見出し画像

僕のTDT2020

出発の朝

27日の夕方に東京に新幹線で向かった
その日はスタート地点近くの蒲田にて取ったホテルにて眠れぬ夜を過ごした。

朝、JR蒲田駅に集合するとチラホラとそれらしき
出立ちの方々が。
なにぶんアウェイなもんで「どーもー」なんて人見知りな挨拶しつつソワソワしてると、関西から参加のメンバーの顔が見え一安心^_^

集まった方々と目的地に向けてバスに乗る
しばらくして見えてきたのは羽田大鳥居。
そう、あの『サロ門』である

画像1

スタート前に記念撮影^_^
すでにランナーの応援などで人が集まっていた
京都の大先輩の顔もありアウェイ感が薄れて来た
受付を済ませドロップバックを預ける
じわじわとスタートの時間が迫っていた
ここから壮大な旅の始まりなのである。

多摩リバー

当日はとても良い天気で、走るには気持ちのいい暖かさのまさにTDT日和でした
暫くしてスタート前の注意事項と宣誓が始まる

画像4


『たとえ怪我をしても、ロストしても、ハンガーノックになったとしても、全ては自業自得、アーメン!』
門の真下からAM11:00 遂にTDTスタート!!
TDTのコースは羽田大鳥居からスタートし多摩川沿いを遡上、そのまま青梅市の山に入り高水山常福院で折り返し来た道を大鳥居まで戻るピストン

画像2

初100mileの経験から思ってるよりゆっくり入らないと後半絶対潰れると思ったので、キロ7分〜7分半は死守しようと決めていた。
周りは少し速いペースで走っていたが自分を信じてひたすらゆっくりと、、、と言うよりペースが上がらないw
土壇場だったのもあるのかコンディションも何も無いまま当日を迎えたのでなかなか調子が上がらない。
しかもこの日はまあ向かい風が強かった!!
最初のコンビニに到着する頃には地味に疲れてて本当に24時間以内に完走できるかちょっぴり不安になっていた。

向かい風との戦い

先頭の大きな集団からはじわじわと離され出したがペース的には問題なく、なんならもっとベテランのランナーの方が自分よりさらに後方を走っているので謎の安心感があった。
ただ相変わらず強い向かい風が吹き続けじわじわと体力を削りにかかって来る
二つ目のエイドに到着した時点で夕陽に変わり出したのでこのまま日暮れになれば一気に冷えると判断して下はロングパンツに変更。
基本的に長くエイドにいるのが苦手なので準備を終えるといそいそと走り出す。

画像3

(立川付近で見た夕暮れ時の富士山
ここが遠い関東の地だと思い出させてくれる美しい眺めでした。)
どんどん陽が落ちてくると少しずつ寒くなって来た。ロングパンツの選択も良かったようで足を冷やさず少しずつ調子も上がって来た。
さあ、もう少しでトレイル手前のエイド、鉄道公園だ。

やっぱりトレイルランナー

青梅市に入ってしばらく走るとそろそろ鉄道公園コンビニなどで皆それぞれ補給をすましトレイルへの準備を始める。
ここで関西からの応援組にサポート頂き少し長めに身体を休めた。アツアツおでんが身に染みた〜
さあここからは待ちに待ったご褒美トレイル
鉄道公園からはペーサーが付けられるとのことでにぎやかに揃った関西勢の方達と一緒に山の中へ
登りは基本歩きで走れるところだけ〜と進むも
やっぱり皆んなトレイルが好きな様で自然と足も軽くなる。一日中吹いていた風も木々が遮ってくれるおかげか暖かささえ感じた。トレイル自体も道幅もあり走りやすい場所が多くてかなり気持ち良かったし、少し迷いやすいところもTDT経験者の方々のおかげでスムーズに進めた。

この辺りから冴えと言うか集中力が増す様な感覚がありどんどんペースが上がっていった。

高水山寺常福院の手前にたどり着くと山梨の道が
まっすぐの方々がエイドを出されていた。
何か頂こうかとも思ったが混んでいたので途中ご
一緒した方々とはお別れし、そのまま折り返し地
点までの急登に向かう事に。
夜の静けさがしんしんと身に染み込む暗闇のトレ
イルを黙々と登り続けると舗装された道に。
折り返しまでもう少し。
そんなに時間もなく常福院にたどり着いた。
何となく余韻に浸るかとも思ったが、スイッチが
入っているのか手だけ合わせるとすぐに踵を返し
折り返しをスタートさせるのだった。

皆んなはどこへ?

山を降り先程のエイドに戻って来た。
少し暖かいものを頂いた後、さあ行こうかとも思
ったがなんとなく迷いそうな気がしたし、あくま
でグループラン。誰かと一緒の方が安全と、たま
たまその場に居合わせた1組のランーさんの後ろを
着いて行かせてもらった。
折り返しのトレイルもあっという間に鉄道公園ま
でたどり着いた。
すっかり風も止んでいたので少し迷ってロングパ
ンツはドロップバックへ。
コンビニで買って残っていた赤飯を口に頬張ると
先に行ったであろうランナーさんに追いつきたく
てささっとその場を後にした。

脚の調子はすこぶる良い
すぐに追いついて一緒に走れればと前を追う
しかし走れども走れども中々見当たらない
結構いいペースで走っているのに一人も見ないの
は変だな、、、。
途中チラッとコンビニにいる方々を見たがもしか
して、、、。
多摩川沿いに入った辺りで疑問は確信に変わった
あーこれ前に誰もいないなw
なんだか急に寂しくなりペースを落としたり歩い
たりしながら後ろから誰か追いつくのを待った

・・・・・中々来ない。

そうこうしてるうちに何となく分岐の分からない
場所に来た。
「あれ?どっちだっけ?」
足を止めてログを確認していると後ろから二つ
ヘッドライトの光が見えた。
「そっちは左ですよー」
近づいて来た顔を見て驚いた。
「田中さん?!」
そう、ご存知JR田中さんであった
「飛ばしすぎだよ、レースじゃ無いんだから」
「いや〜前に誰かいると思たら誰もいなくて」
「ペーサーは居ないの?」
「僕一人です」
そんなやりとりがあったと記憶してる
理由は後に分かるのだけど、先頭を探して走って
来たとの事。
「じゃあ、後ろが来るまでゆっくり走ります」
そう言って走り始める田中さんを見送ろうとした
矢先、耳を疑う言葉が返って来た。

『え?来ないの?』

未知との遭遇

え?あれ?んん??
レースじゃないから皆んなで走ったほうが良いのかとな?
思ったのにまさかのお誘いw
既に100km超えた状態でどこまで付いていけるか
その大きな背中、お借りしないのは勿体ない!

「じゃあ、行けるところまでお願いします(汗」

そこからは未知の領域でした。
トレイル以降謎の復活により脚の軽さは感じるも
のの100キロ過ぎてから維持したことのないペース
でどんどん進む。途中ご一緒の方が岩垂さんだと分かりこりゃ大変だー!と思うも時既に遅しw
数キロごとにトイレ休憩が挟まれるので辛うじて付いていけてるが一人で走っていては出さないであろうペースなのは間違い無かった。
途中何度か離されそうになっても歩いて待っててもらったり完全に引っ張って貰ってる
調子の良かった脚も次第に痛みが出始めた。

TDT名物

往路には無かったが、日を跨いだ復路には
いつも有志の方々が私設エイドが出るそうで
今回も数カ所にエイドが出る予定になっていた
お二人が歩きを入れるなんてことはないのでエイドに辿り着くまで走り続ける事になるだろうと
つまりエイドまで耐えれば少し休める!

画像5

そんなわけで一つ目、関西組のなにわエイド。
明石焼きをご馳走になりましたが、旨かったー!
ここで後ろを待ちつつだったけどその前に体が冷え切りそうだったので次のエイドに向けて出発。

画像6

陽が登って来たのか、お二人のペースも自然と上がりだんだん涙目になる中やっと辿り着いたのは
豚汁エイド。ここ暖かい豚汁とバナナをいただく
朝の早い時間からとてもありがたいご馳走でした

画像7

豚汁エイドにて僕はどこ見てるんですかね?ww
相当足にきてて、一度座ると膝が固まったみたいになって伸ばすと痛みが凄かった。田中さんには気のせいだねと一蹴されたw

画像8

LDAエイド。ここではおでんとノンアルコールビールを頂きました^_^
ノンアルビール美味しかったなぁ〜。
中々厳しくてもう少し休んでたかったですが
『ほら行くよ』と、、、
最後まで保つのだろうか、、、

途中気温の低さかスマートフォンのバッテリーが切れたので写真がありませんがその他にも
『永遠のzeroカロリーエイド』なる何を摂取してもカロリーが得られない素敵なエイドや
Twitterで繋がっている方達の勝手エイドなど
TDTと言うイベントが、いかに沢山の人に親しまれているか肌で感じ、その中を走れる事の幸運を実感することが出来た。

限界のその先

さあ、最後のエイドを出発して残り15kmほど、脚は痛み無く動くけどエネルギーが出ない感じでどう表現すれば良いか、、残り数kmでどんどん田中さん、岩垂さんとの間が離れる。
追えども追えども追い付かず脚を止めるわけにもいかずひたすら動かし続けた。
100mile終盤とは思えない息の上がり方と汗に、もう無理と言わんばかりに自販機に寄った。
スポーツ飲料をカラカラになった喉に押し込み前を見ると、何と立ち止まって待っている??
これは待たせてはいけないと振り絞って追いつくと田中さんから一言

『君の限界が見たかった』^_^

えげついです師匠!!
もう心の中では師匠と呼ばせて頂きます!!w
そこから少しペースを落としていただきゴールへ

画像9

見えてきましたサロ門!!

画像10

最後はお二人に譲って頂きゴール!!
22時間17分で僕のTDT2020は終わりを告げました
2度目の100mile。
ボロボロになる覚悟で走ったはずなのに、もう終わりなのかと寂しさすら感じるゴールでした。
往路は色んな方とたくさん話しながら走れたし、
復路はトップクラスのランナーに引っ張って貰え、自分の閾値を大きく引き上げて貰った非常に貴重な時間だったしなんつーかとにかく最高に楽しい100mileでした。
レースでも無い、練習会でも無い、唯一無二のイベントTDT。
中々狭き門ではあるけど、機会があればこれから100mileを走ってみたいと思ってるランナーに是非参加してTDTイズムを感じて欲しい。
100mileが好きになる事請け合いです。

画像12

念願のダルマバックルもゲット!!

画像12

本当にお二人には感謝しかないです。
田中さん、岩垂さん、ありがとうございました!

〜END〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?