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フローラステークス 2021【予想】

フローラステークス 過去

オークスへの出走権を懸けた牝馬限定戦としては初となる2000m重賞。桜花賞への出走が叶わず路線変更した馬より、最初からオークスを視野に入れていた馬の方が期待値が高く、好走馬のほとんどが前走で1800m以上の距離を使われていた。

前走1800m以上【4.4.4.50】複勝率 19.4%
前走1600m以下【1.1.1.21】複勝率 12.5%

馬場は8レースの新緑賞でレコードが記録され、未勝利戦でも1分33秒1、3勝クラスの晩春ステークスでは1分19秒8と高速馬場と見て良さそう。

開幕週とはいえ3歳牝馬にとって東京2000mを逃げ切ることは簡単ではなく、上がり最速馬が【4.0.1.2】  勝率 57.1%、単勝回収率 747%、複勝回収率 250%と好成績を挙げていることから、メンバー上位の上がりを使えそうな馬を狙いたい。


①ウインアグライア(○)

1000m通過62秒9→レース上がり34秒3のスローペースを33秒8の上がりで良血ブエナベントゥーラの追撃を抑えた昨春のデビュー戦から、稍重でレース上がりが36秒0とタフなレースとなったコスモス賞を好位の3番手から押し切って無傷の2連勝。

続くアルテミスステークスが6着、阪神ジュベナイルフィリーズで13着と敗れたが、東京1600mの新馬戦を勝ったとはいえ、1600mは本馬にとっては短い。

2000mに距離を延ばした前走の若駒ステークスは重馬場に加えて中京2000mとタフな条件でレース上がりも37秒と掛かった中で牡馬6頭を相手に先行押し切り。
血統・鞍上と地味だからか7番人気の低評価となっているが、イメージが昨年のウインマリリンと重なって穴馬としての期待も持てる。

②グローリアスサルム(⋯)

ディオスバリエンテとボーデンの一騎打ちが話題となった昨冬の新馬戦では牝馬では再先着となる5着。
年明けの次走はさらに距離を延ばされてタフな中山2200mが舞台。スタートで隣の馬にぶつけられて後方からの競馬になったが、最速上がりで差し切り勝ち。

連勝を狙った前々走のフリージア賞は前が残る展開に泣いて0秒4差の4着。メンバー2位の上がりながら少し脚を余した印象もあった。
デビューから牡馬相手に1800m→2200m→2000mと長めの距離を使われており、上がり3Fの自己ベストが34秒7ならスタミナ型なのだろう。

重賞初挑戦となった前走のフラワーカップは後方から脚を伸ばしたが、メンバー中4位では差を詰めるまでには至らず0秒6差の8着。
勝ち上がった時の2着ソーヴァリアントは後に弥生賞で0秒5差の4着に健闘しており、中山2200mで牡馬を相手に差し切り勝ちは相当タフな印象。

スタミナタイプで2000mへの距離延長となるが、高速馬場の東京が舞台となるとスピード不足が懸念されるだけに今回は様子見とする。

③ユーバーレーベン(☆)

デビュー戦は不良馬場の東京1800m。出遅れながら徐々にポジションを上げて4角では4番手、直線でもジリジリと脚を伸ばして勝ち切った。
続く札幌2歳ステークスでも出遅れて最後方を追走する形になったが、中盤から一気に動いて3角で5番手まで押し上げて4角では先頭集団の外。
好位から運んだソダシこそ最後まで捕らえることは出来なかったが、2着は確保してみせた。

デビューからの2戦はいずれも高いレベルの持久力を見せていただけにキレ負けを心配した初マイルのアルテミスステークスは、道中では無駄に位置取りを下げてしまいほぼ最後方からの直線勝負に。
その直線でも行き場を探しながらの苦しい競馬になったことで9着に敗れたが、メンバー中3位となる33秒7の上がりを記録して力があることは示した。

前々走の阪神ジュベナイルフィリーズはペースも流れやすくなるだけに厳しいように思えたが、実際にほぼ最後方からの競馬になりながらも、自己ベストを更新するメンバー最速33秒6の上がりでハナ+クビ差の3着まで追い詰めた。

GⅠで結果が出たことで桜花賞への迷いが出てもおかしくない中、最大目標であるオークスへの出走を確定させるために今春の始動戦はフラワーカップ。
後半の持続力戦になりやすい中山1800mは本馬にとってはうってつけの舞台だったが、外をぶん回す工夫のない騎乗でそのロスが響いて3着に敗れた。

もともと昨秋は約2か月ぶりだった始動戦のアルテミスステークスが重めだったように、オークスから逆算して考えれば差し損ねは陣営にとっても想定内だったはずで上昇は間違いない。
本質的には力の要る馬場が得意な中距離馬との印象は変わっておらず、スタミナと持久力に1600mでもソダシやサトノレイナスと接戦に持ち込んだスピードも兼ね備えているが、高速馬場の東京2000m。
本馬のテンの速さにデムーロ騎手なら後方からの競馬になる確率は高く、再度の差し損ねは考えておく。

④レッジャードロ(⋯)

デビュー戦は中山1600mを後方から33秒9の最速上がりで差し切ったが、その後はクイーンカップが1秒7差の16着、アネモネステークスが0秒9差の6着に敗れて1勝クラスが1秒差の9着と厳しい結果の連続。

デビューから跨り続けていた藤田菜騎手を降ろしてベテランの柴田善騎手で勝負に出るが、騎手の腕だけでどうにかなるようには思えない。

⑤スノークォーツ(⋯)

日経新春杯を勝ったカポーティスターの半妹で、東京2000mを使われた昨秋のデビュー戦は1000m通過が65秒4の超スローペース。
直線で進路の確保に手間取りながらもメンバー2位となる33秒3の上がりで抜け出して勝ち上がり。

ソエが長引いて約5か月半ぶりの一戦が初の重賞。それも「何とか間に合わせた」という印象で、キャリア1戦であることも含めて今回は様子見としたい。

⑥ルース(⋯)

新潟1600mを使われた新馬戦は不良馬場も厳しく8着に大敗したが、2戦目では同様の重馬場でも池添騎手が外目のまだマシなところを走らせたこともあって同着での勝ち上がり。
続くサフラン賞は初めての良馬場。サトノレイナスやテンハッピーローズの決め手にこそ屈したが、好位から渋太く脚を伸ばして0秒3差の3着。

つわぶき賞では初の1400mに追走で手一杯となって0秒7差の5着、初の重賞挑戦となったシンザン記念は距離こそ1F延びたが、1000m通過58秒1はさらに速いペースで0秒9差の9着に敗れた。
セントポーリア賞はさらに距離を延ばしたこともあって、追走にこそ苦労することはなかったが、レース上がり33秒9の瞬発力戦にキレ負けする格好で1秒2差の4着。自身の上がりは34秒7だった。

どのレースも敗因はあるものの、今のところ左回りでの走りに良い印象はなく、勝ち馬との着差は0秒7が最小となる【0.0.0.4】と結果も残せていない。
上がり3Fの自己ベストが34秒1と決め手にも欠ける印象で、現状では右回りのスローペースで好位から立ち回りの巧さを活かして粘り込む形がベスト。

前々走のデイジー賞はそれがすべてハマった印象で、その再現を期待されて同条件のフラワーカップに挑戦したが、スタートで出遅れて終戦。
開幕週の東京2000m替わりは前述の通り、プラスに働くとは思えず、今回は厳しいレースになりそう。

⑦メイサウザンアワー(◎)

福島1800mでのデビュー戦は1000m通過64秒5の超スローペースで逃げたオレンジフィズの逃げ切りを許してしまったが、約2か月後の中山1800mで稍重馬場を苦にすることなくメンバー最速タイの上がりで2馬身差をつけて完勝。

さらに2か月後の赤松賞ではアカイトリノムスメの豪脚に屈して2着に敗れたが、同馬は後にクイーンカップを勝って、桜花賞でも好走する馬。
初の1600m戦でメンバー2位タイの上がりを使って、最後まで粘ったことは評価したい。

年明けの復帰を目標にしながら一頓挫あって、結果的に赤松賞以来となる約5か月ぶりの一戦が初の重賞と条件は楽ではないが、1600mでも先行できるスタートセンスにノーザンファーム天栄で鍛えられた成長力を考えれば7番人気は妙味を感じる。

昨春の東京開催で【5.4.2.16】複勝率 40.7% と大暴れしたノヴェリスト産駒。穴でアタマまで期待したい。

⑧オヌール(▲)

一つ上の全姉デゼルはデビューが3月と遅く、強行軍でのオークス挑戦を余儀なくされたが、本馬は秋のデビュー戦を快勝すると余裕を持って春まで休養。

約4か月の充電期間を経て挑んだ前走のアルメリア賞は1000m通過 64秒3 → レース上がりが 33秒1 という超スローペースを好位3番手から32秒7の上がりで抜け出して無傷の2連勝。

全姉デゼルを先日の阪神牝馬ステークスで初の重賞勝利に導いた川田騎手に乗り替わっての一戦になるが、好位から運べるセンスの良さがあるだけに、好位から抜け出して押し切るレースが得意な川田騎手とは手が合いそう。

もともと418kgでデビューした小柄な牝馬で、前走でさらに6kg減っていただけに初の関東への長距離遠征で馬体の維持とテンションがカギになるが、それらをクリアすれば3連勝での重賞制覇があっても良い。

⑨パープルレディー(⋯)

4角で不利があった新馬戦、次位より0秒4速い33秒6の最速上がりを使いながらも4角を3番手以内で回った2頭にアタマ+アタマ差届かずと惜敗が続いて、勝ち上がるまでに3戦を要したが、約2か月後の2400mに距離を延ばした ゆりかもめ賞で9頭の牡馬をなぎ倒しての連勝で2勝目を飾った。

1600mで活躍している全兄ミッキーグローリー、カツジと異なるスラッとした体型から一貫して長めの距離を使われて当初からオークスが最大目標。
前走は牡馬の間を割って抜け出す勝負根性も見せて、厳しいレースを経験できたアドバンテージを武器にオークスへの切符を狙うが、逆に2000mの高速馬場で差し切れるかとなるとそう簡単ではなさそうで、鞍上の田辺騎手も先行策と比較して差す競馬では信頼度が落ちるだけに、勝ち切るまではないと見る。

⑩ララサンスフル(⋯)

東京1600mで迎えたデビュー戦は1000m通過62秒7のスローペースに行った行ったの競馬でメンバー2位の上がりを使いながらキレ負けした格好で0秒2差の4着に敗れたが、2000mへ距離を延ばした前走では好位のインを上手く立ち回って直線で逃げたタカラネイビーを競り落として勝ち上がり。

初の重賞挑戦でオークスへの出走権を狙うが、前走は開幕週の高速馬場で前有利の中を好位から運んで立ち回りの巧さが光ったレース。
13番人気と穴馬としてそそられるが、未勝利を勝った直後のキャリア2戦での重賞挑戦となるとどうか。

管理する大竹調教師も「右回りの方がいいかも」とコメントしており、今回は様子見とする。

⑪スノーハレーション(⋯)

秋の天皇賞や大阪杯で2着に好走したステファノスの全妹でノーザンファーム生産の良血馬。
まだ馬体に実が入っておらず、前走でも410kgと小柄な牝馬で不良馬場で1600mの新馬戦は5着、2000mに距離を延ばした2戦目も5着と、追ってから案外な競馬が続いたことで休養。

約3か月の充電期間を経ての前走は無理せず中団から運んでハナ差の接戦を制して勝ち上がり。
重賞初挑戦になるが、前走のレース前にも管理する金成調教師は「まだ時間がかかりそう」とパワーアップを望むコメントを出していたように、現状では恐らくパンチ不足で伸び負けしてしまうように思う。

⑫スライリー(⋯)

赤松賞はフレグモーネでアルテミスステークスを回避した影響があったかも知れないが、それでもメンバー中6位となる上がり34秒9での7着は物足りなく、前々走の菜の花賞は1000m通過61秒3のスローペースを中団から勝負処で動いて抜け出しての勝利。

最後の脚色は2〜3着馬の方が際立ったように映り、上がり3Fはメンバー中5位。
前走のクイーンカップは中団から伸び負けての10着大敗と現状では決め手に欠ける印象が強い。

1800mのデビュー戦を勝ち、牡馬相手の札幌2歳ステークスに挑戦(14着)した距離経験は評価しても、距離が2000mに延びることでパフォーマンスが上昇しそうな予感もなく、単に決め手不足と見ており、ここでも厳しいレースになりそうに映る。

⑬ジェニーアムレット(⋯)

2018年のセレクトセールで1億円を超える金額で取引されたディープインパクト産駒の期待馬で、昨秋のデビュー戦は今回と同じ東京2000mを1000m通過65秒4のスローペースで逃げるもキレ負けする格好で2着。

3か月後の2戦目はさらに距離を延ばしてオークスと同じ東京2400m。向正面でマクってきた馬に先頭を奪われる難しい展開にも、直線に向いて先頭を奪い返すとそのまま押し切って4馬身差の圧勝。
牡馬も11頭いた中でも最後は遊ぶ余裕もあったようでスタミナはナンバーワンかも知れない。

9番人気の低評価で期待もあるが、未勝利を勝ち上がった直後のキャリア2戦目での重賞初挑戦で、鞍上が三浦騎手なら今回は様子見とする。

⑭オメガロマンス(△)

ヌーヴォレコルトの全妹で、中山1600mの新馬戦は後方からメンバー最速33秒5の上がりで差し切り勝ち。
じっくり間隔を空けて臨んだ前走のミモザ賞は重馬場が響いて最後は鞍上も追うのを諦める6着に大敗。

新馬戦の勝ち時計は同日に行われた菜の花賞よりも遅く、ミモザ賞も勝負処からムチが入ったほどで少々だらし無さすぎた印象は確かにあるが、
右にモタれる面があることから左回りの東京2000mへの舞台替わり、高速馬場が大きくパフォーマンスを上げる要因になる可能性は否定できず、鞍上は先週の皐月賞でGⅠ初制覇を果たした絶好調の横山武騎手。
10番人気なら押さえておきたい。

⑮クールキャット(⋯)

トリオンフの半妹で、東京1400mのデビュー戦は中団から直線は前がすんなり開いたこともあってアッサリ抜け出して2馬身差の完勝。
ソエの影響で予定していたクローバー賞を自重して、次走はGⅢアルテミスステークス。中団からジリジリと脚を伸ばして0秒6差の5着に敗れたが、ゴールを過ぎてからも伸びていたようでスローペースの瞬発力戦に泣いた格好ともいえる敗戦だったかも知れない。

賞金加算に向けて相手関係を考えて選んだと思われる前々走のフェアリーステークスは、ペースが遅いと判断した津村騎手が後方から一気に先頭に立つ勝負手が結果的に裏目に出て10着に大敗。
クラシック出走に黄信号が灯っていよいよ賞金加算の必要性が強く迫ってきた中で横山典騎手にスイッチした前走のフラワーカップだったが、後方から大外をぶん回して終戦。メンバー最速35秒0の上がりを使いながらもロスが響いて0秒3差の5着に敗れた。

新馬戦で並ばせさえしなかった当時の2着ソングラインはその後に未勝利→紅梅ステークスを連勝とここで通用する能力はあるはずで、コーナーで走りが窮屈になるだけに広い東京コース替わりも確実にプラス。

鞍上にルメール騎手を配して今度こそ背水の陣だが、そのルメール騎手は先週まで重賞15連敗中で、昨日は全て5番人気以内の馬に騎乗して【1.1.3.4】と決して乗れているとはいえない。
5番人気なら思い切ってバッサリ切る手も。

⑯アンフィニドール(⋯)

既走馬相手のデビュー戦となった舞台は阪神1800m。二の脚がつかずに後方からの競馬になったが、最内を押し上げて中団までポジションを上げて直線を迎えると、外に持ち出してから一気に加速。
外から先に抜け出したスズカトップバゴとの接戦を制して見事に初陣を飾った。

上がり3F 33秒4はメンバー2位の数字で、2着スズカトップバゴ、3着タガノパッションはいずれも次走で未勝利を卒業しており、メンバーレベルも水準以上にありそうで、モーリス産駒ながら33秒台前半の上がりを叩き出したことで初年度産駒となる現3歳世代の代表馬となりそうな器も感じたデビュー戦で、モーリス産駒は東京芝2000mで【2.4.0.1】複勝率85.7%

ただ、2012年の函館2歳ステークス以来となる約8年9か月ぶりのJRA重賞勝利に挑む川島騎手は今週の騎乗がこの一戦のみで馬場が読めないハンデは楽ではないはずで、伯母のデニムアンドルビーも2月デビューながら本レースを1番人気に応えて勝利したが、未勝利戦卒業までに3戦のキャリアを積んでの参戦だった。

将来性は評価するが、4番人気も過剰に映って妙味の薄い今回は様子見とする。

⑱エトワールマタン(⋯)

まだ準備段階でのデビュー戦は9着に終わったが、5か月の充電期間で20kg増やしての2戦目は後方から外々を回る大味な競馬ながら0秒3差の3着。
3戦目となった中山2000mに距離を延ばした前々走で中団から差し切って勝ち上がりを決めた。

重賞初挑戦となった前走のフラワーカップは中団から伸び負ける格好での0秒6差の6着。
2000mの勝利経験はアドバンテージにはなるが、小柄な牝馬で前走で8kg減って馬体の維持に精一杯なようにも映り、今回は様子見とする。

【結論】
本命 ⑦メイサウザンアワー

単複と①③⑦⑧⑭のワイドBOX

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