30 Day Song Challenge Day 21

Day 21 A song I like with a person’s name in the title(人の名前がタイトルに入っている曲で好きな曲)

〇Billie Jean/Michael Jackson

ここでようやくキングオブポップの登場。ポップであること、あり続けることって大変ですよね。人間って生きているだけでどんどん角ばってくるものだし、角を削ぎ落として削ぎ落として、絶えず丸く丸くいなければならないのはなんと重労働であろうか。ポップであることのあまりのしんどさを後ろ側に透かして見てしまうので、あんまり好んで聴きたいと思うアーティストではないんですけど、やっぱりポップ大好き大消費者としては1曲くらい挙げておきたいところ。
この曲、最高にポップなんですわ。これがポップでなくて何であろう。ポップスターでないと思いつくことができない詞。モデルはいないと主張するところもポップ。解釈にたっぷりと幅を持たせてすっかり余裕なところもポップ。特定の人というよりは抽象的な人物の集合を常に相手にしている人の発想という感じがする。こういうのきっとたくさんいるんだろうな。生きてるだけで気が狂いそうなポップスターの一生、果たして心安らぐ時はあったのだろうかと不穏な気持ちになってしまう。法さえも味方してくれなくなること、女の子のハートを潰すと嘘さえも真になること、想像しただけで背筋が凍る真実。だんだん前後不覚になってくる。真実が見えなくなってくる。そしてフェードアウトで曲が終わる。恐怖。

わたしもアイドルとか大好きなんですけど、ポップスターを鑑賞するにあたり、自分が消費者であり、他人の人生を勝手に信仰して一喜一憂を繰り返す愚かな存在であることは忘れたくないな。やっぱり大好きな人にはつまらない歪み方をしてほしくないですからね。現実と非現実を仕切る扉は思ったよりヤワなんです。ぼーっとしてるうちにすり抜けてしまうかもしれない。みなさんもどうかくれぐれもお気をつけください。