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七夕賞 2021【予想】

七夕賞 過去

前半に下りが多いことから前傾ラップになりやすく、上がりが掛かりやすいのが福島2000mのラップ傾向。

上がり2位以内馬は過去5年で【4.3.1.2】としているが、2角での通過順が5番手以内だった馬には厳しく、先行勢よりも中盤からスパートをかけられる馬が好走する傾向にある。

雨の影響で気温は気にする必要がなさそうなので、単純に上がりの掛かるロングスパート戦に向いた馬を狙いたい。


①マウントゴールド(⋯)

前走の都大路ステークスは1000m通過61秒3のスローペースではあったが、そこからの持続力戦を58kgを背負っての勝利。8歳での復活勝利に頭は下がるが、前半から流れることを想定する今回は厳しいと見る。

②ロザムール(⋯)

未勝利戦卒業までに7戦を要したが、初勝利を挙げて以降は【3.1.4.2】の戦績でオープン入り。
オープン入りを決めた常総ステークスは1000m通過61秒5のスローペースから長く脚を使っての勝利で、重賞初挑戦となった年明けの中山金杯も1000m通過が62秒0のスローペースから長く脚を使う形で0秒5差の4着に粘ってみせた。

前々走の中山牝馬ステークスでは最後の最後に強襲に遭ってハナ差の2着に敗れたが、スローペースの持続力戦に持ち込めば強さを発揮することを改めて証明。
13着に敗れた前走の福島牝馬ステークスは先手を譲ったことで1000m通過60秒6の本馬には速いペース。

中山金杯で先着を許したヒシイグアスと、ウインイクシードは次走の中山記念でも1・3着に好走しており、先着したテリトーリアルも小倉大賞典を勝利と能力を発揮さえすればここでも上位の存在だが、牝馬は過去5年【0.0.0.6】。2018年ワンブレスアウェイの5着が最高着順で他の5頭は掲示板外に敗れており、タフな福島2000mで同型も少なくない中で牡馬相手の一戦。

芝の道悪は【1.2.2.0】としているが、それでも今回は厳しいレースになりそう。

③ワンダープチュック(△)

4歳春に2勝クラス→3勝クラスと連勝したが、当時はまだ降級制度があったためにオープンクラスには上がれず、それから2年以上に渡って3勝クラスに。

キャリア31戦目となった昨夏の長岡ステークスは出負けしたものの、すぐに2番手までリカバリー。
遅いペースではあったが長く脚を使って勝ち切って、待望のオープン入りを果たした。

約4年ぶりの重賞となった毎日王冠こそ大敗したが、カシオペアステークスでは0秒5差の9着に、前々走のメイステークスは約半年ぶりで16kgも減らしながらメンバー3位タイとなる33秒9の末脚で0秒3差の4着に健闘。

昇級してからオープン特別で善戦しながら、重賞での苦戦が続いているが、スローペースの前残りの競馬や高速馬場と適性から離れたレースでもあった。
コーナー4つのローカル小回りは【0.3.0.0】であり、上がりが掛かるタフなレースが本馬の得意条件。

【3.1.0.3】と得意にしている重・不良が理想で、雨で稍重に悪化した今の馬場もプラス。13番人気なら穴で期待してみたい。

④トーラスジェミニ(☆)

シンガリ18番人気で激走した昨春のエプソムカップに鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた巴賞。
函館記念では1000m通過が58秒8の速いラップから11.8 - 12.0 - 12.1 - 12.4 - 12.6 と減速していく消耗戦のラップを差し馬がワンツー決着する中で4着。

その後もリステッド競走で2勝を挙げながら、重賞での6戦は全て掲示板外に凡走を続けていたが、前走の安田記念では番手から渋太く粘って0秒4差の5着。
強豪が揃ったGⅠで会心の走りを見せた。

前々走のダービー卿チャレンジトロフィーではハナを奪えず6着に敗戦しており、プレッシャーを受けずにマイペースで運べると渋太いタイプだったはずだが、前走からコースでも追えるようになったことでの地力強化があったのかも知れない。

57kg以上のハンデを課された馬は福島で開催された近9年で【6.4.1.21】としており、前走で勝ち馬から0.5秒差以内に善戦していれば【4.3.1.4】。
1800mがベストで、2000mの距離に不安はあるが、安田記念後に戸崎騎手が「七夕賞に行くなら是非」と逆オファーしたようで可能性はゼロではなさそう。

2番人気は明らかに過剰ではあるが、戸崎騎手を信頼して残すことにする。

⑤ブラックマジック(○)

ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒で、昨秋の復帰から2着→1着→3着→1着でオープンへの昇級を果たした。
重賞初挑戦となった前走のダイヤモンドステークスは押し出されるようにハナに立たされ、3400mの距離に集中力が続かずに11着に大敗。

オープン入りを決めた前々走の迎春ステークスにしても、1000m通過が65秒6のスローペースに折り合いを欠いて途中からハナに立つ形。2000mへの距離短縮は間違いなくプラス材料で、その迎春ステークスは2着ウインキートス、3着デゼルが後に重賞を勝っているハイレベルなメンバーが集まっていたレース。

穴で期待していただけに3番人気は残念だが、好走はそう難しくないように思う。

⑥ショウナンバルディ(⋯)

格上挑戦での初の重賞挑戦となった昨夏の小倉記念は1000m通過58秒1で流れて1分57秒台で決着するタフなペースもあってか0秒7差と力負けの7着。

自己条件に戻った関ヶ原ステークスを2番手から抜け出してオープン入りを決めると、2戦2勝の中京で重賞再挑戦。その中日新聞杯は小倉記念より1kgハンデが重くなったが、好位のインを巧く立ち回って0秒3差の4着に健闘。1000m通過61秒5の落ち着いたペースがハマったのだろう。

同様に前半スローペースで流れた年明けの中山金杯はスタートで外にヨレて位置取りが後ろになった上に、勝負処でごちゃつく不利。せっかく内枠を引きながら中団からなだれ込むだけの13着に終わった。

約1年ぶりの1800m戦となった小倉大賞典は15着に大敗を喫したが、前半ゆったり流れて欲しい本馬にとって小倉の1800mは明らかに不向きであり、外めの枠も厳しかった。
逃げてシンガリ16着に大敗した福島民報杯を挟んで迎えた前々走の都大路ステークスは果敢にハナを奪うと1000m通過が61秒3の超スローペースで自身の得意な流れに持っていって3着に好走。

前走の鳴尾記念では番手に控える形で2着を確保。
勝ったユニコーンライオンが次走の宝塚記念で2着に好走したことから、本馬にも重賞初制覇の期待が懸かるが、内容は直線に入って突き放されて3馬身半差をつけられる完敗。
1000m通過が62秒9のスローペースが味方した印象は強く、【2.2.2.2】の阪神でも多く好走しているように右回りに不安はないが、自身の得意とする前半が緩く流れるペースが見込めない今回は厳しいように思う。

⑦カウディーリョ(⋯)

オープンクラスではこれまで【0.0.0.6】と大きな壁となっているようだが、昨夏の函館記念は7着とはいえ直線での進路探しにモタついた面もある中で0秒5差と数字ほど悪くはない。

メトロポリタンステークスでは重賞常連馬を相手に、0秒1差の競馬をしており、展開や馬場の恩恵があれば重賞での好走も不可能ではないように思うが、昨夏の函館記念と同じハンデ55kgに目標としていた来週の函館記念が除外濃厚になったことで前倒しでの参戦。

1年を経てのパワーアップを期待するにしても、少々難しいように思う。

⑧アールスター(◎)

気難しさから3勝クラスで足踏みする中、格上挑戦で臨んだ昨夏の小倉記念。53kgの軽ハンデと開幕週の絶好馬場でガラ空きになった内ラチ沿いを突けた幸運もあったが、持ち時計を約2秒も短縮する1分57秒5の好時計で鮮やかな勝利。

続く新潟記念は14着に敗れたが、小倉遠征から中1週での新潟遠征という強行軍に3kg増えたハンデ56kg、さらに自己最速タイとなる33秒7の速い上がりを要求される展開も厳しかった。
昨秋のアルゼンチン共和国杯も初となる2400m以上の距離に瞬発力戦となって8着に敗れ、前走の日経賞も後方から伸びを欠いたように2500mは長い。

年明けの中山金杯と小倉大賞典は上がりの掛かる展開で5着→4着と善戦しており、上がりの掛かる小回りの中距離戦はベスト。道悪適性は掴み切れていないが、9番人気なら穴で期待したい。

⑨クレッシェンドラヴ(⋯)

福島で重賞2勝を挙げる福島巧者で、昨秋の始動戦オールカマーは得意とする道悪ではあったが伸び負けて0秒3差の4着に敗戦。
実績のある中9週以上のローテーションであったが、GⅠ・GⅡ常連馬の壁は高かった。

悲願のGⅠ初挑戦となった続くジャパンカップは13着に大敗。アーモンドアイとほぼ同じ位置で運びながら最後の3Fで2秒3も突き放される圧倒的な力の差を見せつけられる厳しい結果に終わり、暮れの有馬記念では得意の中山コースに時計の掛かるタフな馬場と条件は大きく好転したものの8着まで。

勝ったクロノジェネシスには0秒8差離されたが、5着ワールドプレミアやカレンブーケドールとは0秒2差は大健闘といえる内容だろう。
その有馬記念以来となる約3か月半ぶりの一戦で初の関西遠征となった前走の大阪杯は得意とする道悪にも恵まれたかに思えたが、11着に大敗。

コース形態の似ている中山は【4.1.1.7】として巧者に見られるが、重賞に限れば⑧⑤⑦④⑧着とイメージほど得意としている訳ではなく、【3.3.1.1】としている起伏の小さなローカルこそベストで、福島に限れば【2.3.0.0】とヴァンケドミンゴ以上の巧者ぶり。

GⅠでは厳しい結果が続いた中、最も得意とする福島で連覇を狙うが、7歳以上馬は過去10年まで遡っても【1.1.1.40】と簡単ではなく、GⅠの3連敗に年齢による衰えがないことまで否定できないと見ている。

割れた人気とはいえ、トップハンデの58kgを乗り越えての連覇となると厳しいように思う。
1番人気なら思い切ってバッサリ切る。

⑩クラージュゲリエ(⋯)

2年前の皐月賞ではサートゥルナーリアから0秒6差の5着に健闘すると、日本ダービーでも0秒6差の6着。

復帰戦としていた昨年の京都記念を右前挫跖でレース直前に出走を取り消してから、蹄の不安で秋まで休養が長引いたが、実質約1年5か月ぶりのレースとなったカシオペアステークス(10着)を叩かれると、3週後のアンドロメダステークスではアドマイヤビルゴからクビ差の2着に好走。

今年初戦の日経新春杯では最後の100mで甘くなりながらも、0秒3差の3着に好走。
重賞初勝利も期待された前々走の中山記念は3角から忙しくなってしまい全く伸びず9着大敗を喫したが、レコードタイ決着の1800m戦は本馬には厳しかったのかも知れない。

前走の鳴尾記念でも1秒離された7着に大敗したが、約3か月の休養明けで重かった印象で、ズブい面のある本馬に瞬発力戦も厳しかった。
前走でのチークピーシーズ着用から今回はブリンカー着用で集中力の向上を図る叩き2戦目。
8番人気まで評価を落としている今回は狙ってみてもいいかも知れない。

⑪スカーフェイス(⋯)

昨年から左回りを中心にしたローテーションを組まれているが、左回りはこれまで【0.0.0.7】。
右回りに限れば【3.2.0.2】、2度の着外もいずれも4着と右回りではまだ底を見せていないともとれる。

右回りのハンデ重賞とあってか、果敢に格上挑戦での参戦となるが、2000mの距離に不安もあり、52kgのハンデでも好走まではどうか。人気薄ならまだしも、5番人気なら思い切ってバッサリ切る。

⑫ツーエムアロンソ(⋯)

中央に戻って1勝クラスを卒業後、芝に替わった淡路特別をメンバー2位の上がりで2馬身半差の快勝。

続く御堂筋ステークスでも2着に好走して3勝クラスにもメドを立てたが、フレグモーネで休ませてから急な不振に陥り、掲示板外に敗れる凡走が4戦続いたが、年明けの寿ステークスでは中団から差し切る復活。

昇級初戦となった前走の関門橋ステークスは好位から早めに動くも0秒8差の7着に敗れており、久しぶりの勝利を挙げた寿ステークスと同じ中京2000mが舞台の前走、都大路ステークスでも11着大敗を喫しており、オープン昇級後の4戦は厳しい結果が続いている。

好走が1月~3月に集中しており、ただ単に寒い時季が合うのかも知れない。今回は厳しいように思う。

⑬プレシャスブルー(△)

オープン入りするまでに29戦も要したが、本馬を除く掲示板に載った4頭の4角通過順が④①⑥⑥番手だった昨年の新潟大賞典は4角10番手で外から最速上がりで追い込む3着に好走。

重賞初勝利も期待されたが、函館記念は20kg馬体を減らして、続く新潟記念ではさらに4kg減。
本調子でなかったことは間違いなく、夏の暑さに弱いタイプだったのかも知れない。

立て直しを図って約7か月ぶりの実戦だった前々走の福島民報杯では、スロー映像に見えるほどの不良馬場で勝ち馬にこそ大差をつけられたが、2着は確保。
前走のエプソムカップは外を回らされる展開になった上に高速馬場。13着大敗も適性外だけに度外視。

昨年の新潟大賞典を含めた過去12度の3着以内好走の内、9度が中4週以内の詰まったローテーション。
福島と中山で5度の連対があり、福島2000mの条件も悪くなく、15番人気なら大穴で期待したい。

⑭ワーケア(⋯)

2歳時はデビューから無傷の2連勝を飾り、続く暮れのGⅠホープフルステークスで3着に好走。
翌年は弥生賞で2着に好走して皐月賞の優先出走権を確保しながらパスして日本ダービーに挑んだものの、最後に伸びを欠いて1秒差の8着に敗れた。

秋への始動戦として王道のセントライト記念が候補に挙がっていたものの、ルメール騎手が2歳の頃から『左回りの方がいい』と話していたこともあって古馬相手の新潟記念を選んだが、53kgのハンデでも直線伸びを欠いて0秒7差の10着に敗れると、1600m戦の富士ステークスでも0秒9差の8着。

レース後に「トップコンディションではなかった」と騎乗したルメール騎手が話していたように、今回は約8か月ぶりのレースになるが、この中間で骨膜を除去する手術を敢行。

そのルメール騎手がデビューから7戦以上にわたって手綱を取り続けた馬は数える程しかいない。
ラボーナのように条件戦止まりの馬もいるが、ソウルスターリングや、サトノダイヤモンド、レイデオロ、タワーオブロンドン、メジャーエンブレムと錚々たるGⅠ馬の名前も並ぶ。
管理する手塚調教師も「いずれは厩舎の看板馬に」と強い期待を寄せており、高い能力を秘めていることは間違いない。

ただ、今回はその手塚調教師も「少し重いかも」と長期休養明けの初戦で、鞍上も田辺騎手に乗り替わり。右回りの2000mは関屋記念に向けての叩き台に映り、ハーツクライ産駒の低迷期にあるような印象も拭えていない。6番人気なら今回も思い切ってバッサリ。

稍重〜重での成績【2.1.0.0】に対して、良馬場では【0.0.1.3】と道悪巧者に映るが、道悪で挙げた2勝はデビューから2戦のもの。33秒台前半の速い上がりを使って勝ったように発表ほど悪くはなかった。

⑮トラストケンシン(⋯)

格上挑戦だった2019年のアルゼンチン共和国杯では53kgのハンデも活かし、後方からメンバー2位タイの上がりで0秒3差の5着まで追い込む健闘を見せたが、それ以前も含めて3勝クラスで11戦してまだオープンクラスへの昇級は果たせていない。

格上挑戦で今回と同じ52kgのハンデとなった前走の目黒記念では、4角ほぼ最後方からメンバー3位タイの上がりで追い込んで1秒2差の9着。
前々走の美浦ステークスでも最速上がりで追い込んでいるが、いつも後方から届かない競馬。

今回は【0.0.2.6】とこれまでに連対のない右回りでのレース。52kgでも厳しいレースになりそう。

⑯ヴァンケドミンゴ(▲)

最も得意としている福島の重賞、福島記念に向けての叩き台と思われた京都でのカシオペアステークスでも最速上がりで追い込んで3着に好走。
本番の福島記念も勝ったバイオスパークに騎乗していた池添騎手に上手く乗られてクビ差遅れをとったが、2着は確保して福島巧者としての面目は保った。

福島コース【4.1.1.0】に対して、その他のコースでは【0.1.2.13】と現役屈指の福島巧者で福島記念以降は凡走が続いているが、福島コースを得意にしている理由についてはコース形態だけでなく開催される時季も影響している気がしており、年明けの中山金杯11着に小倉大賞典での9着連敗は【0.0.0.4】と厳しい結果が続いている12月~2月の厳寒期。
4月~11月の直線平坦コースでの成績は【4.1.2.5】。

新潟での代替開催となった前走の福島民報杯での13着大敗は不良発表の極悪馬場もあったかも知れないが、あくまで大本命のここへの叩き台でもあったはず。
3着に好走した昨年はクレッシェンドラヴから3kgのハンデ差をもらいながら0秒3差。
今年はハンデ差が2kgに詰まるが、相手は加齢による下降も懸念される7歳で、本馬はこれから充実期を迎える5歳馬。56kgのハンデで大外枠は正直厳しいが、福島巧者として外せない。

【結論】
本命 ⑧アールスター

単勝とワイドBOX:③④⑤⑧⑬⑯

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