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ゲンジボタルに関するツィート

1.ゲンジボタルの基礎


2.ゲンジボタルの卵について


3.ゲンジボタルの幼虫について

4.ゲンジボタルの蛹について


5.ゲンジボタルの成虫について

ゲンジボタルの交尾と言いますか、交尾器の接合について上の動画で解説しましたが、これでは十分に説明できていないので、ここで補足します。

ゲンジボタルの交尾器です。左が雄で右が雌です。

まず、ゲンジボタルの交尾器は内袋が膨らむタイプではなく、陰茎の途中から精子がでますので、陰茎の先というのは産卵管から受精嚢管に入れるためのガイドのような役割があると考えられます。そのため、オサムシなどのような鍵と錠の関係にはなってなく、種の認識については交尾器を挿入する前の配偶コミュニケーションや発生の時期・時間・場所を限定することで行っていると思います。
 さて、交尾器は産卵管の先から陰茎が入り、そのまま奥の受精嚢管に入らないといけませんが、ここで、問題なのが、産卵管の先から受精嚢管の間には高さの違いがあります。それを克服しないと受精嚢管に陰茎ついては精子を入れることができません。

陰茎が受精嚢管に入っているところ
受精嚢管に入る交尾器のつくり

産卵管の先と受精嚢管の孔の間には段差がありますが、これを攻略するために陰茎は横から見ると立ち上がり(曲がっている)、この角度が丁度、産卵管と受精嚢管の段差の形になっているわけです。
 そのため、ゲンジボタルは雄が雌の産卵管の先に陰茎を挿入して、そのまま差し入れると陰茎が曲がっていることで自動で受精嚢管に入る仕組みになっています。
 そして、ゲンジボタルは雌の左側からしか交尾器を差し入れることができないのですが(雌の右側や背中からは交尾器を挿入できない)、それは体に対して雄の交尾器がやや横を向いて収納されていることと輸精管が体に対して左に曲がっていることによると考えられます。そして、この輸精管が曲がっていることは、交尾後に尾と尾が繋がったまま一直線になる理由とも考えられます。精子を送りこむ際に輸精管をまっすぐにしないと効率よく精子を流し入れることができないのもかもしれません。