SSFFZのこと その4
日常の中、ふとした瞬間空想をすることはあるだろうか。想像をすることはあるだろうか。
自分ではない誰かを
明日ではない未来を
昨日ではない過去を
そのぼんやしとした空想・想像を文章として表現することができたなら、それはもうSFと呼べるのではないか。
オラリーから原稿があがってきたのは片想いの新しいアルバム『LIV TOWER』リリースツアーの最中、11月の初めの頃。
「不慣れ過ぎて正解がわからなくなった」とひとこと添えてあったものの、『セルフィッシュ』と題されたその文には不確定で不安定な彼女の思考、頭の中身をなんとかテキストとして具現化しようと試みた結果であろう、とても魅力的な表現に溢れていた。
そのオラリーの作品を読んだ後、すごい、うれしい、良い物ができそう、という素直な喜びと同時に、自分の中から沸々と罪悪感が湧いてくるのを感じた。
普段文章を書くことを生業としていない彼女に『SFを書いて』と無茶振りをしていた事に。
それに対して十分すぎるほどの作品が送られてきた事に。
自分はフィギュアやCGといった自分の領域のみで作品を作ろうとしていた事に。
自分の考えを改めなくてはならないと感じた。
僕も文章書くしかない。
その5へつづく
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