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オールカマー 2020【予想】

オールカマー 過去

先週のセントライト記念は良発表ながら、勝ち時計の2分15秒0は過去10年のなかでもダントツで遅く、Cコース替わりの昨日も雨の影響で終日稍重。
本日も結局乾くことなく、重めの馬場を想定する。

ラップ的には3角入口からペースアップするロングスパート戦になりやすい傾向にあるが、今年は9頭立ての少頭数。
ハナに立つことが予想される⑤ジェネラーレウーノは重度の屈腱炎からの復帰戦で、番手になりそうな⑦ステイフーリッシュは休み明けでテン乗り、⑧カレンブーケドールも7か月の休み明け。
無理して抑えるまではしないだろうから、坂の下りによる自然なペースアップによる持続力戦を想定する。

また、かつてはマツリダゴッホの3連覇や、同条件のセントライト記念やアメリカジョッキークラブカップでの好走馬が、好走したりと非根幹距離の特殊な条件で適性がモノを言うケースも少なくない。

重めの馬場も苦にしない、持続力戦に向いた馬を中心に考えたい。

①クレッシェンドラヴ(○)

福島で重賞2勝を挙げながら中山では結果が出ていないが、セントライト記念と昨年のオールカマーは高速馬場で速い上がりを要求されてのもので、年始の中山金杯はスローペースに泣いて0秒4差。

今回も落ち着いたペースが懸念されるが、例年より時計が掛かっている馬場状態に稍重馬場は追い風。
中9週以上【5.2.0.2】としており、自ら動くことでロングスパート戦に持ち込めばいいと思うが、他馬に合わせる形では差し損ねる可能性が高いか。

②サンアップルトン(⋯)

重賞初挑戦となった前走の日経賞では現在1番人気に推されている③ミッキースワローに敗れはしたが、上がり3Fの脚では0秒4上回るメンバー最速。
今春のGⅠでも好走したモズベッロやスティッフェリオに次ぐ④着で、5着アイスバブルも後に目黒記念で②着に好走しており、重賞でも戦える走りを見せた。

2200mの距離も中山を含めて【2.1.0.0】、馬場にしても経験は少ないものの、稍重の新潟2200mで勝利。
7番人気なら狙ってみたいところではあるが、今回は両前足の骨折休養明けとなる約半年ぶりの出走で中野調教師としては「理想はもうひと追い」とのことで、先のアルゼンチン共和国杯やステイヤーズステークスへの叩き台になりそうで、今回は消す。

③ミッキースワロー(☆)

昨年の②着馬であり、セントライト記念勝ちを含めて①①②②④着と現役屈指の中山2200m巧者。
今年の日経賞も勝っており、中山では8戦すべてでメンバー中3位以内の末脚を使って【3.2.0.3】。

不安があるとすれば、この3度の着外がデビュー戦と稍重馬場での2戦ということ。
中山2200mに話を戻すと、良馬場の4戦はメイバー最速の上がりで①①②②着と結果が出ている一方、稍重だった今冬のアメリカジョッキークラブカップでは4角で不利があったとはいえ、上がりはメンバー中3位にとどまり④着に敗れている。

今春の天皇賞でも③着に好走するトップホースではあるが、差し損ねる可能性は高いと見る。

④センテリュオ(⋯)

過去に好走した牝馬の内、ショウナンパンドラとヌーヴォレコルトはGⅠ馬。ルージュバックもきさらぎ賞、エプソムカップ、毎日王冠と男馬相手の非根幹距離の重賞を3勝している実績があった。

本馬は重賞未勝利で実績こそ大きく劣るが、2200mの距離は中山も含めて4戦3連対。唯一連対を外したレースもGⅠエリザベス女王杯の0秒3差の④着。
全兄トーセンスターダムはオーストラリアに移籍後、6歳になってからGⅠを2勝した遅咲きの血統。

6番人気であれば穴馬として考えたかったが、このメンバー相手なら良馬場であって欲しかった。
前走のマーメイドステークスは稍重で②着に好走しているが、これは相手が弱かったから。同じく稍重だった前々走の大阪城ステークスでは⑤着に敗れている。

⑤ジェネラーレウーノ(△)

3歳時に京成杯、今回と同じ舞台のセントライト記念を勝ち、GⅠ皐月賞でも③着に好走して【3.0.1.1】と、③ミッキースワローにも劣らない中山巧者。
翌年のアメリカジョッキークラブカップでシャケトラの0秒4差④着に敗れた後、右前浅屈腱炎を発症。
引退も考えられるほど重度であったことから長期の戦線離脱を余儀なくされることになった。

今回は1年8か月ぶりの復帰戦。夏の復帰も検討されたが、得意の中山に照準を合わせて帰厩して調整されることになり、1週前追い切りでは坂路で自己ベストを1秒以上も更新する一番時計。脚元を気にして手控えることなく攻め込まれて状態自体は問題なさそう。

長期休養明けが嫌われて単勝20倍前後ならば狙ったかも知れないが、少頭数で10倍を切るオッズ。
近2走のGⅠ菊花賞、アメリカジョッキークラブカップはいずれもレース上がり34秒台の展開でキレ負けしただけに持ち前の先行力で持続力戦に持ち込みたいところだが、最後まで息が持つかどうか。
今回は展開に恵まれての3着残りまでと見る。

⑥アウトライアーズ(⋯)

中山は昨年の1月以来、約1年8か月ぶりとなるが、3歳春にスプリングステークスで②着した舞台。
前走の小倉記念ではオープン入り後、11戦目にして初めてとなる③着に好走。昨年の小倉記念でも⑥着ながらメールドグラースらを相手に0秒4差。

良馬場で上がりが35秒以上は掛かる前崩れの展開が理想なだけに別定戦でメンバーが揃う今回は厳しいか。

⑦ステイフーリッシュ(☆)

3歳時以来となる⑩⑤⑪着と実績の無かった2400mを超える距離があって、冬場の時計が掛かる非根幹中距離が最大の狙い目と考えて苦戦を予想していた前走の目黒記念。トップハンデの57.5kgを背負って0秒2差の③着に好走したことには驚いた。

本レースにも出走する同じステイゴールド産駒の①クレッシェンドラヴが重賞を初めて勝ったのは5歳秋。この夏の充電で矢作調教師の「馬体が変わってきた」との話もあって覚醒を迎えた可能性はある。

もともと中山コースは【0.2.1.0】、2200mの距離も【1.2.1.0】といずれも複勝率100%の得意条件。
今冬のアメリカジョッキークラブカップではブラストワンピースから0秒2差に粘り、③ミッキースワローに先着する②着。

中8週~11週の間隔では【1.1.1.0】だが、今回と同じ4か月の休み明けだった神戸新聞杯ではキレ負けもあって0秒8差⑤着。馬体の変化により手探りの調整となっているだけに状態の確認は必須になるが、例年の高速馬場よりは時計が掛かる今の中山の方が向いていることは間違いないし、テン乗りの田辺騎手が途中からハナに立つぐらいの強気な競馬を意識すれば、京都新聞杯以来となる重賞制覇があっても。

⑧カレンブーケドール(◎)

昨年はオークス、秋華賞で②着に好走して牝馬の世代トップクラスの実力を示し、続く初めての古馬との対戦となったジャパンカップでも②着に激走。

最高峰の舞台での好走で一躍現役トップホースの仲間入りを果たしたことにより、今年は京都記念②着をステップにドバイシーマクラシックを目指したが、現地到着後に新型コロナウイルスの影響によるレースが中止になってしまうアクシデント。

空輸での往復により細くなった馬体回復のために復帰が延びて約7か月ぶりの復帰戦で、先の大舞台を見据えた「休み明け」といった完調手前でありそうだが、どんな状況、環境でも頑張るところが持ち味。

道悪にしても近3走すべてで②着に好走しているものの、本質的には道悪自体は歓迎しないタイプだが、上がりが掛かるタフな競馬でも頑張れるため、馬場の悪化は歓迎材料になっている。
レース上がりが35秒を超えるレースでは前述のGⅠ3連対を含めて【1.3.0.0】。
一方で34秒台以下のレースではGⅢ紫苑ステークス③着やキャリア唯一の着外であるクイーンカップ④着。例年より時計が掛かっている中山は合うはず。

鞍上の津村騎手は、中止となったドバイシーマクラシックはマーフィー騎手への乗り替わりで一旦は主戦を降ろされており、結果的に最愛のパートナーに騎乗するチャンスを得ることになった格好。
陣営としてはスイートピーステークス以降、なかなか勝ち切れない津村騎手を打破するために他の有力騎手への乗り替わりも考えたはずで、津村騎手の立場では単なる復帰戦ではなく、次のGⅠへの継続騎乗に向けて是が非でも結果が欲しいところ。

⑨オウケンムーン(⋯)

⑤ジェネラーレウーノが勝ったセントライト記念ではメンバー最速タイの上がりで追い込んだものの0秒7差の⑤着。トニービンを持つオウケンブルースリ産駒で母父がエリシオなら今の時計の懸かる中山は合いそうだが、2年前の菊花賞以来となるレース。
さすがに厳しいだろう。

【結論】
複勝 ⑦ステイフーリッシュ

⑧カレンブーケドールにしても、⑦ステイフーリッシュにしても勝ち切るまでのイメージが沸かず複勝で。

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