでいたのだ。
1人でやると決めたから。
それは俺が積み上げてきた自信と誇りがある。
そんなにらやわな経験は積んでない。
誰も体験し難いことを体験してる。
惨めに、無様に、無力感に苛まれながらも乗り越えてきた。
軽々しく頼れば良いなんて言ってほしくはない。
俺は俺なりに取り組んでる。
無理ではなくやらなくてはならないの。
そんな状況下でやってる。
限界なんてまだまだ。
毎回毎回思ってるよ。
無力感は持ってるずっとこれからも。
ただ淡々と技術を磨く。誰にもわからないままに。
ぶえっくしっ!!
あははあはあはあはあ。
鼻水飛び出た…
うへえ。
アホは風邪引かんのではないのかぁ?
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