プロローグ ~3年で教師を辞める~

「3年間頑張ったら教師を辞める。」


大学生最後の一日。
明日から社会人デビューする自分は、笑っていいともの最終回を見終わり、再び決意の確認をした。


子どもは好きじゃない、根暗。そもそも教師は本望でない。そんな自分が明日から教師になる。憂鬱。胸が痛いお腹が痛い。10年来の夢 お笑い芸人やりたかったな。。。。


しかし、負けず嫌いな性格もある。
ただ逃げるのは愚か。職の本質が見えてくるまで……3年ぐらいかな。3年頑張ってから辞める。



現在、教師になって5年目。

なぜ辞めていないのか。

その きっかけになったのがこの男。

ホームレス小谷(@kotanimakoto)である。

もともと、この人の存在は知っていた。

・自らの1日を50円で売っている。

・依頼されたことを何でもやるのが生業。


面白いな、と思って試しに買ってみた。交通費往復+ご飯代で2万5000円以上。それ以上の価値はあった。


依頼内容はくだらないものだったが、その後6時間以上話し倒していた。
気づいたら、本来話す予定のなかった職業観に関する悩みを打ち明けていた。
親にも友達にもSNSにも吐いていない自分の中に蓋をしていたことを初対面の男に。
それは完全に小谷さんの人柄。完全な肯定感と一生懸命さにものの数時間で心がひらいていた。


相談したことは以下の通り

・本当にやりたい仕事は中学の頃から大好きだったお笑いに携わる仕事。

・今は楽しく仕事が出来ていない。


小谷さんの回答は至極簡単。

発想の転換である。

「学校の授業、例えば6時間ありますやん。それって芸人さんが1日舞台を6ステこなしてることと同じですやん!それを週5で!?それってすごないっすか??」


目から鱗。

教師コントをしている、と演じるのも1つ。

授業の最後1分を自分のお笑い発表の場にするのも1つ。

思えば学生時代、自身のエピソートトークしてくれたり、雑学を語ってくれる先生がいたなぁ。お楽しみ会では弾き語りする先生もいた。

それを自分流に組んでいけば……


吟味して計画して、実行したいタイプなので次年度のクラスで実践してみることにした。

教師になって3年目の年。

この1年がこの職を続けるか、辞めるかの決め手になる。

理想とする教師像は即決まった。

「日本一面白い教師」


この1年で全てが決まるためもう2つ自分に課した。

「担任する子の人生において、最も笑った!と言わしめる1年にする。」
「ホームレス小谷さんをクラスに招致し、子どもたちと会えるようにする。」

特に2つ目が紆余曲折あり大変だったのですが、そろそろ長くなってきそうなのでこの辺で。

これからしばらくの記事は、嫌いな職業に全力を尽くし、今から振り返ってもこの年は本当に頑張ったな、と胸を張って言える1年についての実話。

まずは、プロローグでした。
この記事の中にも、もっと掘り下げなきゃ行けない箇所がいくつかあるんですが、まずはさわりだけ。

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