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日本ダービー 2020【予想】

ダービー 過去

世代ナンバーワンを決める舞台に相応しくあるべく、馬場の育成管理技術の向上に加えて、Bコースから2週でCコースに替わることで絶好の馬場状態で行われる。
馬場の高速化もあって、以前のような直線一気が決まることは難しくなり、上がり最速での戴冠は7年前のキズナまで遡ることになる。
過去5年の連対馬10頭中、メンバー3位以内の上がりを使った馬は3頭と半分以下であり、
4角6番手以下【2.2.4.52】に対して、
4角5番手以内【3.3.1.23】。
この3着内7頭がここ3年に集中している。

今年も2勝クラスで2分24秒6が記録される高速馬場で先行有利。ある程度の位置は取れる馬を狙いたい。
皐月賞から400m延びる距離延長への対応うんぬんが取り沙汰されるが、好走馬の面々を見ればほとんどが中距離馬。同世代相手のここでは気にする必要はない。

①サトノインプレッサ

内枠の先行馬が有利で、外枠の差し馬にはチャンスがなく鞍上の武豊騎手も諦めた前走のNHKマイルカップは度外視できるもの。
この距離ならある程度のポジションは取れそうだが、最内枠ともなると先行有利の今の馬場で出遅れ癖は大きなマイナス。結局のところ外に持ち出しての差す競馬になりそうで難しいレースになりそう。

②アルジャンナ

昨秋の東京スポーツ杯2歳ステークスでの⑤コントレイルの②着が評価されて人気を背負い続けてきたが、当時の着差は5馬身差の完敗。
ここ2戦の連敗を時計の掛かる馬場に求めるなら、デビューからの2戦を連続して33秒6の上がりを記録した高速馬場替わりはプラスだろう。

ここまでの4戦で着外は1度もなく、昨年のダービージョッキー浜中騎手を背に、ダービーでは有利とされる1枠を利して思い切った先行策に活路を見い出せば二桁人気に反発する激走があっていい。

③ワーケア

暮れのGⅠホープフルステークスは⑤コントレイルから0秒5差の③着で、今回は約5か月ぶりの再戦。
前走の弥生賞でも重馬場に対応してみせたが、デビューから33秒台前半のメンバー最速上がりで連勝を飾った東京替わりはプラス。
これまでルメール騎手が手放さなかったことは不気味ではあるが、相手も東京向きであることから逆転での戴冠は容易ではない。

④レクセランス

3戦3勝で挑んだ皐月賞は力の差も感じた11着。東京の高速馬場で前進は期待しづらい。

⑤コントレイル 

福永騎手でもGⅠを楽勝してしまう馬の力に関しては一強と信じて疑っていないし、負けるなら道悪での最内枠となってしまった皐月賞だと思っていたが、やはり馬の力が抜けていた。
東京スポ杯2歳ステークスで驚異のレコードを叩き出した東京コース替わりで、皐月賞以上の走りが期待できるし、距離も同世代相手ではなんら問題ない。

⑥ヴェルトライゼンデ

急坂小回り向きの印象で、これまでの上がり3Fの自己ベストは超がつくスローペースだった前々走スプリングステークスの34秒2。
高速東京2400m替わりがプラスに働くとは思えない。

⑦ブラックホール

これまで挙げた2勝は洋芝でレース上がりが36秒0、37秒3とタフな競馬でのもの。
直線スピードを争うここでは厳しいだろう。

⑧ビターエンダー

中山が④⑭着に対して東京は③①②①着。前走のプリンシパルステークス、勝ち時計の1分59秒8は高速馬場を思えば特筆できるものではないが、後半5Fを3番手から 12.5 - 11.9 - 11.0 - 10.9 - 11.9 = 58秒2 のラップを押し切った内容は好感が持てる。
ハナにこだわるタイプではなく、自然と絶好のポジションを取れそうで二桁人気での激走は十分にある。

⑨ダーリントンホール

Sadler's Wells 系の New Approach 産駒から道悪専用に思えるが、調教師自らが酷い状態だったと反省した昨冬の葉牡丹賞な1分59秒1の時計で③着。
対応できないわけではなくとも上がり勝負では分が悪いだけに早めに動くデムーロ騎手の判断力次第。

⑩コルテジア

皐月賞はこれまでの先行策が取れなかったが⑦着に健闘。ただ、切れる脚がないだけに道悪は好材料だったはずで力の差もあったか。
前々走のきさらぎ賞ではメンバー2位の上がり33秒9を記録しているが、東京の高速2400mよりは時計が掛かる中山2000mの方がベターに映るし、前走以上となると厳しい注文か。

⑪ガロアクリーク

瞬発力戦専用馬と低評価した前走の皐月賞では持続力戦で③着。さすがに上位2頭とは力の差があったが、キンシャサノキセキ産駒といえども稍重で時計の掛かった皐月賞であれだけ走れるなら、2400mも高速馬場を味方に対応可能だろう。
敗れた2戦は12月~3月上旬の寒い時期。寒さによる体調が結果に影響していたと考えれば、思っている以上に強い馬なのだろう。
東京はデビュー戦で上がり33秒台で勝っており、皐月賞で先着を許した2頭とは差があるものの、その2頭が能力全開といかなければ再度の激走があってもいい。

⑫サリオス

ノーザンファーム外厩スタッフの努力の賜物なのだろう。マイラーにしか見えなかった馬体は中距離馬のそれにも映るようになった。
ただ、500kgを超える雄大な馬体は長めマイラーの印象を完全に拭うには至らず、時計が掛かった稍重の皐月賞であれだけ走れるなら地力の違いで同世代相手の高速2400mは対応可能だろうが、まさかの凡走も十分に考えられる。

⑬ディープボンド

前走の京都新聞杯を含めて軽い馬場は①②①着。時計の掛かる馬場では③⑥⑩着。
上がり3Fの自己ベストが34秒9で、上がりが掛かった方が現状ではベターに映る。
前半が速くなってタフな展開になれば浮上するが、今回は本馬にとって厳しい展開になりそう。

⑭マイラプソディ

昨年の暮れより主戦の武豊騎手が「これからの馬」と話して三強との喧騒を否定していたように、いずれ「覚醒」するハーツクライ産駒であろう。
今はまだ飛躍のための低迷期であり、秋以降に期待したいところ。

⑮サトノフラッグ

重馬場の弥生賞を勝っていることから忘れられがちだが、2戦目の未勝利戦で東京2000mを1分59秒5の2歳レコードで勝っているように高速馬場適性を持っている馬で良馬場で行われることはプラス。
皐月賞の敗因はオーバーワークとするなら舞台替わりによる変わり身は十分にあり得るだろう。皐月賞終了後は本命候補にも考えていたが、乗り替わりでの優勝が1985年のシリウスシンボリまで遡ることと、差し届かない可能性の方が高く感じる。

⑯マンオブスピリット

デビューから4戦、レース上がりはデビューから順に35秒3→35秒2→36秒3→36秒2。自己ベストは34秒6で高速上がりへの適性は未知数。
血統からは前走の京都新聞杯を含めたこれまでのキャリアのように上がりが掛かった方がベターに映る。

⑰ヴァルコス

前走の青葉賞は2分23秒0のレースレコードにクビ差②着。3年前にレースレコードで青葉賞を制したアドミラブルは本番でも大外枠から③着に好走しており、時計だけ走れば勝ち負けレベル。
青葉賞では向正面でポジションを12番手から4番手まで押し上げながら最後まで伸びた内容は時計以上に高く評価できるもの。アドミラブル同様に外枠は大きな不利ではあるが、先々が楽しみな馬。

⑱ウインカーネリアン

稍重でレース上がりが35秒8かかった前走の皐月賞は2番手から粘り通しての4着。怪物2頭には離されたが大健闘と言っていい激走だった。2月のセントポーリア賞ではキレ負けしているが、昨秋の芙蓉ステークスでは少頭数に加えて前が止まらない馬場の恩恵はあったものの高速馬場でオーソリティの②着。

先週のオークスで2着、3着に入ったウイン軍団の3歳牡馬エース。タフな急坂コースでこそのスクリーンヒーロー産駒の印象はオークス②着のウインマリリンにもあったし、1枠なら本命にしたかったぐらい。先行有利の馬場を味方につけての激走があっても驚けない。

【結論】
単勝 ⑤コントレイル

心配な点は昨年のサートゥルナーリアのような間隔が詰まったことによるテンションの高さぐらい。
鞍上の福永騎手共々、落ち着いてさえいれば無敗での二冠はそう難しくはないはず。
1倍台前半では面白くないので、⑧ビターエンダーの複勝で夢も買ってみる。

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