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妄想アマガエル日記(5)-7月18日(火)くもり

今日は、朝から曇りで、時折雲の隙間から日が差していた。雨は降らなかった。

一昨日の夜は、ヌマガエルのせいで、色々考え過ぎて夜を明かしてしまった。だから、昨夜はその反省を踏まえて、暗くなる前に朽ち木の隙間を出ることにした。

まだ日が沈む前の紅い空を背にして、朽ち木を出た私は、とりあえず、草むらの中を進んだ。どれくらい進んだ頃だろう、その先には、小さな川があって、流されそうになりながらその川を越えた。

その先には地面がレンガで覆われた広大な大地があった。そのレンガはまだ昼の灼熱の余韻を残していて、とても熱かったがそんなこと気にしてはいられなかった。

そして、いつの間にか再び草むらの中を進んでいた。
草むらの中にはバッタやコオロギをはじめゴミムシダマシとかカタツムリとか、これまで見たことがなかった生き物を見ることができた。

「なんて、勇敢なんだ!」
とても自分が誇らしく思えた。
「やればできるじゃないか!」

草むらをさらに進むと、草むらが途切れ、おもむろに雑木林が現れた。

「ん?なんか見たことがある雑木林だな、、」
「あっ、あの隅にある朽ち木は、いつもの居心地のいい朽ち木じゃないか!」
どうやら、一周してきたようだ。そして、朝になっていた。

結局、一応冒険はしたし、今日はまたいつもの居心地のいい朽ち木の隙間で休むことにしたのである。
少しは進歩した。

つづく