見出し画像

石川県 漆器を巡れる滞在型ワークショップを開催!~木地編~

石川県小松市滝ケ原
ここには宿泊しながら石川県の伝統産業である漆器について触れることができる「Takigahara Craft&Stay」というホステルがあります。
今回はそちらで4人の大学生さんと京都にて活動している地域活動家の方2名に参加していただき、1泊2日の滞在型ワークショップを開催しました!

画像2

1日目は木地挽きの工程を体験を行いました。
今回、お話を聞かせてくださったのは木地師の生地史子さんです。
生地さんは2019年に山中漆器の木地部門にて伝統工芸士認定を受けた木地師です。

まずはホステルにて生地さんから漆器や木地についてのプチ講義を受けました。
石川県加賀市にある山中温泉周辺では山中漆器という漆器が盛んに制作されています。その山中漆器が作られ始めたのは安土桃山時代の天正年間(西暦1573-1592年)に木地師が山中温泉近くの真砂という地域に移り住んだ頃と言われているそう。
ちなみに、お隣の県、福井県では越前漆器が盛んですが、山中漆器は木目を見せる仕上げ方が多く、越前漆器は色の付いた漆で木目を覆う仕上げが多く、それぞれの漆器の特徴だそうです。
そして木地作りにも様々な手法がありますが、生地さんは山中で行われている挽物と呼ばれる、ろくろによる丸物の木地作りをされています。
山中式の木地作りは木取りの段階から少し特徴があり、他の産地ではあまり見られない縦木取りをするそう。そうすることによって木質の狂いや歪みが少なくなるという理由があります。

プチ講座の後は生地さんに木地挽きの実演を見せていただきました。木地挽きはホステルの敷地内にあるクラフト工房「九(kyu)」にて、普段から地元の職人が木地を挽いたり、漆器を制作したりしているので、そちらで木地挽きの実演をしていただきました。

画像3

Tradiのメンバーもカンナを使って実際に生地を挽きをしてみるも、、、カンナがぶれて思うようには木材を削ることができなかったです(>_<;) 

画像1

木地を挽く際に用いるカンナは職人が自分で鉄を打って、自分が使いやすいように全て作っているそうです。そのため工房には鍛冶室も備えているのです。このように木地師は生地を挽く際にも力がいるだけでなく、加えて鍛冶仕事もしなければならない体力がいるお仕事なので、昔は木地師=男性の仕事とされていたのだとか。

そんな男性の仕事とされていた木地挽きですが、生地さんは木地を挽く際に力技で木を削るのではなく、少ない力で上手く削れるような力の入れ方をしつつも、物凄いスピードで一つの木地を仕上げます。
職人は1日に何個の木地を仕上げられるかが重要となってくるので、1日にたくさんの木地を効率よく正確に仕上げられるように数年間を掛けて修行をするのだとか。

今回のワークショップは自然の木が一つ一つの美しいお椀の形になる、その裏に隠された木地師の努力の積み重ねと技術の巧み、美しさが垣間見得た体験でした。

ワークショップの様子やホステルの様子がわかる動画もあります!どうぞご覧ください♪

スクリーンショット 2021-02-24 21.07.03


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?