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妄想アマガエル日記(25)-9月17日(日)曇り時々雨

「よし、小太郎も目を覚ましたし、どっか行こうか!」
銀次郎が二人に声をかけた。

「大丈夫かい?歩いたりできるかい?」
与助が小太郎を心配して聞いた。

「あぁ、全然問題ないさ。寝続けていたみたいだから少し外の空気を吸いたいしな。。。。」
小太郎が隙間の外をちらりと見ながら言った。

「じゃ、この前、雨の日に行ったこの雑木林の奥に行ってみない?」
銀次郎が提案した。

「あ~、、大きなヒキガエルが脱皮していたところだろ?」

「そうそう、、あの時は怖かったけど、3人で行けば怖くないし、今日は時折雨が降るから歩くのにちょうどいいからね。」

「大きなヒキガエルが脱皮?なんのことだい?」
小太郎が不思議そうに聞いた。

「あぁ~、君に出会った日にね、一人でこの雑木林の奥に行ったんだけど、その時に大きなヒキガエルが自分の皮を剥いて、脱皮していたんだよ!」
銀次郎がその時の様子やカミナリに映し出される姿や第3形態になると思って見ていたけどただ美肌になっただけだったことなどを嬉しそうに話した。

それを聞いた小太郎は腹を抱えて笑って、笑いすぎて、苦しそうにしながら、銀次郎が言う第3形態ってのをこの前夢で見たな~と考えていた。ただ、さすがにそんな夢の話しをすると銀次郎と同じように思われるから、やめといた。

「よし、じゃ、ご飯を食べてから、雑木林の奥に行ってみようよ。」
与助が二人に声をかけた。

「そうだね。毒ミミズは食べちゃだめだよ!」
銀次郎が小太郎に声をかけた。

「あぁぁ、そうだな。気をつけるよ。」
気まずそうに答えた。

しばらく、個々に餌を探して食べて、それぞれがお腹がいっぱいになった頃、3人が集まった。

「小太郎はずっと寝ていたから、お腹すいていたろ?」
「いっぱい、食べた?」
銀次郎が優しく声をかけた。

「あぁ、とりあえず、お腹もいっぱいになったし、気分もよくなったからよかったよ。」
小太郎が申し訳なさそうに言った。

「じゃ、雑木林の奥に行ってみよう!」
与助が声をかけて、3人で歩き始めた。
銀次郎がこの前一人で歩いていた時のことを話しながら、前と同じ道を歩くように思い出しながら先頭で歩いていた。その次に小太郎、与助の順で続いた。

しばらく歩いて行くと、この前雨宿りをしたコンクリートブロックが置いてあるところまでやってきた。

「へ~。。。この前一人で歩いて来た時はここまで来るのに結構時間がかかって、だいぶ遠くまで歩いてきたような気がしていたんだけど、、案外近かっただ~」
銀次郎が驚いたように言った。

そして、この前、この穴の中で雨宿りしている時にヒキガエルを見たことを説明した。

「ヒキガエルはどの辺りにいたんだい?」
与助が銀次郎に聞いた。

「そうだね~。。。ちょっと穴の中に入って思い出して見るよ。。」
「小太郎~~、、もう少し向うの木のところまで行ってくれる?見た位置を確認したいからさ~」

「この辺りかい?」
小太郎が後ろに歩きながら返事した。

「いや、もっと後ろ~」

「じゃ、この辺りかい?」
小太郎がさらに後ろに歩いて返事した。

「いやいや、もっと後ろだよ。奥に大きな石があるでしょ。その石の辺りだと思うんだよね。。」

「あ~、あの大きな石ね。。」
小太郎が急いでその大きな石の近くまで近づいて返事した。

「そうそう、、、その辺り。。。。。。。。。。。。。。。!」
銀次郎が返事をすると小太郎の背中の奥で黒い影がぬっと出てくるのが見えた。

「この辺りに、デカくて、自分の皮を剥ぐ、変なヒキガエルがいたんだな!」
小太郎が嬉しそうに返事した。

「しかし、こんなところにそんな変なヒキガエルがいるんだな~」
「冒険家の俺としては、一回見てみたいもんだよ!!はっはっはっ」
小太郎が大きな声でそういうと、強い風が吹いた。
そして、銀次郎と与助が何か言っているが、その声をかき消した。ただ、二人が何かを言いながら、後ろを指差していた。

「え?なに~??聞こえないよ~」
小太郎が大きな声で聞いた。

すると、その瞬間風が止み、銀次郎と与助の声が聞こえた。


「後ろぉ、後ろぉ~」
「後ろぉ、後ろぉ~」

小太郎がゆっくり後ろを振り向くと、そこには、大きな大きなヒキガエルが自分を見下げているのが見えた。鼻の穴がひくひく動いていた。大きな腕をしていて、その腕の方が自分の体より大きいくらいだった。赤と黒のその模様とその大きな大きな姿は、まるで悪魔のように見えた。


「あへぇ」
気を失った。

つづく。