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SSFFZのこと その3

電気こうたろうさんとはオファー後も何度かやり取りをしており、そのなかでZINE用のマンガとして『オシャレなやつ』と『イカれたやつ』のふたつを候補にしているとのことだった。

どちらにするかは電気さんにおまかせし、数日後に上がってきたのは『力犬ゼリーの作り方』という4ページマンガ。力犬型のゼリーが作られる様が、1コマ1コマアート作品の様な構図で描かれている素晴らしい『オシャレなマンガ』だった。

ただ、どうしても『イカれたやつ』が気になってしょうがない。もともと電気さんのマンガに惹かれたのも、かなりイカれた設定を独特の空気感で事実のように描くところだったから。

そして、無理を言ってもう一本も描いていただけることとなり、一週間後に「かなり自由に描いたので、断って頂いて構いません」という一言と共に送られてきたのが、

死んだ恋人たちの町

だった。

度肝を抜かれた。

しかも『力犬のマンガ』としてオファーしたような気がするが、力犬は全く出てこない。

ぶっ飛んだ設定と、わくわくぞくぞくする展開、そしてどう形容していいかわからない読後感。

とにかくやばい作品がきた。それだけは確実だった。

その時点で、ZINEの中身を力犬に絡める必要はなくなった。

そしてその数週間後、オラリーから原稿があがってくる。


その4につづく

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