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事業再構築補助金(最終チェック編)

事業再構築補助金の第1次締切の申請が5月7日の18時に延長になりました。

4月30日の〆切に間に合わせるため、時間を削って作業をしていた人たちにとっては肩透かしをくらった気分かもしれませんが、システムダウンで申請が間に合わなかった人のことを考えると、致し方ない措置だと思います。

4月30日に申請しようとして、まだ申請作業が終わっていない人にとっては、1週間の余裕が生まれたことになります。当然、事業計画書の見直しをすると思いますが、自分が書いた文章の穴を見つけるというのはなかなか難しいものです。

そこで、この記事では、「私ならこういう観点で見直しをする」というポイントをご紹介したいと思います。

1週間の時間があるとはいえ、全体のストーリーを見直すような改修はしないほうがいいです。いまのストーリーをベースに、厚みを増すほうが採択の可能性は高まります。そのような観点で、チェックポイントを紹介します。

なお、この記事の内容は私の個人的な見解です。この記事のとおりに書いたからといって採択が保証されるわけではありませんので、その点はご了承ください。

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ちなみに、事業再構築補助金の書き方については、以下の2つの記事を投稿しています。これらは有料記事ではありますが、この2つの記事を見れば、いまからでも申請書は書けますので、ぜひ、参考にしていただきたいと思います。

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それでは、チェックポイントを紹介します。

1.見出しはわかりやすいか

補助金の申請書で一番大事なのは「わかりやすさ」で、そのわかりやすさは、見出しで決まります。試しに、見出しだけ抜き出して、メモ帳にコピペしてみてください。ストーリーがつながっているでしょうか?

わかりやすい申請書は、見出しを追いかけるだけで、何をしようとしているのかがわかります。見出しをおろそかにして、本文に力を入れすぎている申請書が多いです。申請書はエッセイではないので長文は不要です。20行の文章を書くくらいなら、小見出しに分けるほうが絶対に良いです。

審査員は多くの申請書をチェックします。1つの申請書にどれくらい時間をかけるかわかりませんが、短い時間で要点がスッと入る申請書のほうが、高評価になりやすいと思いませんか?

申請書を見直すとき、文章を加筆するくらいなら、見出し(文章構成)を見直すほうがはるかに採択に近づきます

2.要点は目立たせているか

これも「わかりやすさ」につながるのですが、文章中で注目してほしいポイントは強調表示してください。少なくとも太字・下線は入れましょう。文字色の変更は、審査の際に申請書を白黒印刷すると薄くなってしまうので注意が必要です。カラフルにしすぎるのは避けたほうがいいでしょう。

強調表示した部分を見ていくと言いたいことがだいたいわかる、というのが理想です。長い文章は目がすべります。行頭から文章を読んで全体像を理解するというのは相当しんどいです。審査員は、おそらく100以上の申請書をチェックします。となると、集中力も持ちません。

強調表示でこちらの言いたいことを伝えて、気になったら文章をじっくり読んでもらう、という流れにすべきです。

ちなみに、この記事は強調表示をしていないので、イケてない文章です。少しでも早く記事を公開したいので雑になっています。すいません。

3.書いてほしいことを書いているか

申請書は、書きたいことを書く書類ではありません。相手が書いてほしいことを書く書類です。自分の想いを2ページにわたって書いたとしても、それは、「本事業を実施する背景のひとつ」にすぎません。本事業を実施する背景(理由)は、自分の想いだけなのでしょうか? 事業計画という観点で評価すると、「この申請者は、自分の想いだけで事業をやろうとしている」とマイナスに判断されてしまいます。本事業を実施する理由は、他にもあるはずです。

公募要領には「書いてほしいこと」が書いてあります。すごくあっさりと書いて見落としてしまいがちですが、ものすごく重要なので、ぜひチェックしてください。自分の書いた申請書と見比べて、書いていない項目があれば追記してください。ページ数が足りなければ、他の内容を削ってでも書くべきです。

4.図や写真を使っているか

補助金の申請書は、学校のレポートではありません。学校のレポートは、何文字以上という条件がありますが、公募要領には「A4サイズで計15ページ以内での作成にご協力ください」とあるだけです。文字数は関係ないのです。

1ページが文章でぎっしりの申請書を目にすることが多いです。残念ながら、そういった申請書は厳しい戦いになるでしょう。文章の表現を見直すくらいなら「文章で書いている内容を図・写真で置き換えられないか」に時間をかけたほうが良いです

例えば、「現在の厨房にはテイクアウト商品を作る設備がない」というのであれば、今の厨房の写真をのせるべきです。

Officeのスキルがあるのなら、図を描くのがおススメです。私は、パワポで図を描いて、それを画像にしてワードに貼り付けています。やり方は人それぞれでいいですが、文章よりも図・写真で伝えることを考えましょう。

公募要領に「必要に応じて、図表や写真等を用いて、具体的に記載してください。」と注釈があるということは、裏を返せば、「図表や写真等を用いていない人が多い」とも読めます。差をつけるチャンスです。

5.数字の根拠を書いているか

申請書テンプレートの「4:収益計画」は、一見、数字を表に埋めればいいだけのように見えますが、それでは不十分です。売上・営業利益など、各項目について、どういう理由でその数字になったのか、コメントを入れるべきです。特に、本事業によって売上がどのように増えるのか、付加価値額がどのように増えるのかが重要です。

6.税金であることを忘れない

補助金は税金であり、国による企業への投資です。もちろん、民間の投資のようにリターンがすべてではなく、企業支援という側面もありますが、プレゼントではない、ということは念頭に置くべきでしょう。

ですから、「●●をしたいからお金ください」という態度ではなく、「私たちに投資をしてくれたら、ちゃんと事業を継続して地域社会に貢献します」という態度でなければなりません。いまの申請書に、そういった観点の記載があるでしょうか? なければ追記が必要です。

みなさんが事業を継続することは、何らかの形で地域社会に良い影響をもたらすはずです。それを堂々と書きましょう。


以上がチェックポイントになります。これらのチェックポイントに沿って見直せば、申請書はさらによくなります。おそらく、申請書に書くべきネタは出そろっているはずです。あとは、それをいかにわかりやすく表現するかだけです。それだけで質はガラっと変わります。せっかくできた時間なので、ぜひ、有効活用していただきたいと思います。


あと、繰り返しになりますが、事業計画書をイチから書きたい人には、以下の2つの記事がおススメです。有料記事ですが、金額以上の価値はあると思います。少なくとも、他で見たことがない内容です。

1週間あれば、余裕で申請書を仕上げることができます。私なら、以下のようなスケジュールになります。徹夜しなくても十分間に合います。寝不足で書いても良い結果にならないですしね。それに寝たいし。

1日目 文章を80%仕上げる
2日目 文章の見直しをしながら、図・写真を入れる
3日目 収益計画を作る
4日目 文章の見直しと強調表現
5日目 Web画面の入力
6日目 最終チェックと申請ボタンを押す
7日目 予備

事務局のHPをみると、1次の採択発表は6月中旬で、2次の申請〆切は7月中旬とのこと。ということは、1次で落ちても2次に連続で応募できる可能性が高いです

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だったら、1次に出さない手はないです。もし、1次に出すのを迷っているのなら、チャレンジすることを強くおススメします。

業者に高い報酬を払って書いてもらうくらいなら、有料記事を見てでも自分で書いたほうが絶対に良いです。たとえ落ちても、内容を見直して出し続ければ、採択の確率は上がります。それに、残念ながら申請書を書いてくれる業者を見つけるのは厳しいです。それくらい書き手(特に質の良い書き手)が不足しています。2次・3次を待つくらいなら、1次にチャレンジしてほしいなと思います。

私は、多くの事業者さんの申請書の書き方をアドバイスしてきました。ほとんどの人のアイデアはよく考えられていて、十分に要件を満たしています。しかし、口ではしっかり言えていた内容が、書類になると伝わってこないことが多いのです。それは、文章が上手い・下手の問題ではなく、単純に申請書を書くコツがわかっていないだけです申請書はコツをつかめば誰でも書けます。むしろOfficeの操作を覚えるほうが難しいくらいです。

なので、「自分には無理」と思わないでチャレンジしてほしいと思います。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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