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ゴールドETF残高の見方

ゴールドの取引では、チャートだけでなく様々な判断材料を活用することが重要です。その中でも、ゴールドのETF残高に着目することで、市場の需給バランスを把握し、取引戦略に役立てることができます。

■ETF残高とは?
ETF(上場投資信託)は、金などの資産を裏付けとして発行される投資信託です。ゴールドETFの場合、金の現物を保有し、その価値に連動して取引されます。ETF残高は、そのETFが保有するゴールドの量を示しています。

■ETF残高の見方
ETF残高が増加している場合、投資家のゴールド需要が高まっていると判断できます。この場合、ゴールドの価格は上昇しやすい傾向にあります。逆にETF残高が減少している場合は、投資家のゴールド需要が低下していると考えられ、価格は下落しやすくなります。

■取引戦略への活用方法

  1. 長期トレンドの確認 ETF残高の長期的な増減トレンドを確認することで、ゴールド市場の需給バランスを把握できます。増加トレンドであれば長期的な買いシグナル、減少トレンドであれば売りシグナルとして活用できます。

  2. 短期トレードのタイミング判断 ETF残高の短期的な変動を確認することで、短期トレードのタイミングを判断できます。残高が急増した場合は買いの参入ポイント、急減した場合は売りのチャンスと捉えることができます。

  3. 他の指標との組み合わせ ETF残高だけでなく、金利動向や地政学リスクなど他の指標と組み合わせることで、より精度の高い取引戦略を構築できます。

上記は一般的な取引戦略となります。
実際に金ETFとチャートの比較行い、短期的な傾向を確認します。

■金ETFとチャートの比較(2020年~現在)
2020年中頃から2022年後半までは、データの欠損により変動がない箇所があるため、この期間は考慮しません。
2023年末までは、ゴールドETF残高とゴールド価格に強い相関性があることが見て取れます。

しかし、2024年頃からはゴールドETF残高が減少しているにもかかわらず、ゴールド価格は上昇しています。この背景には以下の要因が考えられます。

  1. 高インフレ下でのFRBの金融引き締め政策の影響で、金利を持たないゴールドの需要が減少し、2022年中頃からゴールドETF残高が減少傾向にある。

  2. 一方で、米中対立などを背景に、中央銀行によるゴールド需要が強く、ゴールド価格を支えている。

現在、6月にFRBの利下げが見込まれており、金融政策のピボットによりゴールドには大きな上昇圧力がかかっています。直近では、中東不安によるヘッジ買いを背景に、ゴールドETF残高が増加し、ゴールド価格の上昇トレンドの起点となっています。今後、西側諸国の流入が加われば、ゴールドにとってさらに追い風となると考えられます。

赤:中東不安によるヘッジ 緑:直近の高騰の起点 

ゴールドETFへの資金流入が増加すると、ゴールド価格の上昇のきっかけになる傾向が続いています。一方で、ゴールドETFからの資金流出が起きても、必ずしもゴールド価格の下落につながるとは限りません。

したがって、ゴールドETFの資金流出が見られる場面では、すぐにショートポジションを取るのではなく、様子を見るのが賢明でしょう。そして、ゴールドETFへの資金流入が再び始まった時点で、ゴールド価格の上昇を見込んでロングポジション取りをすることが、効果的な戦略になると考えられます。

ゴールドのETF残高を活用することで、チャートだけでは判断しづらい需給バランスを把握し、取引戦略に役立てることができます。長期トレンドの確認や短期トレードのタイミング判断、他の指標との組み合わせなど、様々な活用方法があるので、ぜひ取り入れてみてください。

このゴールドETF残高を確認できるコミュニティは以下から参加ください。

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