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阪神大賞典 2021【予想】

阪神大賞典 過去

過去5年で好走した15頭のほとんどが4角を4番手以内で通過しており、直線が短いため4角ではある程度の位置にいないと厳しく、コーナーを6度も回るだけに小回り適性や機動力も重要なマラソンレースで、去年までに上がり最速馬が7連勝中。

加えて、今年は雨の影響で重馬場。例年以上にスタミナが必要になりそうで、道悪適性と小回り適性も含めてこの距離で最速上がりを記録できそうな馬が狙い。


①タイセイモナーク(⋯)

格上挑戦の中、51kgの軽ハンデを活かして2着に好走した昨年の万葉ステークス以降、6戦連続で掲示板外に敗れる凡走が続いていたが、3200mに距離が延びた前走の松籟ステークスで2着に好走。

前走であらためて長距離適性を示した格好だが、掲示板に載った馬の中では最も軽い54kgのハンデで今回は別定56kg。
このメンバーならハンデの恩恵が必要に思う。

②タイセイトレイル(△)

2018年のアルゼンチン共和国杯2着の好走やキセキの暴走で出入りが激しく先行勢に厳しい展開ながら0秒5差の6着に踏ん張った昨春の本レースから重賞タイトルに手が届いてもおかしくない実力は持っているが、年齢によるズブさが出てきた上にハミを取らなかったり耳を絞って前の馬を抜かさないところがあったりと気難しさも抱える現状。

ただ、2500mを超える距離では【2.2.4.6】と掲示板を外したレースは僅か3回と意外に長距離戦への適性は示しており、昨冬のステイヤーズステークスが0秒5差の4着で年明けの万葉ステークスが0秒2差2着。

道悪については重馬場のジャパンカップを走らなかったりすることもあるため半信半疑になるが、稍重のステイヤーズステークスで対応しているように本馬の気分次第。最終追い切りにも跨った仕事人の岩田康騎手が内枠を引いた以上、6番人気なら期待したい。

③シロニイ(⋯)

7歳にして重賞初挑戦。昨秋の六社ステークスでは後にダイヤモンドステークスを勝つグロンディオーズと0秒1差の競馬をしており、当時以上の道悪馬場も追い風となりそうだが、引退前の記念出走のようにも。

④メイショウテンゲン(△)

世代屈指のステイヤーで、メンバー2位の上がりで追い込んだ一昨年のステイヤーズステークス4着を皮切りに、最速上がりを記録したダイヤモンドステークスでの2着、阪神大賞典3着といずれも中盤の緩みが小さいスタミナが要求されるバテ差し戦で連続好走。

昨春の天皇賞は中盤でやや緩んだこともあって向正面から動いてスタミナを活かそうとしたが、坂の下りから11秒台が3F並ぶラップに苦しみ1秒差の8着。
2200mへの距離短縮が懸念された昨年の宝塚記念は追走こそ苦労してほぼ最後方から運ぶ展開となったが、直前の豪雨による馬場悪化に、向正面から息の入らないラップになったことが奏功して5着に健闘。

レース上がりが36秒を超えるタフなレースでこそ力を発揮する馬だけに、昨秋のアルゼンチン共和国杯のレース上がり34秒9では本馬にとっては速すぎで、12kgの馬体減も少なくない影響があったように思えるが、
距離延長で巻き返しを図った前々走のステイヤーズステークスはハミを取らずに反応しないまま14着、前走のダイヤモンドステークスはシンガリ16着と連続での大敗は気持ちの面で心配される。

7番人気とまだ評価が上がってこないなら、重馬場でのバテ差しに期待して押さえる。

⑤ナムラドノヴァン(⋯)

3勝クラスに昇級後、屈腱炎による長期離脱。1年5か月ぶりの復帰戦から6戦して掲示板入りさえ1度もなかったが、格上挑戦となった前々走の万葉ステークスは外を回る展開ながら3分3秒9の好時計で勝利。

51kgの軽量もあったかとは思うが、3走前は勝ち馬ポタジェに次ぐメンバー2位、前々走のグレイトフルステークスも最速タイの上がりで追い込んでおり、最速上がりでの差し切りは復調と共に距離が延びたことで決め手が活きるようになったと見て良さそう。

重賞初挑戦となった前走のダイヤモンドステークスは後方からメンバー3位の上がりで追い込んで4着。上位2頭にこそ離されたが、ステイヤーズステークスでも好走してポンデザールとは0秒1差で長距離適性に間違いがなかったことを証明してみせた。

叩いた上積みも期待される今回だが、3着内に好走した7戦すべてが左回りで、近2走の好走はその左回りだったことに加えてそれぞれ51kg→53kgの軽ハンデでもあったことは否定できない。
【0.0.0.6】の右回りに別定戦での56kg、道悪も実績がないだけに今回は好走へのハードルが高い。

⑥ディープボンド(⋯)

2勝目を狙った福寿草特別で1秒4差の大敗を喫したかと思えば、続くアザレア賞で2着、GⅠ皐月賞でまた10着大敗からGⅡ京都新聞杯での快勝劇。
一見してムラ駆けの印象を抱くが、3着に敗れた新馬戦は重馬場で福寿草特別は良発表ながら今冬の荒れた京都の重たい馬場、皐月賞も稍重馬場の共通点。

綺麗な良馬場に限れば①②①⑤④④ 着。ダービーも3着ヴェルトライゼンデとは0秒1差と僅差の5着で、神戸新聞杯も本馬とコントレイルを除いた掲示板に載った3頭は4角二桁順位の追い込み馬の中、番手追走から0秒5差に粘った濃い4着。菊花賞もマッチレースを演じた2頭からは離されたがサトノフラッグとはクビ差の4着。惨敗した中山金杯についてはいつもの先行策が取れずにチグハグな競馬になってのもの。

とはいっても、キレが武器の馬という訳ではなく、勝ち上がりを決めた未勝利戦のレース上がりは35秒6と掛かっていて、京都新聞杯は36秒2。
自身の上がり自己ベストはアザレア賞時の34秒9で、良馬場で上がりの掛かる展開がベスト。

今回は距離を延ばして古馬への再挑戦になるが、前述の通り道悪への不安は払拭されておらず、勝ち上がりを決めた際は中2週、京都新聞杯も皐月賞から中2週。休み明けで4番人気はリスクが高いように思い、ここは思い切ってバッサリ。

⑦アドマイヤジャスタ(△)

3走前の鳴尾記念から着用したホライゾネットの効果により集中力が増したことでレースぶりが一変。
前々走の函館記念では豪快に差し切って初重賞勝ちを飾ってみせた。

続く札幌記念は後方から脚を伸ばしたもののメンバー5位の末脚にとどまり1秒2差の10着まで。
函館記念はレース上がりが37秒1も掛かったバテ差しレースで、本馬にとっては35秒2でも上がりが速すぎるのかも知れない。

秋の福島記念では伸びを欠いたが、前走の小倉大賞典では後方から最速上がりで0秒5差に追い込んでおり、小回りでレース上がりが掛かる展開なら出番がありそうな可能性を感じさせた。

今回は一気に1200mも距離が延びる3000mだが、半兄アドマイヤラクティは7年前の本レースでゴールドシップの2着に好走しており、11番人気なら道悪に嫌気を出さないことを祈って消耗戦での激走を期待。

⑧ショウリュウイクゾ(△)

3勝クラスを勝ち切れずにモタついていたが、格上挑戦で挑んだ前走の日経新春杯で鮮やかな差し切り。
メンバーレベルが怪しい面はあるが、2kg軽いハンデだったとはいえ左回りの重賞戦線で健闘しているサンレイポケットに0秒4差先着なら可能性はある。

2200mは勝負処から包まれ通しに終わった境港特別を除いて【2.2.1.0】と非根幹距離を得意にしている距離で3000mへの一気の距離延長に不安はあるが、オルフェーヴル産駒で道悪は大丈夫そうな印象。

⑨アリストテレス(◎)

昨春は手薄なオープン戦で賞金加算を目論みながら、若駒ステークス2着→すみれステークス2着→プリンシパルステークス6着と全て失敗。

クラシックを諦め、3か月の休養から復帰すると自己条件で連勝。小牧特別(2勝クラス)は3角で早めに先頭に立つ形になりながら、フライライクバードに並ばれると差し返す根性を見せての勝利。

当時の勝ち時計は神戸新聞杯より0秒6速く、3/4馬身差と着差は僅かだったが、騎乗したデムーロ騎手は「ソラを使って本気で走っていなかった」と着差以上の勝ち方で、その言葉通り、続く菊花賞ではコントレイルを終始外からマークするマッチレースに持ち込んで、あわや三冠阻止の強い競馬。

唯一連対を外したプリンシパルステークスが関東遠征で馬体を減らした影響も少なからずあったと懸念していた前走のアメリカジョッキークラブカップは、明け4歳馬世代No.2の期待を背負う1番人気として堂々と抜け出しての完勝。

プリンシパルステークス時点で454kgまで減っていた馬体は前走で478kgまで増えており、本馬の近親にあたるリンカーンも菊花賞2着から本レースで重賞初制覇を飾っており、道悪も苦にしない上にルメール騎手が騎乗であれば逆らいづらい。

⑩ユーキャンスマイル(○)

昨秋のアルゼンチン共和国杯は0秒4差の4着。当時の中間は鞍上を務めた岩田康騎手が5度も追い切りに跨る入念さで、もともと休み明けにも苦にせず結果を残していただけに58kgのトップハンデが最後に脚が上がった要因だろう。

ひと叩きされたジャパンカップは得意にしていた左回りの東京コースという大目標中の大目標だったが、後方から伸びることなく12着に大敗。
1000m通過57秒9という無謀なペースで逃げたキセキからも0秒9も遅れての入線だった。

GⅠでは一歩足りないGⅡ番長感のある春の初戦、昨年勝った舞台での好スタートを図るが、昨年はキセキの暴走による出入りの激しい展開を岩田康騎手が巧く内をロスなく回る好騎乗と、メンバーに恵まれた面もあったと見ており、今年は斤量も1kg増える。

武豊騎手から急遽の乗り替わりも不運という他なく、右回りでもある今回は取りこぼす可能性は低くないと見ているが、渋った馬場にも対応できる点や長距離適性からこの相手なら外しづらい。

⑪ツーエムアロンソ(⋯)

中央に戻って1勝クラスを卒業後、芝替わりの淡路特別をメンバー2位の上がりを使って2馬身半差の快勝。

続く御堂筋ステークスでも2着に好走して3勝クラスにもメドを立てたが、フレグモーネで休ませてから急な不振に陥り、掲示板外に敗れる凡走が4戦続いたが、前々走の寿ステークスでは中団から差し切る復活。
好走が1月~3月に集中しており、ただ単に寒い時季が合うのかも知れない。

昇級初戦となった前走の関門橋ステークスは好位から早めに動くも0秒8差の7着に敗れており、3000mの距離も未知数で重賞初挑戦がこのメンバーでは厳しい。

⑫ダンスディライト(⋯)

2勝クラスを勝って以降、左回りを使われた3戦は4着→4着→10着と足踏みが続いたが、昨秋の西宮ステークスはほぼ最後方から33秒9の最速上がりで追い込んで3着に好走すると、前々走のオリオンステークスはスタートも決まって3番手からの競馬になりながら、先行策でも末脚は鈍ることなくオープン入り。

重賞初挑戦の舞台は日経新春杯も検討されたが、全4勝を挙げる得意の阪神まで待機して京都記念を選択。
レースでは中団から伸びを欠いて6着に敗れたが、2着ステイフーリッシュとは0秒5差。今後の成長次第では重賞の舞台でも好走できるかも知れない。

今回は福永騎手へと手が戻り、阪神内回りの巧者ぶりに期待もかかるが、2500m以上の距離は今回が初めてで道悪にもいい印象がない。精神的に不安定な面も払拭し切れていない可能性を考えた時、様子見が妥当。

⑬ゴースト(⋯)

新馬戦後、すぐに去勢されたほどの馬で勝ち上がりまでに5戦を要したが、1勝クラスで距離を延ばしてから徐々にその秘めた能力が開花。
体重を絞って臨んだ昨夏の函館初戦こそ、道中で位置取りを下げるロスや直線での不利が響いて7着に敗れたが、続く阿寒湖特別で渋太く脚を伸ばして2着に好走すると、札幌日刊スポーツ杯→西宮ステークスを連勝してオープン入りを果たした。

昇級初戦となった前走の万葉ステークスも、後方からメンバー2位の上がりで追い込んで0秒6差の5着。
やや脚を余した感もあったが、長距離適性は示せた。

今回は重賞初挑戦になるが、スタミナこそ豊富でも低いフォームで走ることから陣営としては良馬場を希望しており、実際に【0.0.1.3】と結果も出ていない。

【結論】
本命 ⑨アリストテレス

ヒモ荒れを期待してワイド流し
相手:②④⑦⑧⑩

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